週が明けたら、もう元気!
みたいないい加減な構成にしない所に好感を持っている。丁寧な朝ドラ。
だから、笑いながらも園ちゃんの影は引きずり続けてほしい……。
長女・園子を亡くした悲しみから、なかなか立ち直れない万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)。まつ(牧瀬里穂)、りん(安藤玉恵)、倉木夫婦(大東駿介・成海璃子)らも心配していて…。万太郎は、いつか自分たちが園子のところへ行くときに図鑑を持っていこうと寿恵子と約束をする。…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第19週「ヤッコソウ」第91話
感想
倉木さんが卵をくれた辺りから、もう泣きっぱなし。
人の情けは有難い。しかし、その有難さすら届かないことがある。
でも、ずっと泣き続けているわけにも行かない。
「仕方なく」立ち上がるんだよ。
時薬
立ち直れない槙野家の隣で倉木家はケン坊が端午のお節句。
作ってもらった兜が嬉しくて、
万にいちゃんに見せてくる!
と出て行こうとする子どもを慌てて止めるおえいさん。
駄目よ!
今は駄目なの。
お寿恵ちゃんはいまだに物を食べられず、床を離れることができずにいた。
お豆腐買ってきたよ。湯豆腐なら食べられる? あ~それともお寿恵が好きな田楽みそ作ろうかねえ。
おなかすいてるだろう?
おなかの子も欲しがってるんだよ。
この母が、たぶん孫の顔を見たこともなく、抱いたこともなく、一緒に過ごしたこともなかっただろうことは、今はむしろ幸いだ。
あの園ちゃんを一度でも抱いていたら、平常心なんて保てないだろうから……。
寝込んでいる娘と一緒に悲しみに暮れているのではなく、今はただ娘を癒すことに集中してくれている。
有難い存在。
こんな長屋では、誰とも会いたくなくとも会わないわけには行かず。
それもまた、実は救いなのかもしれない。
こ、これ……。 まあ……今は時薬しかねえだろうが……。
不器用で言葉足らずな倉木さんから差し出された卵を見て、涙が溢れる。
この家の子どもはすくすく育っているようだけれど……こんな時代だから、この家にも何かあったかも知れないね。
「時薬」とは上手く言ったもので。
何を貰っても、どんな楽しい場に連れ出されても、何を食べても、解決しない悲しみはある。
自分よりもずっとずっと永らえるはずの命を先に失った悲しみは、癒されようがない。
解決してくれるのは「時」だけ。
いつの日か会いに行く
せっかく貰った卵で作ったお粥もお寿恵ちゃんの口には入らず。
夜、「園ちゃん? 園ちゃん? 園ちゃん…」と言いながら家をフラフラ出て行く姿は切ない。
園ちゃんの夜泣きが聞こえた気がして……。
はあ……やっぱり……私が悪いんです。 麻疹にかかっても助かる子は、います。 私が園ちゃんを月足らずで産んだせいです。
いや……わしが……身重の寿恵ちゃんを置いて…鷹植物採集に…。
夫婦で自分を責め続ける。
そうなるよね……。
お互いを責める夫婦もつらいけれど、自分を責める人たちもつらい。どちらも根本は同じ。悲しくてどうしようもないから。
い……いつの日かわしらも園ちゃんに会いに行く。
その時に図鑑を持っていけるように……精いっぱい頑張るき。
園ちゃんが…喜んでくれるような図鑑を……一緒に…。
「園ちゃんが居る所」をいずれは目指す。
それは今であってはいけないのよね。次の命も生まれてくるのだから。
そのちゃんはきっと、万太郎の両親やお祖母ちゃんと一緒にいる。
そこへ、いずれは自分も行くのだ。
素晴らしい仕事を持って。
かる焼き
倉木さんから頂いた卵は かる焼きになった。
園ちゃんの両親が出会って一緒になる切っ掛けの かる焼き。
そうそう。これくらいフツフツしてきたら…… はい。はい、火から下ろす!はい! それで卵白で練った重曹を入れる。はい混ぜる!混ぜて混ぜて混ぜて~。引いて。
引いて! おおっ!お~ 膨らんだ!
初めてにしちゃ上出来よ。
うん。甘い。あっ。おいしいです。
おなかの赤ちゃんも元気に動き出した。
この子も欲しがってるみたい。
元気じゃのう。
作り方、覚えた?
はい。忍術の粉の正体が分かりました。 もう怖いもんはなしです。
万太郎の探求心と「作る」意欲が戻り、お寿恵ちゃんには笑顔が戻った。
えっ、あっ、膨らまん!
もたもたしてるからだよ~。
文太さんにはなれませんねえ。
あ~かなわんのう。
忘れたわけではなく、園ちゃんがいた「日常」は二度と戻らないけれど、時薬にたよって、それでも生きていく。
まつから、かるやきの作り方を習った万太郎。
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) August 7, 2023
久しぶりに寿恵子に笑顔が戻りました。#朝ドラらんまん#神木隆之介 #浜辺美波 #牧瀬里穂 pic.twitter.com/h7VEIXENl0
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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