NHK朝ドラ【らんまん】感想 第46回 (第10週 月曜日)

印刷は「学びたい」というよりも、「妥協できない」なのよね……。

しかし、俺がお前を変えてやる!と言われたらプロとしては気分は悪いかも。

植物学雑誌の創刊に向け、万太郎(神木隆之介)は大畑(奥田瑛二)が営む印刷所へと向かう。描いた絵の筆遣いをそのまま印刷できる“石版印刷”の技術を習得したい万太郎は、大畑と妻・イチ(鶴田真由)に働きながら学ばせてほしいとお願いする。授業料も支払うという万太郎に、大畑とイチは驚きながらも承諾するのだった。一方、寿恵子(浜辺美波)は、白梅堂にはしばらく来ないと言った万太郎のことが気になっていて…

あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
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連続テレビ小説「らんまん」第10週「ノアザミ」第46話

2023年上半期朝ドラ『らんまん』感想

感想

出かけていて書けなかったので、簡単に。

万太郎の方は万太郎の方で、寿恵子の方は寿恵子の方で、それぞれ興味深い展開……。

ここで働かせてください!

明治の世は 印刷物が大量に出回り活版印刷が急速に広まりました。更に図版描写に優れた画期的な技術としてこの石版印刷が大きな話題となっていました。

ということで、石版印刷の大畑印刷所へ来た万太郎。

興味深げに工場見学。

職人さんに近づいて作業をじっと見る万太郎に、印刷所の主・大畑の方がやきもきする。

あの、汚れますよ。

おい、お客様だぞ。気ぃ付けろ!

石版印刷の登場にテンション上がった印刷屋さんたちのツイートが楽しい。

少し科学的になりますが、脂肪性(油性)の薬剤で絵柄を描き、その上に硝酸溶液を塗ると、石灰石の炭酸カルシウムと反応して脂肪酸カルシウムができます。この脂肪酸カルシウムが水をはじく性質をもっていて、親油性のインキが乗りやすくなるわけです。その他の絵柄のない部分は、保水性に富んだ酸化カルシウムとなって、水を受け付けます。石灰石の表面を水に濡らしてから印刷インキを載せると、絵柄の部分だけにインキが付いて紙に転写できる状態になるというわけです。

石版の場合は、木版や銅版のように彫る作業が不要で、文字や絵柄を自由に描きさえすれば、印刷が可能になるというメリットがありましたが、欠点は何といっても石灰石が重く、しかも高価で入手しにくいということでした。

https://www.jfpi.or.jp/printpia/topics_detail21/id=3564

リトグラフは大学の時に体験したけれど、アルミ板かなにかでやっていた気がする。石版印刷はこの頃画期的だったらしいけれど、こんな重労働な大仕事をされていたとは知らなかった。

どの時代でも職人さんは素晴らしい。

大畑印刷でも、みなさん誇りを持って専門技術のお仕事をされている様子が伝わった。

特に、石版に画を入れる画工さん。

うちの画工の岩下定春です。
若え頃は浮世絵の彫り師として腕を鳴らしてあの国芳の版を彫ったこともあった。


いや、あっしが引き抜きましてね。


まあどこを見渡しても、原画から版を写すことにかけちゃあうちの画工にかなうものはおりませんよ。

親方、こんなにニッコニコして自慢したのにさ。

ここを否定されちゃ、そりゃ機嫌も悪くなるよね。

どうです?細けえ線までくっきりと。自慢の画工ですからそちらさんのどんな原稿でも……。


うん…。
ありがとうございます。拝見いたしました。
いや、もう大変結構ですき!
けんど、こちらの画工にお任せすることはできません。

え? え… な… 何と おっしゃった?


お任せすることはできません。

「お任せすることはできない」と、キッパリ言い切って妥協しないところは、ぼんぼん育ちゆえとはいえ、万太郎の良い所ではある。

ま……

大事な植物画のためなら妥協はできないってところよね。

分かりました。ほんなら依頼の内容を変えますき。


大畑さん、わしをここで働かせてください!


わしがお願いしている図版は線の太さや筆遣い、描いたままをそのまま出してもらわんといかんがです!


そうでないと本物に見えませんき。


かくなる上はわしが自分で石版に絵を描いて、自分で印刷できるようになりたいとそう思うちょります。ここで働かせてください!

まさに、「目を白黒」の演技が素晴らしい奥田瑛二さんの横に美しい女将・イチさんをキリッと演じる鶴田真由さん。

素敵な夫婦だねぇ、これは。

しかし、まぁ、あきれるよね。

働かせてください → 昼は大学だから来ないよ → お金払うからよろしくね。

なかなか。

嫌われただろうなと思う(笑)

思うけれど……そんなこと、植物学のためならどうでもいいってことですよね。

槙野さんのこと本当に知らない

白梅堂では、万太郎の「しばらく来ない」を母・まつから伝え聞いたお寿恵がガッカリしている。

おっ母さん、槙野さんがどの辺に住んでるかは聞いた?


聞くわけないだろう?
ねえ、あんた、あのお方とどういう関係なんだい?


どうって……。
何の関わりもないよ。

正解だものね、それ。
本当に何の関わりもない。

いつもいきなり飛び込んできてすぐに出てってしまう。前ばかり向いてる。


私、あの人のことそれしか知らない。
ただ、かるやきを食べさせてあげたい。

かるやきを食べさせてあげたい、と言って笑う娘を見て、まつさんは気づいているよう。

妹の みえは、お寿恵を高藤さまの妾に推すことで頭がいっぱい。

あんたが高藤様に見初められれば、姉さんも私も高藤家とつながりができるんだから!


いいよ、そんなの…。
それに一生のことだからね。
相手はお寿恵に決めさせますから。

母はお寿恵に好きな人と妾ではなく、一緒に生きて欲しいと願っている。

母親としたら、あの子が幸せになってくれればそれでいいけどね。

お寿恵ちゃんの頭の中は万太郎でいっぱい。

高藤の妾話をこの時代の女性がどう蹴る事が出来るのか。

そこに注目したいな。

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らんまん キャストとスタッフ

キャスト

槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)

井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子

槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸

広瀬佑一郎 – 中村蒼

西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純

天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方

大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由


野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし


田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ

語り – 宮崎あおい

らんまん スタッフ


◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志

◆脚本 : 長田育恵

◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」


『らんまん』各回リンク

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