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NHK朝ドラ【スカーレット】第21回(第4週 水曜日) 感想

喜美子(戸田恵梨香)は荒木荘の住人たちの様々な生き方を通じて、自分の将来を見つめ直す。その結果、「女中の仕事を途中で投げ出して、転職はできない」とオファーをくれたちや子(水野美紀)に告げる。女中として一人前になった後、「自分が本当にやりたい道に進む」と決意。その視線の先には趣味で続ける描きかけの絵があった。その頃、信楽では川原家に異変。室内が荒らされ、家族が大切に取っておいた喜美子からの仕送りが…
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
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連続テレビ小説「スカーレット」第4週「一人前になるまでは」 第21話

NHK朝ドラ『スカーレット』感想

感想

大方の予想通り、喜美子は新聞社からの引き抜きを断った。

今、ちょうど絵描きながら考えてたんです。

うん。

じっくりよう考えました。
ちや子さんが「自分の人生や自分で考え」言うてくれたから。

ほなじっくり聞こか。


喜美ちゃんは決して新聞社が嫌なわけではないと「じっくり」説明する。世の中をリアルに知ることができる活気ある職場が好き。ちや子さんの上司のヒラさんも好き。

好きなものがいっぱい。
好きなものは外に向く。

荒木荘のみんなが好き。
荒木荘の仕事も好き。
お金も好き。

 

嫌いなものは内に向く。

物事を途中で放り出すのが嫌い。
いいかげんに向き合うことが嫌い。

このキリッとした性質。

ここまで清々しい朝ドラヒロインはかつて居なかった気がするし、「ヒロインが周りから頼られたり好かれたりする理由」に納得できることも無かったかも知れない。

女にも意地と誇りがある。

子役の川島夕空ちゃんは戸田恵梨香と似ていないような気がしていたけれども、よう似てたわ。意志の強いまなざし。
NHK朝ドラ『スカーレット』第21話 感想

 

何や、かえってうち、惑わしただけみたい……。

いいえ。うれしいです。

うれしい?

ほかにもあるて、分かりました。
ここだけやのうて、うちにもやろう思たら……他にやれることがある。

ここの他にも自分の進む道があるんや。

それが分かっただけでも、すごいうれしい。

力が出ます。前よりずっとずっと頑張れます。


わかるなぁ、これ。
やっぱり、やっている事を見てもらって認めてもらって必要としてもらうって大事なことだよ。

「やりがい」は原動力になるよ。
「自分にできること」を知る事は生きがいになるよ。

何もなかった喜美ちゃんは自分の価値をたくさん知った。大阪に出てきて本当に良かった。

 

いつか、ここ卒業したらな……。

卒業?

そうや。
荒木荘卒業したら、次行きぃ。

自分のやりたいこと見つけて、やりたい道に進んだらええ。

お金ためていつか……。
いつか……お金ためて……。やりたいこと……。


そうですね。
いつか。
お金ためて。

自分で……。

 

喜美ちゃんにとっては、そんなことは「夢物語」だった。

けれども、今はそれが側にある。
実現していく人たちが現実に周りにいる。

良い人ばかりの環境。
けれども、「良い人間関係」も自分自身が作るのだとよく分かる構図。

この人たちの「良い」は喜美子自身が作り出しているんだもの。

ご飯を食べて泥のように眠るための家なのに、喜美子の話を聞いてくれる ちや子さん。喜美子を見ていると可愛かった亡くなった妹を思い出すと言ってくれる圭さん。喜美ちゃんがいると楽しいと言ってくれる雄太郎さん。

喜美ちゃん自身の善が周りの善を呼んでいる。

それが、とても丁寧に描かれている、この脚本。

 

しかし、禍福は糾える縄のごとしで……。

喜美ちゃんの人生は決してイイコトばかりではない。

その最大の理由が「金」だ。
世の中の多くが実際にそうであるように。

 

信楽の実家には泥棒が入り……それはたぶん、お父ちゃんが雇った2人の雇い人。

喜美子が大阪に出なくてはならなくなる切っ掛けを作った2人の少年が、いわゆる恩をあだで返した可能性が高い。

 

まだ誰か分からへんわ。
誰か分からんけど、申し訳なかった言うて返しに来るかもしらん。


と言って警察に訴えない父・ジョージ。

自分もかつて借金から逃げ回ったりしたからね。そういう気持ちは分かるんだよね。

けれども、それを笑って許してやれる余裕なんてあるわけもなく。

ジョージはなんと、大阪へ喜美子の前借りをあてにして出て来るのだった。

 

おいおい……とは思うものの……ここまで貧しいとどうにもならないんだろうねぇ。

自分の娘よりも余所の若いもん2人の方が大事なのかよ!!とは思うけれど、ジョージにとっては(というか家族全員にとって)喜美子はいつまでも「子供」で、喜美子の財布は「家の物」なんだよね。

喜美ちゃんに「自分のための仕事」や「自分の夢」という概念がなかったのは仕方のないこと。

“ものすごい貧しさ”とはこういうこと。

だから、このドラマでは「女性の独立」以外にも「人間一個人が家から独立する」ことも描かれていくと思う。

それは親を捨てるとか、同居別居うんぬんということではなく、お金のやり取りも独立した個人として支えるということ。

親も子もそれを自覚する話になるのだろう。

朝ドラでは、多くの作品で曖昧にしてきたこと。

※朝ドラレビューは基本的に簡単感想で。
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
…テンプレだす…。
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キャスト

川原喜美子 – 戸田恵梨香(子役期:川島夕空)

川原常治 – 北村一輝
川原マツ – 富田靖子
川原直子 – 桜庭ななみ(子役期:やくわなつみ)
川原百合子 – 福田麻由子

熊谷照子 – 大島優子(子役期:横溝菜帆)
大野信作 – 林遣都(子役期:中村謙心)
大野陽子 – 財前直見
大野忠信 – マギー

庵堂ちや子 – 水野美紀
酒田圭介 – 溝端淳平
田中雄太郎 – 木本武宏
荒木さだ – 羽野晶紀
大久保のぶ子 – 三林京子
ジョージ富士川 – 西川貴教

草間宗一郎 – 佐藤隆太
十代田八郎 – 松下洸平
深野心仙 – イッセー尾形


語り… 中條誠子

スタッフ

脚本 – 水橋文美江
制作統括 – 内田ゆき
プロデューサー – 長谷知記
演出 – 中島由貴、佐藤譲、鈴木航
音楽 – 冬野ユミ

主題歌 – Superfly「フレア」



【スカーレット】
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コメント

  1. スカーレット (第21回・2019/10/23) 感想

    NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト) 第4週『一人前になるまでは』の 『第21回』の感想。 ※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。 ※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。 喜美子(戸田恵梨香)は荒木荘の住人たちの様々な生き方を通じて、自分の将来を見つめ直す。その結果、「女中の仕事を途中で投げ…

  2. 連続テレビ小説『スカーレット』第21回

    内容お試しで、ちや子(水野美紀)の編集部で働いた喜美子(戸田恵梨香)夜になって帰宅したちや子から、感想を尋ねられる。すると喜美子は、仕事を途中で放り出せないと、誇りと意地があると。のぶ子(三林京子)に認めてもらうまで、荒木荘で頑張ると伝える。そんななか、突然、信作(林遣都)から電話がかかってくる。すぐに、妹・直子に交代するが。。。。敬称略前回、ちょっとクドかったフラグを、早速、回収してきまし…

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    ​​​​​​​​​​​経験からしっかり学び取り キチンと自分で考え、応用する 喜美子の世界が少しずつ広がって行く 地味だけど ゆっくりだけど ワクワク感はあるなあ …ひじゅにですが何か? ​「ほな、じっくり聞こか」​byちや子 視聴者も、じっくり聞くで。 じっくり考えて出した喜美子の決断。 子供の時も “荒木荘”に来たばかりの時も 聞き応えのあるものだった。 自らの…

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