八方ふさがりを八方ふさがりのように描ける朝ドラはもうそれだけで名作だよ。
本当に……どうしたらえぃがじゃ……。
万太郎(神木隆之介)は、野田(田辺誠一)と里中(いとうせいこう)の元を訪れていた。田邊(要潤)を怒らせてしまった経緯を話し、博物館で研究をさせてもらえないかと二人にお願いするのだった。しかし、大学と博物館は協力関係にあるため難しいと断られてしまう。万太郎を応援したい二人は、君の才能を認めている人は他にもいると背中を押す。家に帰ると、寿恵子(浜辺美波)がある人物から届いた手紙を万太郎に渡す…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第18週「ヒメスミレ」第88話
感想
生涯の仕事と決めた植物学を失いそうな今、万太郎の居場所は寿恵ちゃんと園ちゃんと暮らす家庭だけ。
力をなくしたヒメスミレの映像で終わるのは……。
本当にね 君が好きだよ
本当にね。君が好きだよ。
と、野田先生は言ってくれた。
君は子供の頃私たちが手がけた図を見てこの道に進んでくれた。いとおしいに決まってる。
しかし、「好き」だけではどうにもならない。
それに、田邊教授は「万太郎の”そこ”」を貶めたいのである。
誰にでも「好き」と言ってもらえるところ。
海外の博士にまで愛されてしまうところ。
何よりも、植物に愛されているところ……。
頼み込んでも、大学と協力体制で研究している博物館が万太郎を受け入れることは出来なかった。
これは当然の流れだといえよう。
自分の地位や生活や仕事を脅かしてまで万太郎を庇うことは誰にもできない。
しかし、博物館の先生方はヒントをくださった。
だから友として言わせてくれ。
君の才能を評価する人は他にもいる。君の植物画がいかに正確で信頼できるか、検定の目の確かさ、フィールドワーカーとしての強さ。
君を高く評価してる人がいるんだ。
えっ……それは…?
ロシアのマキシモヴィッチ博士だ。
博士は今この世界で最も優れたアジアの植物の専門家だ。
博士のいるペテルスブルクの標本館には日本どころかアジアの植物がたくさん所蔵されている。君の図鑑の助けにもなる。
世界へ……。
これは以前、寿恵ちゃんも考えていたことがある。
学歴のない万太郎が「学者」として生きていくには「大学へ行く」か「留学する」しかないと寿恵ちゃんは分かっている。
しかし……。
園ちゃんが産まれ、次の子も産まれる今、いくら自由に生きて来た万太郎でもさすがに海外に行こうとは思えないのだった。
君はまだ若い。いくらでも羽ばたける!
若いからこその足かせもあるんだよね……。
万太郎の無邪気さを支え続けてくれた野田先生と里中先生に、頭を下げて博物館を後にする。
大学と違って博物館の職員は冷静だなぁといつも思っていた。
先生方と万太郎が大騒ぎしていても、伊藤くんが「泥棒教授」とか言い出しても、いつも黙って机に向かって淡々と何かお仕事をしている。
さすがや……。と、思っていたけれど、さすがに今日の送り出しシーンでは「……がんばってくださいね……」が聞こえた気がする……。
私たちを離さないで
このタイミングであの手紙が来なければ、万太郎は留学の話を出さなかったに違いない。
しかし、家へ帰ると寿恵ちゃんは一通の手紙を満面の笑みで渡してくれた。
万太郎さん、でも、いいことあったんですよ。多分、万太郎さんにとってきっと今すごくうれしいこと。
この妻は、いつもいつも万太郎の一番嬉しいことばかり考えてくれているから……。
その手紙は、マキシモヴィッチ博士からのものだった。
去年、ムジナモの花の標本や植物画を送っちょったき、その礼状じゃ。 おお……とてつものう褒めてくださっちゅう。
えっ…。
「ムジナモの花の解剖図は世界中の植物学者にビッグインパクト…大変な驚きを与えるじゃろう」ゆうて。
あ……早速ドイツの植物分類学者エングラー博士にも連絡をしてくださったそうじゃ。
おかげで博士が編集するドイツの文献にわしのムジナモの図が載るそうじゃ!
こうなったら止まらない。
万太郎は寿恵ちゃんに頭を下げていた。
寿恵ちゃん! 申し訳ない!
わし、ロシアに行きたい!
ロシアでマキシモヴィッチ博士のもとで研究がしたい!
博士のところにはアジアの植物標本がようけ集められちゅう。けんど日本人は誰も博士のもとに行っちゃあせん。
教授はアメリカ、そして伊藤孝光君はイギリス、そして徳永助教授はドイツ。誰もロシアには行っちゃあせん!
一歳児とお腹の子を抱えて、寿恵子の頭の中に鳴り響いたのは「冒険」の音。
ロシア……いいんじゃないですか? どうしよう……。本当に大冒険だ。
ロシアへ行くにあたって、寿恵子から出された希望は3つ。
- お産は十徳長屋でする。
- おっ母さんに会う。
そして……
私たちを離さないで。
言葉が分からないから、知らない場所で放り出されたらとっても困ります。
私にはあなたしかいません。
何があっても離さないでください。
こんなに愛しい可愛い妻子を……離すことなど絶対しないと万太郎は約束する。
けれども。運命には抗えない……。
この人たちの行き先を、早く光が照らしますように。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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