お寿恵ちゃんが八犬士ではないと。
むしろ、お寿恵ちゃんこそが剣士ですよね。
「冒険」のためにこの夫を選び、その活躍を支えてきた。
オタクがオタクを超えてヒーローになるという夢のような人!
万太郎(神木隆之介)、寿恵子(浜辺美波)、竹雄(志尊淳)、綾(佐久間由衣)は久しぶりに再会。いばらの道を行く万太郎を心配する竹雄だが、寿恵子と共に夢に向かう姿を見て安心する。綾もまた、長屋の面々が自由に楽しく生きる姿を見て、元気をもらうのだった。そして、竹雄と綾は高知へ帰り、万太郎も植物採集の旅へと出かけていく。ある日、寿恵子は中尾(小倉久寛)の質屋で見かけた新聞小説の内容に衝撃を受け…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第19週「ヤッコソウ」第93話
感想
今までも歴史上の夫婦をモデルにした朝ドラは数あったけれど、特に大げさに出張ることもなく、自然とヒーローを漂わせる女房って他にいたかしら、と考える。
お寿恵ちゃんはただの八犬伝オタク……のはずだった。
けれども今はオタクを超えてヒーローの1人となっている。
長田育恵氏とは……素晴らしい職人ライター。
寿恵ちゃんは背中を押してくれた
万太郎……わしは反対じゃ。
一人で植物学を続けるちとんでもない金がかかるろう。あのころと今は違う。
峰屋はもう金は出せん。
おまんにももう家族がおる。家族を養わんといかん。
どうする気ながじゃ?
「わしは反対じゃ」
の続きは、そんな泥棒教授の言いなりになって、万太郎が足で集めた標本を渡す必要は無いき!!
……ということかと思ったら、もっと現実的なことだった。
いやいや、現実は大事。
私も思っていたもの。生活、今後どうするん……。
しかし、万太郎の答えは、
けんど、寿恵ちゃんはわしの背中を押してくれた。
である。
これ、寿恵ちゃん、本当に素晴らしい!!と感動する場ではあるけれど、「ん??」と、思うところでもある……。
だって、「わしはしばらく稼げん。でも寿恵ちゃんが働くって言ってくれてるから大丈夫」ってことですもん……。
つまり、お財布は峰屋から寿恵ちゃんに変わったのである。令和的には「ヒモか!!」
(史実のモデルの方は、峰屋(当時は綾さまにあたる親戚筋の女性は家妻だった)だけではなくて奥様のご実家も当てにして研究していらっしゃる……後世に名を残す坊ちゃんを抱えた女たちの苦労が目に見える気がする(汗))
八犬士
寿恵ちゃんは八犬伝オタク。
綾さまとの女子会トークは『八犬伝へのいざない』(笑)
馬琴先生をお読みでない!?
あっ……ごめんちや。機会がのうて。 (引)
いや、違うんです。いや~どこからお話ししようかなと思って。私も読む前に戻りたいんです。そして もう一度馬琴先生にひれ伏したい!!
浜辺美波ちゃんのオタク演技が光る(笑)
あっ、でもお義姉さん、今はつらいかも。
つらい?
うん……。八犬士たちは生まれながらに牡丹の痣を持っていて運命に導かれていくんです。
でも、ひょっとしたらそんなもの欲しくなかった犬士もいたんじゃないかなって。
お義姉さんや万太郎さんは八犬士と同じだと思うんです。
万太郎はそうじゃね。
万太郎は、やりたいことを自由にやらせてもらっている、自由に夢を追っている剣士であり、牡丹の痣は喜んで受け入れていると思う。
家を出たのは「出さされている」わけではなく、何なら学歴がないのだって「行きたくなかったから」である。
正直、その生い立ちに同情される点は少なく、東大を追い出されたのは彼の初めての試練だろう。
八犬士というには、ちょっと楽天的すぎるかも(笑)
お義姉さんだって。ご自分でお酒を造られた。
ものすっごいことだと思います。もっと楽な道もあったかもしれないのに。
本当に強い!八犬士みたい。
そばにおると迷惑じゃろう?
まさか!ありがたいことです!私も仲間になったみたいで!
私なんか何も取り柄ないのに。あ~物語で言う……こう戦いを見てる村人、もしくは草むら! なのに八犬士にお近づきになれて……。
目を白黒させる綾さまである。
私はお寿恵ちゃんこそ八犬士じゃ思うけんど?
そうよねぇ……。
「冒険」と捉えればみんな剣士なのかも知れないけれど、万太郎への献身が凄すぎて
「槙野万太郎を支える八人の剣士」
のように見える。
綾さまも竹雄も、そしてお寿恵ちゃんも……。仲間以上の万太郎オタクだよ。
寿恵ちゃんは思いもよらないんだな。
万太郎オタクである自分が、万太郎を支える万太郎八犬士であること。
笹のようなお人
寿恵ちゃんは、
例えるとのう……笹のようなお人じゃ。
と、語る万太郎。
何でじゃ? どう見たち、もっとかわいらしいきれいな花じゃろう? おまんもそう言いよったろう?
うん。けんど今は違う。
寿恵ちゃんはそんなどころじゃあない。
大抵の草花は茎の先端から成長するけんど笹は違う。節の一つ一つがグンと伸びて一気に背を伸ばす。
それに笹は寒うて厳しい場所でもしっかり根を張る。
飛び抜けて生きる力が強いがじゃ。
わかるなぁ……笹は生きる力が強い。
当方の実家の庭には笹の根がはびこっていて、これがもう抜いても切ってもどうにもならない。
両親が庭造りと花壇が趣味なので除草剤などを撒くことが出来ず、結局他の草花が季節ごとに消えていく中、笹だけがいつも元気(笑)
ものすごい生命力。
でも、図々しい……という感じもするので、寿恵ちゃんとはだいぶ違うかな。
寿恵ちゃんは、もっとたおやか。
強くてしなやかで、でも浸透性があって温かく……かわいい。
初めて博覧会で会うた時、かわいいとは思うたけんど、そこまでの おなごじゃとは……。
感心する竹雄。
見た目だけではなく、内面の強さと美しさを瞬時に見抜いたのは、やはり植物を見つける目と同じで、確かなのかも。万太郎。
万太郎が高知へ旅立つ日。お寿恵ちゃんは笑いながら言う。
万太郎さん、私たちのこと忘れてください。
この長屋を出たら草花たちが待ってます。万太郎さんと草花だけ。それだけでいいんです。
ほら、私も万太郎さんが出かけたら好きに過ごしますから。
「八犬伝」とか「八犬伝」とか「八犬伝」とか!
この時代だから、家事も子育ても現代よりも遥かに大変よ。
そして生きるために内職もしなきゃならない。八犬伝に浸る時間はあるまい。
万太郎も、きっとそれは分かっているに違いない。
しかし、「園ちゃんがお腹にいる間、家を留守にしていた自分」を振り返らないためには、何を守れなくても今は行くしかない。
忘れる。ことはできない。
いつも一緒。
さて……。
みんな旅立って「私も一人で冒険」のお寿恵ちゃん回。
お友達になった聡子さんを救うために。ヒーローになる。
これ、小説を書かせているのは、学長の座を奪われた動物学教授の美作秀吉だよね。
聡子さんのお父さまは裁判官ではなかったかしら(史実のモデルの人は確かそんな方……)。法的に何とかなるような気もする。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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