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NHK朝ドラ【らんまん】感想 第50回 (第10週 金曜日)

お寿恵さんというキャラクターに芯が一本ピシッと通っているところが好き。

この人の存在が、朝ドラ『らんまん』の恋愛パートを格段に面白くしている。

これこそW主人公でも通用するくらいの重き。

万太郎(神木隆之介)は、画工の岩下(河井克夫)から石版に絵を描くことを許され、ヒルムシロを描く。出来は今一つだったが、“本物を伝えるために描きたい”という万太郎の想いを理解した大畑(奥田瑛二)はその情熱に感心する。ある日、寿恵子(浜辺美波)はダンスの練習の帰り道に、ノアザミに話しかける万太郎を見かけるが、思わず身を隠してしまう。そのまま二人はすれ違い…

あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
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連続テレビ小説「らんまん」第10週「ノアザミ」第50話

2023年上半期朝ドラ『らんまん』感想

感想

絵師がみんな自分で印刷できるようになっちゃったら、その仕事は必要なくなって消えてしまう。

かと言えば、そういうことではなく。

形を変えて続いていく。

歴史も風習も。なくなるわけではない。

そういう話。

わしは消えんと思います

おやっさんから聞いた。お前自分で金を払って石版印刷を教わりに来てんだってな。どうしてだ?

と訊ねる岩さんに、


自分の絵をそのまま印刷して本を作りたいがです。

と軽く答える万太郎。

それはあたしらに消えろということだな。
あたしもこの手でかつてのあたしらを殺してる。

そうね。

納得のいく印刷技術が欲しければ普通は他の印刷所や他の手法をあたる。

だが万太郎は自ら納得いくまでやると言い張る。

みんながそうなったら、プロの存在が不要になってしまう。

または、岩さんが言うように、

こんな印刷機が出てくればもう総がかりでやることもない。彫り師もすり師も要らなくなる。絵師や版元は名が残るが、その絵を世に出した連中は名も残さず消えていくんだ。

そういうことになるのね……。

岩さんは万太郎に絵を描かせてくれた。

岩下さん。さっきの話なんですが、わしは消えんと思います。


彫り師やすり師、かつて腕を競うた技を誇った方々がその場所から散っていったとしても、それは消えたがじゃない。


新たな場所に根づいて、そして芽吹いていくがじゃと思います。


磨き抜かれたもんは決してのうならん。新しい場所に合うた形で変化しもっと強うなって、生き抜いていく。


それが生きちゅうもんらあのことわりですき。

ちょっと、三井のすずちゃんを思い出してしまった……。

残しながら、蘇らせながら、創っていくぅ~~。

万太郎が描いたのはヒルムシロ。

これは優れた絵じゃない。「そのもの」を描きたいんだろう。

そう…

万太郎が作りたいのは「そのもの」だからね。

前田さんが刷り上がった万太郎の絵を見て気づく。

なあ。これ。ヒルゴ?


ん?えっ今何て?


いや……葉っぱの形がよ、ヒルゴに似てっから!


ヒルゴ?
わしはこの子のこと「ヒルムシロ」と呼んじょります。


前田さん、おくにはどこですか?
その、もしかしたら同じもんを方言で呼びゆうがかもしれません。


駿河。……ああ、でも今は静岡だな。


「そのもの」を見て、早速、情報が集まる。

やはり図鑑は必要なのよ……。

みすぼらしい連中

ダンスのお稽古は順調。

高藤さんの熱愛も順調……。

この、男の目を見てそらさぬ婦人の姿こそ、これからの日本の国民に必要なものだ。


発足式が楽しみじゃ。
早うあなたと私を見せつけたか。

と有頂天な高藤さまに、しれっと

もっと上手くなれるように頑張ります。

と答えるお寿恵ちゃん。

NHK朝ドラ【らんまん】感想 第50回 (第10週 金曜日)

母からは「男に頼らず、男のためではなく、自分の人生を」と言われている。

「見せつける」存在になどなりたいわけではない。

廊下で奥様とすれ違い、つい声をかけてしまう。


今更…。

と冷たく答える奥様。

「今さら」も何も。お寿恵ちゃんは妾になるつもりはないだろう。

でも、この言い方だと妾が正妻にダンスパートナーの位置を譲りますよ、と言っているように聞こえてしまう。

ちょっと失礼だったかも。

いけませんよ。世が世ならあなたが勝手に話しかけるなぞ!

奥様の御付きから叱られてしまうお寿恵ちゃんである。

こういう時代観も好きよ。

NHK朝ドラ【らんまん】感想 第50回 (第10週 金曜日)

帰り道の馬車の中から、万太郎を見つけるお寿恵。

万太郎は道端の草に話しかけていた。

ああ~、ノアザミですき!


いや~なんとも不思議で、この子らは草花を食べる動物たちから身を守るためにトゲを身につけちゅう。


いや~いつどういてこんな素敵なことを思いつくがじゃろうのう?

NHK朝ドラ【らんまん】感想 第50回 (第10週 金曜日)

馬車に乗っているのがお寿恵ちゃんだとは知らないはずなのに。

花を食う上流層にトゲを刺すノアザミであれ、と言葉を贈ったよう。

いくら鹿鳴館が出来ても、ああいうみすぼらしい連中が目につけばこの国の恥ですよ。

と、いかにも上級層らしく見下げたセリフを吐く従者に、

あの方はみすぼらしくありません。

と、キッパリ言い放つお寿恵ちゃん。

高藤さんにきちんとトゲ刺すことはできるのか。

腹が減ったのう。
早う白梅堂に行きたい。

こちらの独り言が聞こえていれば良かったのになぁ……。

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らんまん キャストとスタッフ

キャスト

槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)

井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子

槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸

広瀬佑一郎 – 中村蒼

西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純

天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方

大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由


野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし


田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ

語り – 宮崎あおい

らんまん スタッフ


◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志

◆脚本 : 長田育恵

◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」


『らんまん』各回リンク

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