NHK朝ドラ『らんまん』感想 第123回 (第25週 水曜日)

モデルの牧野博士の史実とは、ちょっとかけ離れているのだけれど。

大正12年(1923年)9月1日。
何が起こるかは日本の大人の大半は知っている。

だから、何が起きてもそこに至るフラグだと知っている。

万太郎……送っとけ……。

大正12年9月1日。万太郎(神木隆之介)の図鑑はついに完成しようとしていた。万太郎は、永守がいる神戸に旅立つ準備を、寿恵子(浜辺美波)と千歳(遠藤さくら)は、いつものように昼食の準備をしていた。その時―、関東大震災が発生。火災も起き、各地で甚大な被害が出る。大畑印刷所で働く虎鉄(濱田龍臣)は、大畑(奥田瑛二)と共に消火活動に。万太郎、千鶴(本田望結)たちは持てるだけの標本をもって渋谷へと避難する…

あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
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連続テレビ小説「らんまん」第25週「ムラサキカタバミ」第123話

2023年上半期朝ドラ『らんまん』感想

感想

万太郎の旅立ちが1日早ければ、原稿は無事に神戸に辿り着いていたんだね。

ただ、万太郎は東京の様子が心配で心配で、どうしたらいいか分からない状況に陥っていただろうし。

標本を守りたいお寿恵さんが大怪我していた可能性もあるし。

とりあえず……家族だけは揃っていて良かった。

関東大震災

大正12年。

万太郎の白髪は増え、「おじいちゃん」と呼ぶ孫まで出てくる。

「虎太郎」と名付けられたその子どもの親は名前からしてすぐに虎鉄くんの子だと分かる(笑)

前回が大正元年。あれから12年。槙野万太郎、61歳。

神木隆之介の「演技で年取る」風情が凄い。

植物を抜いては捨てる虎太郎を見て注意する万太郎。

標本はただ植物を死なせちゅうわけじゃない。


根っこから丁寧に採集し、手早く乾燥させ保管しちょく。ほんで、それをお湯の中につけると水分を吸うてお湯の中で花が開く。

本当に?

うん。
こうしておけば季節外れでも生えちゅう場所まで行かんでも観察もできるし、外国と交換もできる。


標本は世界中で役に立つことができる。

そんな万太郎は、翌日には神戸の永守さんの所に直々に図鑑の原稿を持って行くことになっていた。

やっと図鑑が完成するんですね。
まだ夢みたい。
原稿、重たいでしょ?送ってしまえばよかったのに。


いや……大事なもんじゃ。手放せん。自分で持っていく。

NHK朝ドラ『らんまん』感想 第123回 (第25週 水曜日)

いや、送っとけって言ったじゃん!!と叫ぶ全ての朝ドラ民の声が聞こえる……()

この教訓から、万太郎はこの後、大事なものは先に送るようになりました(か、どうかは知らない)。

風が出てきたのう。

と冒頭からフラグは立っていたけれど、風の強い日だった。

この震災では死傷者数のほとんどが、そのせいで拡大している。

午前11時58分。震源は相模湾(他説あり)、マグニチュード7.9(他説あり)の大地震。


お昼時。
一般家庭にガス普及率は低く、ほとんどの家が直火で調理していた。

燃えやすい木造建築、長屋のような密集住宅、崩れやすい古い家屋。

倒壊する家に圧死する人よりも、追いかけてくる熱風と火災に巻き込まれる被災者が多かった。

動きたくても動けず、まだ「頭を守れ」などの教育を受けていないのでオロオロするしかなく、そんな中で、とりあえず かまどに水を入れるお寿恵さんの行動が偉い。

NHK朝ドラ『らんまん』感想 第123回 (第25週 水曜日)

揺れが収まってから、必死に標本を移動しようとする万太郎。そんなこと、いいから!火が来るから!

と思うけれども、実際にこんな人たちがたくさん居たんだろうなぁ。

現在の私たちの防災意識は、全てこの震災を踏まえての学習から成り立っているのだから。

本日の『らんまん』は、15分の朝ドラにして、かつてないほどリアルに情景を描いていた。

大学に出来る限り標本を移動して家族とともに避難しようと考える万太郎。

そりゃ……標本は万太郎の人生の全て。東京に来てからも、この標本のためにここに住み続けてきた。

こんなことで、これを捨てていくことはできない!

これを捨てるくらいならば、もろ共に……と思ってしまうかも、独身ならば!

万太郎には守るべき家族がいる。
ひれも標本と同じくらい万太郎の命の全てのはずなのよね。

しかし、先にも書いたが、この震災の結果がどうなるのか、この時代の人はまだ知らないので……。

万太郎一家は出来る限り標本を背負うのである。(火がつくってば!)

虎鉄くんが働きに行っている神田の大畑印刷所では、

神田の火事は俺たちが何度も何度も食い止めてきた!
火を消せ。
町の人を助けろ!

と、動こうとしない大将。(逃げろってば!)

百喜と大喜は……役場と新聞社は崩れないでしょうね?

(崩れますよ)

避難するなら荷物を捨てろと叫ぶ警官たち。(正しい)

火事場のどさくさに紛れて万太郎たちの荷物を奪おうとする輩。(ただの草だってば!)

NHK朝ドラ『らんまん』感想 第123回 (第25週 水曜日)

遠くの空は赤く、火の手の迫る東京一体。

お寿恵さんは言うのだった。

大学は…無理じゃ!


万太郎さん、渋谷です。
渋谷に逃げましょう。

渋谷はこの時、比較的被害が少なかったという。

お寿恵さんの判断力は、いつでも素晴らしい。

史実の牧野博士

実は、史実の牧野博士の莫大な量の標本は、この頃、すでに神戸の永守さんのモデルの方・池長孟氏の元に送られていた。

図鑑も発行されていたし、牧野さんご自身は、明治期からずっと学歴を持たないまま講師をされている。(昭和に入って77歳まで帝大(東大)勤め)

震災時には、すでに渋谷に住んでおられた。

……ので、じゃなくとも主人公なので、ここでどうにかなるわけではないのですが。

史実を大幅に改変しながら、「こうだったかも知れない」を描く脚本の手腕に心から感動してしまう。

この辺はほぼ創作なので、個人的には、神田の大将たちと虎鉄くんがどうなってしまうのか、また沼津の綾さまたちは御無事なのか(関東大震災は神奈川県が一番被災者が多く、静岡県も千葉県に次いでいる)、そこも心配。

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らんまん キャストとスタッフ

キャスト

槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波

槙野園子 – 斎藤羽結
槙野千歳 – 遠藤さくら(子役期:入江美月←秋山加奈)
槙野百喜 – 松岡広大(子役期:石川誉←森本一之新)
槙野大喜 – 服部仁信
槙野千鶴 – 本田望結

井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子

槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸

広瀬佑一郎 – 中村蒼


西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
笠崎大輔 – 遠山俊也
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純

天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
永守徹 – 中川大志
山元虎鉄 – 寺田心 → 濱田龍臣

大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由


野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ


田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ

語り – 宮崎あおい

らんまん スタッフ


◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志

◆脚本 : 長田育恵

◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」


『らんまん』各回リンク

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