世界を見て来た者が語る情勢は、けっして平和でワクワクだけするものではなかった。
どこの国にも争いはあり、差別もあり、黒歴史がある。
見に行かなかった者は、むしろ幸いだったかも。
アメリカから帰国した佑一郎(中村蒼)が長屋を訪れ、万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)は無事の帰国を喜ぶ。佑一郎は、仕事は順調だったが人種差別を目の当たりにしたと話す。そして、草花に一切優劣をつけない万太郎の姿を改めてたたえる。一方、田邊(要潤)の元に突如、女学校廃止の知らせが届き…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第20週「キレンゲショウマ」第98話
感想
佑一郎くんは相変わらず「大人」だ。
彼が現れる時は必ず人生の指針をくれる。
おまん、この先もずっと変わりなよ。
それぞれが それぞれ
四つ辻で女子から「きゃあ♥」と言われていたのだから、佑一郎はイケメン設定なのだろう。(中の人は私がずっと応援している中村蒼くんですよ!)
寿恵子さん、お元気そうでよかった。
お子さんらあも元気じゃのう。
佐川とはやり取りしゆうがか?
竹雄は元気か?
少年時代は嫉妬もされていた、重箱弁当を従者に持たせて登校する坊ちゃん。
家が潰れたことを佑一郎くんはまだ知らないらしい。
まあ積もる話はたくさんある。
けんど。まずは佑一郎くんのアメリカの話から聞かせてくれんかえ?
話し始めれば、植物オタクの万太郎と同じくらいキラキラしながら建築オタクっぷりを披露してくれる佑一郎くん。
ミシシッピ川の治水工事は、俺はミシシッピにミズーリ川が流れ込む合流地点の堤防構築に携わっちょった。
中でも忘れられんがは大きいミシシッピをまたぐ、そりゃあ巨大な橋じゃ。
イーズ橋ゆう大橋で、鉄と鋼でアーチが組まれちゅう世界で最初の橋じゃゆうて。緻密な構造で幾何学模様に組み上げられたそりゃあ美しい……。
相槌をうちながら楽しく話を聞く万太郎。
美しいきこそ強い。
俺が学ぶ土木工学とは何かがよう分かった。
人間が生み出す建造物で巨大な自然の力と人の暮らしを調和させることができるがやと。
美しいものは強い……
そう言いつつ、佑一郎くんの顔は次第に曇っていく。
けんどのう……人間のすばらしさと同時に恐ろしさも知った。
夏の雨期は河川の工事は縮小になるき生活費を稼ぐために鉄道技術者として南部に行ったがよ。ノーフォーク&ウェスタン鉄道の工事に参加したがじゃ。
日本で幕府が倒れ新政府が出来た頃に、アメリカでも北部と南部で大きな戦争をやりよったがじゃ。
南北戦争。
元々は奴隷解放を叫ぶものだったけれど、結局は奴隷から解放されたはずの黒人たちは物凄い差別を受けることになってしまったんだよね。
その差別は残念なことに現代に至っても無くなったわけではなく、各地で暴力による事件が起きている。
差別に関する関心は高く、映画なども相当な数が作られているけれど、それでもなくならないので根が深い……。
そして白人からの有色人種差別は黒人ほどでなくとも黄色人種も受けて来た。
その実感を佑一郎くんは現地で肌で感じて来たということ……。
大きな橋も鉄道も港も、巨大な建造物を造るのは人間の力や。
けんど人間は対等に扱われちゃあせん。
札幌農学校では神の教えも教わったけんど、そのアメリカではあれが現実やった。
昔は俺らも武士じゃ町人じゃゆうてやりよったけんど……。人が人を差別するらあて……
嫌じゃのう。
佑一郎くんは、これから札幌農学校の教授として迎えられるのだそうだ。
いきなり教授かえ?あ~…、すごいのう、佑一郎君は。
おまんじゃち、すごいろう?
何が?
いや話したろう?わしは大学への出入りを禁止になって…。
そうじゃのうて、おまん、昔からいっぺんじゃち草花に優劣をつけちゃあせんかったろう?
当たり前じゃろう。それぞれがそれぞれに面白いき。
そう考えられること、当たり前じゃないき。
生まれた国、人種、どこでどう生きるか。
それぞれに面白うて優劣らあない。
おまん、この先もずっと変わりなよ。
いや……
すごいのは、やはり佑一郎くんの方だよ。
自身は自身の力で学ぶ道を選び、財力も血筋の愛情も限られる中で勉学と実習を繰り返して好きな道を究めた。
教授の位置まで上り、でも、学歴のない万太郎の生き方を全く否定しない。
有難い友だ。
なぜ自分だけがそんなに偉いとお思いなんですか?
一方。
今やあの頃の万太郎と同等に「禍福は糾える縄の如し」を体感している田邊教授に新しい苦難が待ち構えていた。
森有礼大臣の暗殺により、文部省が突然、女学校を廃止したのである。
電報を読み、
聞いていない……何も知らない。
文部省に行ってくる。
学校長なのに何も知らずに決められているって、確かにショック。
そして、出先でなんとあの美作教授に会ってしまうのだった。
田邊さん。珍しい!今日はこちらにいらしたんですね。ああ……女学校の仕事がなくなったんでしたか。
ハハ…そういえば松風軒での懇親会。あなたが途中退席したこと総長が気にされてましたよ。
くだらない時間でしたので。
だからといって態度に出し過ぎなんですよ。
これは純粋に疑問なんですがね、
なぜあなたは自分だけがそんなに偉いとお思いなんですか?
まぁ……あんたも人のこと言えない偉そうさですけれどね。
田邊教授の場合は、確かにそう言われても仕方ない「偉そうさ」があることは確か……。
返ってきているなぁ……人にやったことが。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
山元虎鉄 – 寺田心
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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