大事な局面だよ。お金が動く。
という波多野くんの発言は、つまり「どこから金が出るか」という問題で、同時に証明や権限の行方を示している。
万太郎ひとりでは簡単にハマってしまう局面で、味方がいるというのは本当に心強い。
寿恵子(浜辺美波)は、高価な印刷機を買いたいと言いだす。突然の申し出に、万太郎(神木隆之介)、大畑夫婦(奥田瑛二・鶴田真由)は驚くが、寿恵子なりの熱い思いもあり、印刷機購入へと踏み出す。そして、長屋では印刷機を置くための大リフォーム計画が始動。倉木(大東駿介)、丈之助(山脇辰哉)らも万太郎の夢を応援するのだった。そこへ、大窪(今野浩喜)、波多野(前原滉)、藤丸(前原瑞樹)の3人がやってきて…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第14週「ヤマトグサ」第73話
感想
幕末から明治への歴史的な流れの末にこの時代の教育があること。
時々、そういう大きさを感じさせてくれる。
このドラマは本当に立派な大河だ。ワクワクするよ。
石版印刷機を買う
わしも…!
わしも……欲しい。
いつでも好きな時に使える印刷機があったら、うちで集中して下絵を描いて、そのまんまの筆遣いで 石版にも描ける。
けんど、その……ドイツから石版印刷機を持ってこんといかんがですよね?
あっ、いや……少し前から国産の印刷機が出てきたよ。
出せます!
と言う寿恵子さん。
峰屋が万太郎さんのために持たせてくださったお金が1000円あるんです。
このお金を使えばもう後はなくなります。
これから先、きっととても苦しくなる。
でも、今、万太郎さんに入り用なら…!
そうして、十徳長屋の壁をぶち抜き、もう一間分の家賃を支払うということで、石版印刷機は長屋に置くことになるのだった。
壁のぶち抜きや、石版を磨く砂に対してブツクサ言う女性陣を押さえてくれたのは倉木さんだった。
すっかり繋がりが出来たねぇ……。
大事な局面
十徳長屋に藤丸波多野コンビと、なんと大窪さんがやってきた。
ふじはたコンピの目的は、天女の奥様。
白梅堂の娘さんじゃ。
ほら、わし大学で菓子をよう買うてきよったろう?
あのまんじゅうが!?くそっ…!
万さんじゃなくて俺が菓子を買いに行ってれば…!
いや、そういう問題ではないと思うけれど……。
そして、大窪さんの目的は。
標本を見せてくれ。
この子は新種じゃないかと。
大窪さんは学会誌で「まめづたらん」の原稿を書かれちょりました。その…どう思われます?
槙野。
俺は……。
口先だけのゲスだと言われた。
開花した一輪さえ見つけることができず、金を払い案内人を雇っても成果を上げられず……。お前のようになれないから……。
ほら……。みんながコレだ。
みんな、万太郎が羨ましいのよ。
どんなに努力しても金をかけても追いつけない。これは「運と才能」。
万太郎には神が付いている。
手伝わせてくれ。このとおりだ。
俺を研究に参加させてくれないか?
手をついて頼む大窪さんに、驚く万太郎。
そこへ波多野くんがキッパリ制止しに入る。
万さん、大事な局面だよ。お金が動く!
えっ? お……お金?
大窪さんと共同で研究するなら実質的に大学植物学教室と共同で研究するということだろう?
つまり、これが新種だった暁には大学の実績になる。
万さん一人の功績じゃなくなるんだよ!
ちゃんと世の中ってものを理解している波多野くんたちが側に居てくれる時で良かったな……。
しかし、大窪さんは、誓って教授の犬になってここにきたわけではないと言う。
大窪さん、ここはわしの家ですき。
ここでお話しされたことは誰にも言いません。
何でも言うてください。
そのあとで……決めますき。
大窪さんは切々と語りだした。
父親は旗本の出で、東京府知事であったこと。現在は元老院の議官。ものすごいエリートの家である。
俺は三男で、留学してさえ職場も見つからなかった。
しばらく父の使い走りをしていたが、何の当てもなく、父が勝先生に頼み込んでくれてようやく植物学教室の御用掛に採用された。
勝海舟まで出て来た……。
植物学教室なぞ聞いたこともなかった。
屈辱だと思った。
留学もして、勝先生の口利きがあってさえそんなところにしか職がなく、情けなくてたまらなかった。
でも勝先生の顔に泥を塗れば父に今度こそ見限られる。だからこそ必死にやってきたんだ。
エリート一家の息子だからこその重圧の中で彼は生きて来たんだなぁと。
そのストレスが伝わって来る話だった。
同時に……
大窪家の凄い話に歴史物語を漢字てボーーっとしてしまった。
この人、幼い頃に勝海舟と一緒に篤姫と会ったり、お菓子を頂いたり、そんなこともあったかも知れない。
私たちが今見ている朝ドラの背景には、確かに歴史がある。
ちょっと鳥肌立つわ……。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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