NHK朝ドラ『らんまん』感想 第116回 (第24週 月曜日)

万太郎もずいぶん大人になったなと思うのだ。

昔の万太郎だったら、「これは愛されるだろうか」などという不安は持たなかっただろう。

たくさんの苦境も経て、人の気持ちを受け取ることを覚えた。

日本全国の植物を載せた図鑑がまもなく完成しようとしていた。しかし、未だに版元は見つからない。万太郎(神木隆之介)は、図鑑は本当に必要とされるのかと自信をなくしていた。そんな万太郎を虎鉄(濱田龍臣)は、きっと何百年も残り続けるものになると励ますのだった。一方、寿恵子(浜辺美波)の店には、相島(森岡龍)と小林一三(海宝直人)がやってきて…

あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
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連続テレビ小説「らんまん」第24週「ツチトリモチ」第116話

2023年上半期朝ドラ『らんまん』感想

感想

大店のボンボンから、次第に変わってきている万太郎。

何も考えず好きなように走り回っている期間はかなり長かったけれど、たくさんの物を失って「人生の恐さ」を覚えた。

人と繋がったからこそ、繋がれない恐さも覚えた。

無邪気なボンボンのままでいさせてあげたかった気もするのだけれど。

これも一種の「世知辛い」……。

愛される図鑑

図鑑作りは着々と進んでいるらしい。

もうすぐですね。もうすぐ日本中のfloratが完成しますきね。

と、興奮気味の虎鉄くんに対して万太郎の顔色はさえない。

けんど、ちっくと怖い。
完成したら必ず欲しがられるじゃろう思うちょった。
けんど世の中は……。

どういたがですか?先生がそんなことを。


わしやこの図鑑のために寿恵ちゃんや虎鉄…はあ……大勢の人らあが支えてくれてきた。この図鑑は きっと完成する。


けんどその時、応えられるじゃろうか?
この図鑑は愛されるじゃろうか?

大学や博物館が作った図鑑ならば後世に残る。

だが、一個人の自分が発行した図鑑はいわば同人誌……。

オタクは愛してくれるかも知れないが、広く世間に知られない。


寿恵ちゃんがわしと一緒に夢をみてくれたがはこの図鑑がみんなあに届いてみんなあから愛されていくことじゃ。「八犬伝」のように。

NHK朝ドラ『らんまん』感想 第116回 (第24週 月曜日)

どうしたんだろうか、今さら……とも思うけれど、やはり、万太郎なりに成長したのだと思う。

世間の仕組みなんてどうでもいいから、金があるのに学歴を掴まなかった万太郎。

学歴という壁に突き当たっても、自分の道を突き進んだ彼が、今何を怖がっているのかというと、「愛する人が支えてくれた想いに応えたい」だった。

愛する寿恵ちゃんや、身を捨てて尽くしてくれた竹雄。田舎を捨ててついてきてくれた虎鉄くん。

敵の多い自分を応援し続けてくれた人たち。

そういう人たちと繋がったから。

今や万太郎は他人のことなどお構いなしに野山を駆け巡る子どもではなくなっていた。

この図鑑は応えられるじゃろうか?

応えられる図鑑にするために、何が必要だろうか。

山桃

「山桃」の方は、後ろ盾もあって大した盛況っぷり。

もちろん、後ろ盾だけでは客はつかない。

きちんとお客の期待に応えるお寿恵さんの接客と、丁寧なお品ぞろえ、渋谷を盛り立てる新しいメニュー開発などが人を呼んでいる。

NHK朝ドラ『らんまん』感想 第116回 (第24週 月曜日)

本日のお客様は小林一三。

あの阪急電鉄の創業者であり、宝塚歌劇団の創設者である。

モデルの牧野富太郎博士と小林一三に繋がりがあったかどうかは定かではないけれど、阪急電鉄系運営の六甲高山植物園には牧野博士が名付けたヒメアジサイの群落があるというから、何かしらのやり取りがあったかもしれない。

また、2人を繋いだのは、お寿恵さんだったのかも知れない。

「んなことあるわけなかろう?」が多いドラマよりも、「だったかも知れないね」が多いドラマの方が歴史ものは楽しめる。

『らんまん』は、そこを描いている。15分でリアルな世界を見ているよう。

もしかしたら、今だって、渋谷に降り立って道玄坂を上り円山町に向かえば、そこに山桃があるのかなぁ、と、つい思ってしまう(ありません)。

史実では牧野博士の奥様が渋谷で待合を始めたのは大正に入ってからということ。花街として栄え始めた後の話らしい。

栄え初めのその役をヒロインが担う。

これもまた一興。

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らんまん キャストとスタッフ

キャスト

槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波

槙野園子 – 斎藤羽結

井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子

槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸

広瀬佑一郎 – 中村蒼


西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
笠崎大輔 – 遠山俊也
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純

天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
山元虎鉄 – 寺田心 → 濱田龍臣

大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由


野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ


田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ

語り – 宮崎あおい

らんまん スタッフ


◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志

◆脚本 : 長田育恵

◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」


『らんまん』各回リンク

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