NHK朝ドラ【スカーレット】第13回(第3週 月曜日) 感想

喜美子(戸田恵梨香)は父・常治(北村一輝)が見つけてきた大阪の就職先に向かう。そこは女性下着のデザイン会社。社長・さだ(羽野晶紀)が率いる華やかな職場に、喜美子はときめくが実際に働くのは別場所だと判明。さだの暮らす下宿屋に案内され、医学生の圭介(溝端淳平)、新聞記者のちや子(水野美紀)など、個性豊かな住人たちと出会う。喜美子は自分の仕事は住み込み女中だと知る。そして到着早々、事件を起こしてしまい…
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
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連続テレビ小説「スカーレット」第3週「ビバ!大阪新生活」 第13話

NHK朝ドラ『スカーレット』感想

感想

「昭和28年。喜美子の働き口を父が決めてきました。」

「喜美子は生まれ故郷の大阪に、たった一人で6年ぶりに戻ってきたのです。」


たった一人……。
最初だけは親がついて来るとか知り合いがついて来るとか、そういう甘さはない世界である。

だよね。
娘の稼ぎが家計になるほどだから、大阪までの往復運賃ももったいないよね。

ところが、待ち合わせ場所に就職先の女社長・荒木さだはやって来なかった。

スマホもなく、偶然知り合いと出合すラッキーもない。

当然、頼るのはお巡りさん。(すごく当たり前の流れだけれども、朝ドラには珍しい展開(笑))

 

ほんま、ごめんなあ。
下着ショーのことで、もう頭がいっぱいで。


幸いなのは、荒木さだが悪意で約束を破ったわけではない「らしい」こと。

荒木商事は戦後急速に展開し始めた女性の洋装のための下着。ブラジャーなどのデザイン・試作製造会社らしい。

「デザイン」。見たことのない世界に目を輝かせる喜美子……

だけれど、

喜美子に与えられたのは「デザイン」でも縫製でもモデルでもなかった。

あなたの仕事はあの……ここやないのよ。

お父さんから何て聞いたか知らんけど……。

いとこや言うてましたけど…。

ううん、ちゃうちゃう。お母さんの方の遠い親戚よ。
お互いよう知りません。

せやのに無理やりツテ頼ってここまで来て、何べんも頭下げはって……。

 

喜美子の仕事は荒木家の女中。
炊事洗濯……今までと同じ世界だ。

そうでしたか……よう話分からんと来てしもて……。

こんな素敵なデザイン会社どないしよう思て……。

そうでしたか。うち女中でしたか。

すいませんでした。 
お茶おいしかったです。
ありがとうございました。

 NHK朝ドラ『スカーレット』第13話 感想

 

このシーンの喜美子の気持ちが推し量れすぎる辛さ。

不安の中、たった一人で大阪に出てきた。迎えはいない。

でも、就職先には新しいキラキラした世界が広がっていた。

おそらく「職種」という概念はここまで無かっただろうが、自分が好きな「絵」が仕事として生かされる世界を見てウキウキしてしまった。

「裁縫なら一通りできる」「モデルでもやる」……散々そう言ってしまってから、自分の仕事を知ることになる。「女中」。

 

そうでしたかぁ。うち女中でしたかぁ。お茶おいしかったです。

言いたくないような卑屈な言い方が言い訳のように口から出て来てしまう……ひとり気まずい。そしてみじめで切ない。

戸田恵梨香の演技で全て伝わる喜美子の心情。凄い。

 

けれども、ここから事態はまた反転。

女中をすることになった「荒木荘」には自分の部屋が用意されていた。

「荒木荘」に間借りしている医学生・酒田圭介から初めて言われる「可愛らしい」。

そして、何より…

ほな、今日はご飯食べてゆっくりしたらええわ。

ごはん……。

賄い付きよ?

えっ……えっ!?

ウフフッ。そらそうよ。 


その代わり、みんなの分を大量に作るんだろうけれど、それはまぁ慣れていること。

ご飯が仕事に付いている。喜美子にとっては給食以来の喜び。

 

自分だけの広い部屋。
ご飯つきの仕事。
綺麗な布団。

喜び過ぎてでんぐり返し……して、扉をぶち壊し、隣りの部屋に暗そうな女を見つける……。

悲しみから喜びまでコロコロ動く15分。

なかなか飽きない作り(笑)



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※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
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キャスト

川原喜美子 – 戸田恵梨香(子役期:川島夕空)

川原常治 – 北村一輝
川原マツ – 富田靖子
川原直子 – 桜庭ななみ(子役期:やくわなつみ)
川原百合子 – 福田麻由子

熊谷照子 – 大島優子(子役期:横溝菜帆)
大野信作 – 林遣都(子役期:中村謙心)
大野陽子 – 財前直見
大野忠信 – マギー

庵堂ちや子 – 水野美紀
酒田圭介 – 溝端淳平
田中雄太郎 – 木本武宏
荒木さだ – 羽野晶紀
大久保のぶ子 – 三林京子
ジョージ富士川 – 西川貴教

草間宗一郎 – 佐藤隆太
十代田八郎 – 松下洸平
深野心仙 – イッセー尾形


語り… 中條誠子

スタッフ

脚本 – 水橋文美江
制作統括 – 内田ゆき
プロデューサー – 長谷知記
演出 – 中島由貴、佐藤譲、鈴木航
音楽 – 冬野ユミ

主題歌 – Superfly「フレア」



【スカーレット】
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コメント

  1. 連続テレビ小説『スカーレット』第13回

    「ビバ!大阪新生活」内容昭和28年春、中学卒業後、大阪へとやって来た喜美子(戸田恵梨香)父・常治(北村一輝)が見つけてきた荒木商事へと向かうことに。しかし待ち合わせ場所に、荒木さだ(羽野晶紀)が現れず。結局、警察に助けてもらい、ようやく、さだの会社に到着する。華やかな女性下着のデザイン会社に、心躍る喜美子であったが、働く場所は。。。別の場所だと。さだの暮らしている下宿“荒木荘”で女中をすると…

  2. ビバ!大阪新生活>『スカーレット』第13話

    ​​​​​​​​​​​​​​さて、大人編(ちゅーても設定年齢は15歳だけど)本格的にスタート!可もなく不可もなく…ちゅーところでせうか?ドタバタはしていたけどワサワサはし…

  3. ビバ!大阪新生活>『スカーレット』第13話

    ​​​​​​​​​​​​​​さて、大人編(ちゅーても設定年齢は15歳だけど) 本格的にスタート! 可もなく不可もなく… ちゅーところでせうか? ドタバタはしていたけど ワサワサはしていないというか 喜美子がしっかりした子だというのが分かっているから ハラハラ感もないし 事情は結構シリアスだけど悲壮感はないし 適度に「可愛らしい」 …ひじゅにですが何か? ​「うちの部屋かあ」​…

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