人の世に異変が起こる時、竹の花が咲く。
120年ごとに起こる凶事や災い。
南方熊楠は槙野家にもその予兆を伝えて来た……。
熊楠から送られてきた標本の中には、120年に一度しか咲かないと言われているハチクの花の標本があった。翌年、日露戦争が勃発。渋谷は、電車の開通で交通の要所として発展を遂げ、寿恵子(浜辺美波)の店は、ますますにぎわうようになる。ある日、植物学教室にも熊楠から手紙が届く。万太郎(神木隆之介)が、熊楠から手紙をもらったことがあると徳永(田中哲司)に伝えると…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第24週「ツチトリモチ」第118話
![2023年上半期朝ドラ『らんまん』感想](https://i0.wp.com/dramablog.cinemarev.net/entry/wp-content/uploads/2023/07/ranman-L-2.jpg?resize=1150%2C616&ssl=1)
感想
大人になったから。
万太郎から無邪気な表情は徐々に消え、自然が消えていく現状に憂う。
令和の日本を見たら、槙野先生は何と言うがじゃろう。
竹の花
お寿恵さんが仕事から帰って来ると、万太郎は雑誌を読んでいた。
「極東の星座」
天文の論文じゃ。
珍しいですね。
ちっと……今日は闇夜に恒星が現れたがじゃ。
星の中で自分で熱や光を出して輝いちゅう星じゃ。
虎鉄くんが嫌った南方熊楠の熱さは、万太郎に大きく影響を与えたらしい。
植物に自ら熱を発してくださる方がこじゃんと増えたら、わしの図鑑もお役に立ててもらえる。
星空を見上げる万太郎に寄り添い、お寿恵さんは言う。
万太郎さんの図鑑、早く出さなきゃね。
渋谷という町で働いてよく分かりました。
渋谷は田舎でしょ?
でも値打ちが出るって信じて働いてる人たちがいます。
私も毎日いい町だなって。
値打ちはあとから生まれてくるんですよ。
だからアルミニウムの印刷機を買ったら、すぐに印刷しましょう。
原稿、仕上げておいてね。
![NHK朝ドラ『らんまん』感想 第118回 (第24週 水曜日)](https://i0.wp.com/dramablog.cinemarev.net/entry/wp-content/uploads/2023/09/ranman118.jpg?resize=614%2C426&ssl=1)
「アルミニウムの印刷機」に、万太郎の顔が少し浮かないように見える。
働きっぱなしの寿恵子に悪いと思っている……という事ではないだろうなぁ。
「渋谷の好景気」の上に愛するお寿恵ちゃんの儲けがある。
それは、自然を壊すこと。
今日、熊野から珍しいもんも送ってきてくださったがじゃ。
へえ~。
あ…葉っぱ?竹みたい。
ハチクじゃ。
しかも、これ開花しちゅう標本じゃ。
このハチクは大陸原産の植物じゃけんど、日本に伝わってきてからも文献に面白いことが書かれちゅう。
ハチクは120年周期で開花する。
その理由も仕組みも分かっちゃあせん。
けんど、その開花したあと山じゅうの竹林が一斉に枯れ果てる。
そうして新たに竹林が再生される。
あと、こんな伝承も残っちゅう。
「人の世に異変が起こる時、竹の花が咲く。」
この後に続く「翌年2月、日露戦争が起こりました」 のナレーションが。
戦争は自然を壊す、とは万太郎が満州で学んできたこと。
ハチクにとっては、まさに災難。
もちろん、人間にとっても。
しかし戦争のおかげで大きな利益が起こる地もある。
渋谷もそんな地の一つだった。
「渋谷から代々木一帯には陸軍の大練兵場が造られ、兵士が町に集いました。」
まさに戦争景気である。
繁盛する「山桃」でお寿恵さんは、小林一三 も連れて来た相島から声をかけられる。
繁盛しているところ申し訳ないんだが、丸ごと貸し切りにできる日はないかね?
神戸に永守という家がある。
旧幕時代は瓦商だったんだが、御一新で兵庫一帯の土地を買い占め莫大な財を成してね。
その方に出資を願いたいんだ。
手紙を出したらまずは代理人と話してほしいと返ってきてね。
かしこまりました。ですが、こちらでよろしいのですか?
ここが一番いいんだ。
俺は寿恵子女将を信頼してるし……この店の木、わざわざ土佐から取り寄せたものだろう?
ええ。
その代理人元は代議士を務められていた方で土佐のお方だそうでね。
早川というお人だ。
では、頼んだよ。
![NHK朝ドラ『らんまん』感想 第118回 (第24週 水曜日)](https://i0.wp.com/dramablog.cinemarev.net/entry/wp-content/uploads/2023/09/ranman118-1.jpg?resize=553%2C383&ssl=1)
その人、知ってる!!
と、全視聴者が暑苦しい男を思い出した朝……。
南方熊楠
万太郎の元に野宮さんから手紙がきた。
「拝啓、槙野さん。俺は今は京都市の郊外にある市立の中学で講師を務めています。近頃面白い方から手紙を頂きました。南方熊楠さん」
「松葉蘭の発生順序について共同で研究しようと誘われました。俺にとってもこれが最後の研究になるかもしれない。応じることとしました」
「熊楠さんは近頃怒り狂っています。彼が子供の頃に過ごした糸田の神社が合祀されたそうです。合祀…いくつかの神社を一つにまとめ神社の数を減らす合祀。潰された糸田の神社の森は全滅。樹木一本もなく井戸の水も濁り飲むこともできないそうです」
「神社の合祀令は国の大号令です。大学では反対の声も上げられないでしょう。それでも勝手ながら 君の顔が思い浮かびました」
「全てが喪われる前に君に勝手な願いを託します」。
故郷の天狗の森が命枯れそうになっているというショック。
そしてまた、「南方熊楠」である。
不思議な縁を感じる万太郎。
南方熊楠とは、現代も「知識の巨人」といわれる博識博士である。
生物学だけではなく、博物学、人類学、民俗学、そして語学にも精通していた。
各国、各学者に広く知り合いがいて、まぁ……ドラマの中のように長い長い長いお手紙を熱い内容で送っていたらしい。
![NHK朝ドラ『らんまん』感想 第118回 (第24週 水曜日)](https://i0.wp.com/dramablog.cinemarev.net/entry/wp-content/uploads/2023/09/ranman118-2.jpg?resize=560%2C383&ssl=1)
お友達が多くて友好的な人……というだけではなく、投獄されたり追放されたり、数知れずトラブルはあったらしいので……。
徳永教授もこう言うわけである。
この南方という御仁は今、国が進めている神社合祀令を「神狩り」だと断じている。
いいか?槙野。植物学教室教授として命ずる。
深入りするんじゃない。
まぁ……深入りするよね。
すでに、ときめいているもの。
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![みるはちコメント欄](https://i0.wp.com/dramablog.cinemarev.net/entry/wp-content/uploads/2022/09/miruhachi-come.jpg?resize=739%2C222&ssl=1)
らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
槙野千歳 – 遠藤さくら(子役期:入江美月←秋山加奈)
槙野百喜 – 松岡広大(子役期:石川誉←森本一之新)
槙野大喜 – 服部仁信
槙野千鶴 – 本田望結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
笠崎大輔 – 遠山俊也
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
山元虎鉄 – 寺田心 → 濱田龍臣
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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