喜美子(戸田恵梨香)の初めての窯焚(た)きは思うような焼き色が出ずに失敗。喜美子は原因を調べ、目標温度に到達するのが遅かったからだと分析。再度、前回以上の費用をかけて、窯焚きをしたいと八郎(松下洸平)に相談する。周囲から喜美子の穴窯を止めるよう説得された八郎は、喜美子にまずは陶芸展で入賞して陶芸家としての地位を確立するように強く勧めるも、喜美子は受け入れない。そうして挑んだ二回目の窯焚きの結果は…… (上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「スカーレット」第17週「涙のち晴れ」 第98話
感想
次はないで?
えっ。
25万、またいっぺんに飛んでしもた。
次は当分ないで。
積み立てたお金がある。
武志のお金ちゃうんか。
武志がいずれ高校、大学行く時のためにお金ためる言うてた。
いざという時のためや。
せやから。それは武志のいざという時のためのお金ちゃうんか。
どうした……喜美子。
お金の計算は今までしっかりしてきたはず。それは、この貧しい家で事実上の大黒柱として生きてきた勘であり、大阪でみっちり鍛えられた訓練の成果であったはず。
これじゃ、「ジョージの娘」だわ。
喜美子を狂わせているのは「穴窯」という魔物であり、そして、やっぱり「意地と誇り」なんだろうなぁ。
柴田さんと佐久間さんの言うことは「世間の目」であり、と芸術に関してはもっともなこと。
うまいこといったとしてもな、奥さんの作品は売れへんで。
奥さんは無名や。
しかも女や。
陶芸は男の世界やで?
マスコットガール・ミッコーの話が出ていたが、あの時ですら、マスコットガールになったのは丸熊陶業という大きなスポンサーがあったから。
「川原喜美子」ブランドは、独り立ちできる立場にない。単純に言うと、金がない。
八さんが以前「戦時中」の話をし、「芸術は贅沢品だから豊かでなければ評価されない」と言っていたように、時代のせいだけではなく、金と時間がかかるものは今も昔も金持ちのものである。
2人でされた穴窯の取材。
写真も記事も、使われたのは八さんだけ。
ここに載るためにはまず「名声」が必要。だから、とにかく穴窯の前に賞を取ろうという八さんの言い分はしごく真っ当。
何で名声を手に入れる話になんの?
誰もがみんな、ええ言う作品なんかありえへんからや。
10人おったら10人がええ言う作品なんかないで?
そんなん、やってみな分からへんやん。
やってきた僕が言うてる。
ええかどうかは結局主観や。
評価なんか曖昧なもんや。
「千利休の茶碗」と言っただけで売れる時代が織豊時代にもあった。芸術の価値はそういうものであることは確か。
そして、さらに
陶芸はまだまだ男の世界や。
なっ、まずは可愛がってもらえ。
女性陶芸家として受け入れてもらえ。
と言う八さんの言葉に喜美子の「意地と誇り」がカチンとくる。
「可愛がってもらう」は、おそらく喜美子の一番苦手なところだろうな。
1回目、失敗したんはよそに気持ちがいったからや。
よそに気持ち?
三津と仲よう寝てるところ見てしもた。
あん時 、温度が上昇せんかって薪も少なくなって……どないしよういうてハチさん頼ってしもた。
うちも分かるで?
三津が言うてたこと。
男やったらよかった。
実際は、男だったら成功するわけでも、男だったら名声が付くわけでもないのだけれど。
言わずにいられず、そのせいにせずにはいられず。
というのは、よく分かる。
とりあえず、八さんはこれに対して何も言えない。
そして、2度失敗した挙句の「いざという時の金」騒ぎである。
武志にたずねれば当然使っていいよと言うだろう。
食べられなかったニンジンを親のために美味しく食べてやるくらい成長した息子は、笑いながら無理をする息子でもある。
激しい親を持つ子どもは早く大人になるしかないのだった。
【スカーレット】
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※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
キャスト
川原喜美子 – 戸田恵梨香(子役期:川島夕空)
川原常治 – 北村一輝
川原マツ – 富田靖子
川原直子 – 桜庭ななみ(子役期:やくわなつみ)
川原百合子 – 福田麻由子(子役期:稲垣来泉→住田萌乃)
川原武志 – 伊藤健太郎
川原(十代田)八郎 – 松下洸平
熊谷照子 – 大島優子(子役期:横溝菜帆)
大野信作 – 林遣都(子役期:中村謙心)
大野陽子 – 財前直見
大野忠信 – マギー
熊谷敏春 – 本田大輔
熊谷和歌子 – 未知やすえ
熊谷秀男 – 阪田マサノブ
慶乃川善 – 村上ショージ
十代田いつ子 ‐ しゅはまはるみ
鮫島正幸 ‐ 正門良規
津山秋安 ‐ 遠藤雄弥
藤永一徹 ‐ 久保山知洋
加山 – 田中章
深野心仙 – イッセー尾形
池ノ内富三郎 ‐ 夙川アトム
磯貝忠彦 ‐ 三谷昌登
松永三津 – 黒島結菜
庵堂ちや子 – 水野美紀
酒田圭介 – 溝端淳平
田中雄太郎 – 木本武宏
荒木さだ – 羽野晶紀
大久保のぶ子 – 三林京子
ジョージ富士川 – 西川貴教
泉田あき子 – 佐津川愛美
草間宗一郎 – 佐藤隆太
語り… 中條誠子
スタッフ
脚本 – 水橋文美江
制作統括 – 内田ゆき
プロデューサー – 長谷知記
演出 – 中島由貴、佐藤譲、鈴木航
音楽 – 冬野ユミ
主題歌 – Superfly「フレア」
コメント
巨炎さん
信楽のジョージです、確かに喜美子の父親です(笑)
ここまでの人生、ほぼ自分の給料を家のために管理してきた喜美子にとって経済面では父は反面教師だったはずです。
しかし、甘えられる存在と余裕ができたので暴走している感……まぁ、芸術家とは自由に暴走してナンボって気もしますよね。
家族ももう自立できる収入があるし、八さんという憩いの場を失った方が喜美子は自由になれるのかも。゛
>これじゃ、「ジョージの娘」だわ。
これじゃも何も最初からジョージの娘なんですけど(笑。
ジョージって西川氏の事を指した訳じゃ、ないですよね?
「カーネーション」では優子が千代さん譲りな生来は「静子の娘」的な性格だったのが
母の直系である直子との取っ組み合いの中で母譲りの気性が後天的に育くまれましたが
喜美子は取り立ててマツさん似な性格という訳でも無い。
常に自我の抑制を強いられる環境に置かれた事で後天的に育まれた理性で
押さえていた生来の性格がリミッター解放で取り払われて剥き出しになってきたのか。
西川ジョージが数年ぶりに訪れていた事なども影響?
前半で北村ジョージの困ったちゃんぶりを散々、強調してきた事自体が伏線だったか…。
片や喜美子の理性の象徴的なストッキング修繕を息子に伝授した成果が表れ
現在、八さんが喜美子の抑え役になろうとしていますが
武志君がいずれはその役を引き継ぐのかもしれませんね。
スカーレット (第98回・2020/1/28) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト) 第17週『涙のち晴れ』の 『第98回』の感想。 ※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。 ※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。 喜美子(戸田恵梨香)の初めての窯焚(た)きは思うような焼き色が出ずに失敗。喜美子は原因を調べ、目標温度に到達するのが遅かったか…
連続テレビ小説『スカーレット』第98回
内容穴窯で焼き上げた喜美子(戸田恵梨香)の作品は、思っているような色には仕上がらず。それどころか、焼きも甘く。失敗だった。その直後、三津(黒島結菜)が去って行く。一方で、八郎(松下洸平)は、喜美子のことを柴田(中村育二)佐久間(飯田基祐)に相談するが、現実は甘くないと指摘されてしまう。家に帰った八郎は、喜美子から、穴窯の再挑戦の話を聞かされる。すると八郎は穴窯のことが書かれた新聞を取り出し、…
ただのおばさん>『スカーレット』第98話
いよいよ喜美子が、お父ちゃん化! お父ちゃんが早くに退場したのも お父ちゃん似の直子が意外に出番が少ないのも ムベなるかな? …ひじゅにですが何か? 「ただの陶芸好きのおばさんや」by佐久間 マスコットガール・ミッコーのみの写真に フカ先生のフの字も載らなかった新聞記事 穴窯の前に立つ八郎さんのみの写真と 喜美子の喜の字も載らない新聞記事 …今日もまた、前半(の前半…