【夜行観覧車】 第10話 最終回 と統括感想

観覧車は不思議な乗り物だ。

どこにも行けない。
どこにも行けなくたっていい。

昨日から今日、今日から明日

変わらずに回り続けることがどれほど幸せか
今なら分かる。

夜行観覧車 第10話・最終回

  夜行観覧車

お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
今回の事件の真実を全てお話しします。
僕達家族には、人に言えない秘密がありました。

開業医だった父は、僕達の成績にいつも神経をとがらせていました。

僕達は…医者になるよう幼い頃から言い聞かされていました。
事件の日も中学最後の試合があったのに、弟は試合に出ることを禁じられ、
何時間も勉強していました

プレッシャーに耐えられなくなった弟は、大声を上げ暴れだしました。

父は…暴れる弟に暴力を振るいました。
いつものように何度も何度も…。

いつものことでした。

良幸は、集まったマスコミの前で語り始めた。

昨日、この会見を開くことに比奈子は激しく抵抗した。

慎司は何にも話してくれないし。何がホントか分かんないし。

大事なのは何が本当かじゃない。
これから俺達兄弟どう証言するかだ。

父さんが暴力を振るったって、もし俺達が証言したら…。

嘘つくっていうの?

先に手を出したってことにすれば世間は俺達に同情する。

パパを犠牲にするっていうの?そんなの嫌!
できないよ!パパを悪く言うなんて!

外に出るとき怖くないか?
人混み歩くとき怖くないか?

何が怖い?
世間の目だろ?
俺達は、この先ずっといわれのない悪意を受け続ける。
直接嫌がらせされたり、危害を加えられたりすることもあるかもしれない。

俺達も被害者だって世間に思われない限り、一生逃げられない。

私達、何にも悪いことしてないんだよ?
なのに嘘つかなきゃ生きていけないの?

父さんは死んだ。
俺達は生きていかなきゃいけない。

たった1人の血が繋がった父親。
良幸の決断は重かった。

父は家族に暴力を振るっていたんです。
…父は…善人の仮面をかぶった暴君でした。

弟を殴った後、父は1階のリビングにゴルフクラブを取りにいきました。
父を止めるにはああするしかなかったんだと…。

警察が止めに入り、良幸が仕組んだ会見はここで打ち切り。

みんな、この会見を朝のワイドショーで見た。

慎司も。ひばりヶ丘の人たちも。淳子の妹、昌子も。
そして、遠藤家も。

真弓は結城刑事と一緒に慎司を施設に迎えに行った。

家に戻った慎司は良幸に食って掛かった。

なんであんなこと…!なんでだよ、兄ちゃん!

慎司!お兄ちゃんの気持ちも分かってよ!

よく父さんのことをあんなふうに言えるよね。

慎司だって同じこと考えてただろ。

同じじゃない!

警察でお前の言い分が通ったとするよな。
刑事裁判になったとしても未成年だ。大人より罪は軽くて済む。
母さんは無罪で釈放される。
だから、それでよかったんだ!

いいはずないだろ!

2人に促されて、慎司はあの日の事を話し出す。

僕のせいだ。全部。
僕が母さんの期待に応えられなかったから。進学試験だって。
僕の成績じゃ受かるかどうか分からなかった。
母さん、学校に呼び出されたんだ。
内部進学は諦めて、ランクの低い高校を受けたほうがいいんじゃないかって。

「慎司、あなたはやれば出来る子だから」

慎司は、いつも淳子にそう言われて育った。
母の期待に応えられない事が何よりも辛かった。
弘幸のようになりたかった。

あの日、最後の試合に出してもらえなかった慎司は、夜、暴れた。

気分よかったよ。
大声出してると、体が軽くなるみたいだった。
困ってる母さんの顔見て「ざまあみろ」って思った。

でも、あの日、父さんに殴られた。

…生まれて初めて。

父は慎司を殴って止めた後、すぐに助け起こしてくれた。

その後、父と母はリビングに下りて行った。

一人で部屋にいた。
しばらくして母さんが来て「コンビニに行ってきて」って言われて…。
うちに帰ろうとしたら救急車が見えた。全部が怖くなって逃げたんだ。

お前は何もしてない。そうだろ?
父さんを殺したのは…

たぶん、母さん。

でも…そうなったのは僕のせいなんだ。
僕が悪いんだ。
だから…母さんのことを許して!

許す?
どうやって許せばいいんだよ。

良幸は悔しかった。悲しかった。
何もしていない父を、子どもたちを可愛がってくれた父を
DVの親に仕立ててしまった事。

淳子がなぜこんな事をしたのか、本当の理由を知りたかった。

弘幸は、慎司を殴った後、助け起こして謝ってくれた。

大丈夫か?
殴ったりして悪かった。
母さんに謝れ。母さんを悲しませるな。

もうこんなことするな。自分が嫌になるだけだ。

それから、下へ降りて行って、淳子は慎司を殴った弘幸を責めた。

良幸には手をあげたことないじゃない!

慎司に勉強勉強って言いすぎるな。
あいつには、あいつの別の取り柄があるんだ。

進学試験に落ちたらどうするの?
慎司はパパと同じ大学に行きたいって言ってるのに…。

慎司はそうは言ってない。
そう言ってるのは淳子だ。

良幸が大学に受かった時、弘幸は大喜びしていた。
なのに、慎司には勉強しなくていいと言う。

自分の子どもは劣勢なのか?
淳子はずっと悩んでいた。

弘幸と結婚した時から。
淳子はずっと亡くなった先妻に劣等感を持って生きてきた。

先妻の子どもである良幸は優秀だった。
なのに慎司は勉強させてもさせても良くならない。

慎司だってこれからいくらでも頑張れる…。

頑張らせなくていいんだよ。

どういう意味?

慎司はもういいってことさ。

淳子は脳天を殴られたようなショックを受けた。
夫の姿が霞んで見える。

…慎司はもう必要ないっていうこと?

そうじゃない!どうしてお前は…。

大切に育ててきたのよ。
私が今までやってきたことは、何の意味もなかったっていうの?

淳子がいるから家族みんな幸せにやっていけるんだ。

あの人と一緒だったときも幸せだった?

淳子は仏壇を示した。

どんなふうに幸せだった?

もうこの世にいない相手と張り合ったってしょうがない。
僕も淳子もこれから先を生きていくんだ。

死んだ人間には勝てないよ。
勝とうと思わなくていいんだよ。

弘幸は、慎司はもういいと言った。
私は先妻に勝てないと言った。

淳子にはそう聞こえた。

どうして慎司じゃダメなの?

どうして私の子供じゃダメなの!?

良幸が大切にしていた数学オリンピックの優勝トロフィーを掴んで、
淳子は弘幸の頭に振り下ろした…。

弘幸は最期に言った。


淳子…目が見えないんだ…淳子…
そばにいてくれ。離れないでくれ…淳子…。

淳子は謝り続けた。
仏壇によろめき先妻の写真を伏せた。見られるのが恐かった。
何かが大きな音を立てて崩れていくのを感じていた。

会見の日の夜。
結城刑事は、真弓ではなく啓介の携帯に電話してきた。

啓介が外に出ると、結城は玄関前に立っていた。

淳子を起訴すると言う。

ああ、そういえばね。凶器が出てこないんですよ。

それで起訴できるものなんですか?

仕方ありません。出てこないんだから。
…この世に起こる殺人の大半は、衝動殺人なんですよ。
まったく、調書作るのもひと苦労ですよ。

…何ですか。苦労話ですか?

じゃあ、これで。もう来ませんよ。

ほんとに?

奥さんやお嬢さんによろしく。

結城は帰って行った。

後ろ姿を見送りながら、啓介は淳子と喫茶店で会った時の事を思い出していた。

あれは良幸が大事にしていたものでした。
私と良幸は血がつながっていません。
何が凶器か知られたくなかったんです。
知られてしまったら、兄弟の間にわだかまりができるような気がして…。

良幸も慎司も比奈子も、今からどれだけ苦しむか。
バラバラになってほしくない。
お互いを思い合って、3人で生きていってほしいんです。

淳子はそう言っていた。

真弓は、彩花が学校で暴れたという事で呼び出された。

彩花はついに志保に向かって爆発したのだった。
言いたいことは言って、スッキリしている彩花を真弓は寄り道に誘った。

真弓は子どもの頃、親の都合で何度も引っ越した。
だから自分たち家族が帰れる家族の家が欲しかった。

彩花にそう語る。

やっぱり引っ越したのは彩花のためじゃなかったね。
自分のためだね。

もっと幸せになりたいって、そんなふうに思わなくても
お母さん十分幸せだったんだね。

啓介も誘って3人で初めて観覧車に乗った。
ひばりヶ丘の高台からいつも見てきた観覧車。

上から見ると、どの街も一緒だね。

ほんと。どこも変わんないな。

どこ行ったってこの3人なんでしょ?

やってくしかないじゃん。
お母さんとお父さんと私で。

他に帰るとこないもん。私。

彩花は微笑んだ。

高橋家の姉弟は、淳子の面会に行く。

始めは姿を現さなかった良幸も後から入ってきた。

今は許せないよ。
母さんのことも、自分のことも。
死んだ父さんをあんな形で傷つけた。

でも…時間かかると思うけど、失くしたもの一つずつ取り戻すよ。
3人で支え合ってやっていくよ。
兄弟仲よくしろって、いつも言ってたね。
その約束、守るから。

真弓は、その後、淳子から手紙を受け取った。
淳子はポツポツ供述を始めたと言う。
子どもたちの証言とは、だいぶ食い違ってはいるけれども。

「真弓さん。あなたと話がしたい。」
「でも今はまだ会うのが怖いです。」
「あなたと あなたの家族に迷惑をかけたこと、許してください。」

「私は、あなたの前でさえ気持ちを隠していました。」

「私は完璧でありたかった。完璧な妻、完璧な母親でありたかった。」
「それが家族のためだと信じていました。」

「すべてを費やしても報われないことがあると、私は母親になって初めて知りました。」
「自慢の子供、幸せな家庭。
 理想に近づこうとするほど遠ざかる自分をどうすることもできなかった。」

「母親失格。そう言われることが怖かった。」

「私はこの幸せな家にふさわしくない。きっと誰かにそれを気づかれる日が来る。」
「いつか何もかも失う日がくる。」

「私の歪んだ心が家族を壊してしまった。」
「今はあの子達に何かしてやることも、背が伸びたねと髪に触れることもできません。」

「あの人の私を呼ぶ声を聞くことも。」

「失ったものの大きさを、罪の重さをかみしめています。」

いい最終回でした…。

彩花の観覧車での言葉には泣いた。

やっと、家族が元の姿に戻れたんだな、と思うと感慨深い…。

結局、思い込みや言葉のかけ違いで、観覧車のようにグルグルと回ってるんだなぁ。
家族だけじゃなくて人間関係ってそういうもんですよね。

遠藤家は、綺麗にまわって地上に戻ってきた。

高橋家は、これから兄弟3人で力を合わせて生き抜いていくのでしょう。

あんなに良い父親だった弘幸をDV犯に仕立ててしまうなんて、何て残酷な…
という事になるわけだけど、結果、周りの目が格段に優しくなったもんね。

世間って本当に…どうしようもないな。

良幸にとっては、本当に苦渋の決断。

実母は亡くなり、血がつながった唯一の親である弘幸を自分と兄弟のために
酷い男にしなければならないのだから。

しかも、その父を殺害したのは思い込みの激しい継母…。
自分に優しくしてくれていたのも外面だったのか、と思うよね。
そりゃ許せないよ。

でも、優しいから面会には行ってしまった。
優しい子だよなぁ。
…そう育てたのが淳子だとも言えるけれども…。

真弓が小島に話したように、辛いことがあってもその何倍も思い出がある家。

思い出が家族を作るんですよね。
(って昨日「最高の離婚」でも灯里さんが言ってた)

大学に戻ったシーンで、友達が良幸に声かけてくれてたのは救いだった。
父は良幸の事、きっと怒っていない。
見守ってくれるよ…。

実は、今週に入ってから原作行っちゃったんですよね。(ななめ読みだけど)

だって、犯人はもう淳子以外に考えられないから犯人探しは意味ないし、原作では弘幸が
DV親父じゃないって事も知らされてしまったんで、このドラマに対して何の興味も
無くなってしまったんだよね。先週。

だから私の興味は、凶器どうするんだよ。っていう1点だけだったんだけど。

そこは、うやむやに終わりましたね。
凶器、啓介のお客さんの裏山に埋められたままかよ……。

今から考えると、それも計算しての結城刑事と真弓の友達設定だったのかな。
あんたが持ってた事は解ってるけど、友達だから大目に見ようか的な。

ちなみに、原作では遠藤家と高橋家には挨拶程度しか交流はなく、凶器なんか託されてません。

この原作にはない真弓と淳子の友情設定が、私はとっても好きだったよ。

大人になっても友達は出来る。

ましてや子育てに悩み、ひばりヶ丘へのある種のステイタスも感じ取る主婦仲間。

自分や子どもがどう見られているのかを気にする点では2人とも同じだった。
それを言えない所も同じだった。

ラスト、淳子の面会に行く真弓との再会シーンは泣いた。

中年の友情物語も美しいよ…。
解ってくれる友達がいるって素敵な事だよ。

淳子は自分自身で自分を追い詰め、幸せを壊してしまった。

この人たちの気持ちも私には何となく解るんですよ。
女で母親で主婦だから。

痛いよね…。
後悔しても後悔しても一生償いきれない傷。

自分的には、元々イジメの激しいドラマが嫌いなので、原作にもない虐めシーンを
ねちねちねちねちやり続けるのが耐え難かった。

次回へのミスリードも多すぎだったし。
たぶん、あと5話くらいあるドラマだったら、私は先週で挫折してた。

最初と最後は良かったので、全5話くらいで納めてほしかったなぁ…と。

まぁ、終わりよければ全てよしで。

とても感動させてもらえた最終回と、翻弄される人々を好演されてきた
役者さま方に拍手と感謝を。

※コメントのレスが滞っております。すいません。
しかし、全て楽しみに読ませていただいております。

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事件の9日後。ひばりヶ丘に報道陣を集めた良幸(安田章大)が比奈子(宮崎香蓮)を
引き連れ、高橋家の秘密について語りだした。
養護施設にいる慎司(中川大志)は、その画面に「やめろ」と叫ぶ。
そして、結城(高橋克典)に保護された良幸たちと再会した慎司は、沈黙を破って
とうとう事件の真相を話し始める。
一方、真弓(鈴木京香)、啓介(宮迫博之)、彩花(杉咲花)も良幸の会見を扱った
ニュースを見ていたが、何か釈然としない。
事件10日後、真弓にさと子(夏木マリ)が、小島家の過去と秘密を打ち明ける。

(あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

よろしければ→【2013年4月期・春クールドラマ何見ます?】ラインナップ一覧とキャスト表

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【キャスト】

遠藤真弓 … 鈴木京香
遠藤啓介 … 宮迫博之
遠藤彩花 … 杉咲花

高橋淳子 … 石田ゆり子
高橋弘幸 … 田中哲司
高橋良幸 … 安田章大
高橋比奈子 … 宮﨑香蓮
高橋慎司 … 中川大志

田中晶子 … 堀内敬子
村田志保 … 吉田里琴
野上明里 … 滝裕可里

小島さと子 … 夏木マリ

結城哲也 … 高橋克典

【スタッフ】
脚本 … 奥寺佐渡子、清水友佳子
演出 … 塚原あゆ子、山本剛義
原作 … 湊かなえ

【注】これ↓ クリックすると犯人解っちゃうらしいです。
(解らなかったというご報告をいただきましたが「あらすじ」に載っているそうです~)

 
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