本日から、ついに東京編。竹雄の名字が「井上」だったということが本日最大のサプライズ(笑)
レトロな東京駅の構内から外へ出た途端、万太郎が見つけたのは、やはり「草」。
この純粋な気持ちがいつまでも失われないといいなぁ……。時代は変革期。
東京に着いた万太郎(神木隆之介)と竹雄(志尊淳)は、野田基善(田辺誠一)らがいる博物館へと足を運ぶ。野田から東京大学への紹介状をもらった万太郎は、名教館時代の学友・広瀬佑一郎(中村蒼)の元へ。佑一郎に下宿先を紹介してもらっていたのだが、植物標本などの荷物が多すぎるから捨ててほしいと言われてしまい…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第6週「ドクダミ」第26話
感想
時代は1884年(明治17年)。世界と対等に渡り歩ける日本を目指して政府は右往左往……。
実は、この国に「内閣」が発足し、初代内閣総理大臣・伊藤博文が就任したのはこの翌年だったりする。
それが万太郎とどう関係する?かどうかは、分からないけれど……。
広瀬佑一郎と再会
上京する朝ドラさ、下宿のあてもなくフラフラ出て来る話が多くてビックリするんだけど(笑)このドラマではきちんと宿は用意されていた。
世話してくれたのは、あの、佐川で別れた佑一郎。
すっかり、イイ大人になって高級そうな洋食店で万太郎と竹雄を接待してくれる。
いつぞやは悪かったのう。
と、かつて若を庇って前へ出た竹雄を木刀で殴ってしまったことを詫びてくれる。
物腰穏やかで、真面目な空気感。
子どもの頃は安定しない「武士」の地位に不安があったのか、もっと尖った雰囲気だったものね。
中村蒼くんがピッタリなキャスト。
【本人】『#らんまん』ありがとうございました?
— 中村蒼オフィシャル (@lespros_aoi) May 8, 2023
万太郎と竹雄との再会。
佑一郎がどんな道を歩んできたかが少し分かりましたね。彼も違う道で奮闘してます?
次会えるのはいつになるだろう…?
洋食屋のシーンで志尊さんと共に誕生日を祝って頂いた時?#朝ドラらんまん pic.twitter.com/BVxRY4b5ap
わしも去年までは東京を離れちょったきのう。
北海道におった。
札幌農学校は全額官費で生活費も支給されると聞いてのう。
東京に出てから、札幌の農学校で官費で学問を続けていた祐一郎。農学校では土木工学を学び、今は工部省で鉄道の仕事をしているという。
偉いのぉ……本当にこういう偉人には頭が下がる思いじゃ。
公式な設定は無いけれど(そして以前も書いたけれど)、佑一郎くんのモデルは近代土木の先駆者・広井勇 氏だという。
佑一郎くんは勉学のために「学び」を得られる場を求め、学歴と知識を得た。
万太郎は独学で好きなことをここまで突き詰め、道を開こうとしている。
ただ、「学校を出たという履歴」つまり「学歴」がない。
現代とは違うとはいえ、学校教育制度も試行錯誤しながら整いつつある時代……。
野田先生の紹介状があるとはいえ、佑一郎くんの
紹介状か……。
けんど……東京大学に紹介状で行けるがか?
は、かなり気になる。
虫がわく
佑一郎くんが用意してくれていたのは、自分の叔父・広瀬氏の書生部屋だった。
叔父上は政府の役人をしゆう。
来客も多いし、えい刺激になるじゃろうが……。
ただのう…峰屋から前もって荷物を送ったろう?
はい。これが必要じゃゆうもんを選び抜いて送らせてもらいました。
多すぎるき捨ててほしいがじゃと。
特に反故紙の束。
いや……いかん!
あれは……あれはただの反故紙じゃないき!植物の標本じゃ!
書生部屋は狭い。
本も荷物もとても峰屋のように悠々とは暮らせん。
それに叔母上がきれい好きなお方じゃきどうにも許せんみたいじゃ。
枯れた草には虫がわくと。
これを聞いた万太郎は、悩んだ末、なんと、紙を捨てる方向ではなく、下宿先を新たに探す方向へと向かって行くのだった。
冒頭に書いた「下宿のあてもなくフラフラ出て来る」朝ドラになっちゃった(爆)
標本もともかく、広いお屋敷の峰屋気分で、いっぱい荷物を送ったんだろうな……。
こういう所、やはり「大店の若と御付」が抜けない2人である。
万太郎。人の家で書生になるにはその家の家風に従わんといかん。
と佑一郎くんの言う通り。
車を引いて新たな下宿を探すことにした2人だが、そんな広い所が見つかるのかね。
(住み込みで世話してもらったという竹雄の仕事はどうなるん……)。
井上竹雄
博物館で若から
竹雄も来い。
峰屋を出た今、おまんはわしの従者じゃない。
相棒じゃき。
と言われ、御付から完全開放された竹雄。
「相棒」と言われて心から嬉しそうだったけれど、将来的に……相棒になったせいで大変な生活に(な、ならないといいよね……)。
こちらはわしの相棒で井上竹雄といいます。
よろしゅうお願いいたします!
ここで、視聴者も初めて、竹雄の家が「井上」であることを知るのだった。
これは別に今まで名字を許されていなかったわけでも、もちろん、無かったわけでもなく、竹雄の家、つまり峰屋の番頭のお家はきっと代々・井上であったのだろう。
時代的にはすでに10年ほど前に全国民が苗字を持つ平民苗字必称義務令が制定されており、苗字のない人は存在しない。
2月13日
— 大和猫 (@yamatokotobacat) February 12, 2023
【苗字制定記念日・名字の日】
1875年2月13日に、明治政府が平民苗字必称義務令という太政官布告を出し、すべての国民に姓を名乗ることを義務づけたことに由来します。 pic.twitter.com/6aw6nvuOqa
これも、身分に関係なくみんなに苗字を名乗らせてあげようよ♥などというご好意ではなく、徴兵しやすくするためなんだよね……。
名前があれば管理しやすいので。
(な、なんか、マイナンバーに似てるなぁ……)
では、なぜ今までドラマ上は名乗っていなかったのかというと、「必要なかったから」だろう。従者である限り、井上家は個人名よりも「峰屋の○○」なのよね。
女性が「○○の女」とか「○○のむすめ」のような記載でしか史料に現れず、本名ってなに?のように世間的に扱われていたのと同じ。
名前があるということは「個人」があるということ。それは自由でもあるということで、心から喜ばしい。
けれども、名前があると管理されるし責任も生まれる。先にも書いたように、徴兵なども逃げようがなくなる。
名前がないというのは現代から考えると実は自由だったのかも知れないな。
と、ふと考えたりしてしまった。
ドラマとは無関係なお話でした。
東京都練馬区の「牧野記念庭園」のことをちょっと書いたので、お近くで連休の間を持て余している方はぜひ。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
広瀬佑一郎 – 中村蒼
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
浜村義兵衛 – 三山ひろし
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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