ピストルを持って行かない決断。万太郎らしい。
命を奪うものを良しとしないという優しさ。という良い意味でも。
規則に違反しても自分の思い通りに進むという、いつもの感覚でも。
……時勢が分からず向こう見ずで、防御が甘いという悪い意味でも……。
里中(いとうせいこう)や岩﨑(皆川猿時)からの推薦で、万太郎(神木隆之介)は学術研究員として台湾へ行くこととなった。恩田(近藤公園)から護衛用にピストルの購入を命じられるが、万太郎は納得できない。徳永(田中哲司)からは帝国大学の人間としていくことを自覚するよう注意を受ける。万太郎から話を聞いた寿恵子(浜辺美波)は、ピストルの代わりに「日本植物志図譜」をお守りに持たせ、台湾へと見送るのだった…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第22週「オーギョーチ」第108話
感想
国の事業・命令、と言われても、自分を貫きたい万太郎。
それは「自分らしさ」や「多様性」など尊重されない、したくても出来ない、統率に向かう時代のことである。
さぞかし窮屈だったろう……。
あの、遅らせるわけには?
台湾出発は7月6日。
万太郎の第一声は、
ひとつきもない……。あの、遅らせるわけには?
んなわけあるかいっ!
と、テレビに向かってツッコんでしまったじゃん……。
「助手」というよりもお手伝いさんのような位置づけに、さすがに大人しくなってしまったな、と昨日は思っていたけれど、全然変わっていなかった(笑)
国の事業だと言われているのに、
「現地の言葉を学ぶためには時間が足らん」「現地のお人らあにお尋ねせんといかんこともある」
ピストルなんて、もちろんお断りである。(というか、そんなもん軍が買って渡してやってくれ)
たぶん、国の事業で海外に行けるなんて、素晴らしく光栄なこと……のはずなのに。全くありがたがらないこの男に、ついに怒りだす恩田大佐。
そして、間に入って平謝りの徳永教授である。
槙野、黙れ。申し訳ありません。
よく言い聞かせます!
自分が行きたかった細田くんは、
槙野は使えませんよ。俺が行きます。
を繰り返す。
槙野。
これだけは言っておく。
今は軍人には盾つくな。
お前はもう個人じゃない。
帝国大学……国家の機関に属する人間なんだ。
徳永教授の言葉は十分に万太郎に思いやりがあって優しいと思う。
高圧的に言葉を投げて来る細田くんにも言い分はある。徳永教授は、それも分かっている。
知らないんだ。お前は。
留学先で日本人がどれだけ惨めか!
国が力をつけて初めて俺たちの立場も変わるんだ。
そう。この先、ますます人種差別の波が大きくなっていくドイツで……。
徳永教授も細田くんも苦労して帰ってきたのだろう。
国を強くする。
誰にも馬鹿にされない、人に敬われるレベルまで。
それは、外国を見て来た小さな日本人共通の願いになって行ったのかもしれない。
どんな差別を受けて来ようが、日本人が器用で勤勉で呑み込みが早い、という点は、どこの国も認めていた。
生体に関わることで、日本がドイツから学んできたこと……。
イチョウには雄の木と雌の木があるでしょ?
雄の木の花粉が雌の木に飛んで、その花粉自体は4月の下旬に胚珠に到達してるんだよね。でもその時点ではまだ受精していないんだ。花粉細胞はそのまま胚珠の中の花粉室に入ってる。そこから100日以上かけてじっくり中で成長するんだ……。
差別なんて関係なく、変わらぬ笑顔で万太郎を迎えてくれる波多野くんと野宮さん。この2人が取り組んでいること。
ギンナンの研究をしている波多野と野宮。
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) August 29, 2023
小さなギンナンを手早く切っていきます。
「昔、懐中時計を分解したことを思い出すよ」
「波多野もか? わしも昔やりおうた!」
そういえば、万太郎も市蔵の懐中時計を分解していましたね?#朝ドラらんまん#神木隆之介 #前原滉 #亀田佳明 https://t.co/AkMEdogP8R pic.twitter.com/hkjeblpUmk
波多野くんのモデルは、日本の植物形態学の先駆者である池野博士。
この人が研究し、発表することも、戦争の一部になってしまうんだろうな……。
ピストルは持って行かない
わしは軍の命令には反するけんど、持っていかんとろうと思うちゅう。寿恵ちゃんは、それでえいじゃろう?。
ピストルを持って行かないと宣言する万太郎に、さすがに寿恵子は、
その調査……行かないとならないんですよね?
と訊ねた。
そもそも「ピストルを持つ」ということは、「撃つかも知れないほどの危険」の可能性が存在するということ。
「国のため」はイヤだけれど、調査には行きたいと言う万太郎。
そういえばロシアにも行こうとしてましたもんね。
あの時もロシアの人もこの月を見てるんだなって思ってました。
フッ……寿恵ちゃん、「ロシアにもきっと長屋はある」ゆうて笑ってくれたき。
台湾にだって月は出てますし、きっと長屋くらいありますよね?
寿恵さんは、ピストルの代わりに万太郎に植物図譜を渡すのだった。
分かりました。
ピストルは持っていかないでください。
でも、せめて別のものは持っていってください。
別のもの?
荷物にはなりますけど、これが万太郎さんのことを一番守ってくれると思います。
防弾としては弱そうだけれど……
そういうことではなく、絵は言葉が通じなくても物を語るものね。
明治26年、万太郎は台湾に旅立ちました。
神戸から出発し、3日間およそ1800キロの船旅を経て基隆の港に到着。
着いた途端、案内人の台湾人・陳志明さんに台湾語で語り掛けてしまう万太郎。
総督府の方も困っているよ……。
そういうところだ。
「イイ人」は良いけれど、やはり人々を困らせる行動はよろしくないと思うのだった。
台湾へ渡った万太郎は、案内人の陳志明(チン シメイ)と出会います。
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) August 30, 2023
陳志明を演じるのは、台湾にルーツがある #朝井大智 さん。
お二人の台湾語での会話は見事でしたね!#朝ドラらんまん#神木隆之介 #朝井大智 pic.twitter.com/J8G88bfSbB
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
笠崎大輔 – 遠山俊也
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
山元虎鉄 – 寺田心
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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