5年の歳月は竹雄と綾さまだけではなく、みんなに平等に過ぎて行く。
子供たちは成長し、万太郎には白髪も見える。
万太郎は今や「植物分類学の大家」らしい。
そのまま時は過ぎたということ……。
寿恵子(浜辺美波)が待合茶屋を、竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)が屋台を始め5年。農科大学に通い、酵母菌の研究をしている藤丸(前原瑞樹)は、成果を竹雄と綾に発表する。一方、万太郎(神木隆之介)の元には、新種かどうか検定してほしいと標本が届く。送り主は南方熊楠。ただならぬ情熱に、虎鉄(濱田龍臣)は苦手意識をもつが、万太郎はいつか会ってみたいと喜ぶのだった…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第24週「ツチトリモチ」第117話
感想
みんながきちんと年を取っている感じがとても良い。
波多野・藤丸ペアにも仕事の進展。
時代は明治35年ほど?史実のモデルの博士はこの頃また大学で苦労していらっしゃったようだが、その辺は飛ばしていくのかもしれない。
なんせ、後3週間……。寂しい。
清酒酵母
農大の教授となった波多野くんは忙しい。
忙しい中、竹雄の屋台に蕎麦を食べに来る。
大学の近くにもそば屋くらいあればえいけんどね。
ありますよ。
でも、僕もう蕎麦はここじゃないと満足できなくなっちゃって。
有難いお得意さん。
竹雄と綾の元にはみんな集っていた。
藤丸くんは波多野くんの研究室に居候……というか手伝いながら酒の研究をしているそう。かつての万太郎のようね。
野宮さんは滋賀の中学校で図画の講師をしているとか。
みんな、今はそれぞれの道。
そんな中、藤丸くんが「酒の菌」について報告するのだった。
まず、海外の文献から調べてみたらフランスの学者がアルコール発酵が酵母菌によるものだと発表していたんです。
ビール酵母がいるように、日本酒にも日本酒だけを造る清酒酵母がいるのか。
その結論は日本の学者が突き止めました。清酒酵母は実在する。
日本酒のもろみから清酒酵母を分離する実験に成功して、ようやく証明されたんです。
明治33年、古在由直博士が初めて醸造の教授として農科大学に赴任された。「足尾鉱毒事件」の調査で有名な方ですよね。
醸造の研究これからは飛躍的に進むはずです。
藤丸くんの報告に胸がいっぱいの綾さま。
峰乃月を造りよったのは……この清酒酵母ながじゃね。
うん。そうじゃのう、姉ちゃん。
これまで酒は蔵の神さんが造るといわれてきた。
それは受け継がれてきた蔵の隅々にその清酒酵母が住んじょったからじゃろう。
つまり、その清酒酵母をちゃんと培養して腐造や火落ちを起こす菌をあらかじめ取り除いておけばいい酒が造れるんです。
この先根拠のない迷信は消えうせていく。
もう女子が蔵に立ち入ったらいかんゆうて…そんなこと誰にも言わせん。
子供の頃から女子が蔵に入ったら穢れると言われ、蔵を継ぐことにも嫌な顔をされてきた。
ドラマ内では語られなかったが、周囲では火落ちは女蔵主のせいだと言われてきただろう。
綾さまの苦しみが科学に救われた日。
「新種在中」
万太郎が帰宅すると大きな荷物が届いたと、虎鉄くんが待っていた。
荷物が届いちょります。
荷物?どこからじゃ?
あ~……紀州熊野の那智山から。
初めて送ってくれた方だと思いますけんど…表書きに「新種在中」と。
えっ?
みながた……南方?
熊楠さん。
「南方熊楠」
手紙によると、外国の周遊から14年ぶりに日本に戻ってきて、大英博物館でも学んだ人らしい。
明治26年には「ネイチャー」に最初の論文が掲載されちゅうと。
えっ?題材は?
え~…。
「極東の星座」。
ほんじゃあ植物学者じゃあない…?
うん。
あ、この標本は自分で学名を付けたき、確かめてくれと。
植物学者でもないのに選定もせず、絶対新種だからと名付けまで行ってから万太郎に送って来る。
しかも、送られてきた植物は新種ではなかった(笑)
大好きな師匠に対する不遜っぷりに機嫌を悪くする虎鉄くん。
対して万太郎の方は興味深そう。
まあ……うれしいき、わしは。
植物に熱がある人がここに現れた。まるで恒星みたいじゃ。
熊野の闇夜に強烈に光りゆう。
認めるがですか?この人を。
この熱から目はそらせんき。
いつか会うてみたいのう…。
まあ……この標本は訂正して送り返すがじゃけんど。
そこまで言って、万太郎の目が止まる。
止まったのは、「新種」ではない方。
虎鉄……。
この子は…。
さあ……。
新種はまだまだ世界に満ちている。
菌を研究しなくても、精子を研究しなくても……。
「分類学」か。楽しそう。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
槙野千歳 – 遠藤さくら(子役期:入江美月←秋山加奈)
槙野百喜 – 松岡広大(子役期:石川誉←森本一之新)
槙野大喜 – 服部仁信
槙野千鶴 – 本田望結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
笠崎大輔 – 遠山俊也
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
山元虎鉄 – 寺田心 → 濱田龍臣
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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