槙野家の子どもたちの会話を聞いていて、ちょっと自分が恥ずかしくなってしまったね。
彼らは親がやろうとしていることの本質を充分分かっちゅう。
だから誰も「生活はどうするんです?」などと言わないんよ……。
神社の森の植物を守るため、国が推し進める神社合祀令をどうにか食い止めたいと考えた万太郎(神木隆之介)は、大学を辞め一植物学者として生きることを決意する。寿恵子(浜辺美波)、千歳(遠藤さくら)、百喜(松岡広大)ら家族もそんな万太郎を応援するのだった。ある日、りん(安藤玉恵)は千歳にあるお願いをする…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第25週「ムラサキカタバミ」第121話
感想
万太郎が自分の寝食を忘れても「植物」という国の土台にあるものを愛し、寿恵子はその夫の志を支え、2人で「人」という繋がりを作ってきた。
だから、こういう子どもたちが育って当然なのだ。という流れが、ここまで見てきて素直に伝わる。
「そりゃあ、釣り合いませんねぇ」
は、言うまでもなく、権威よりも土を貴ぶということ……。
「バカげたこと」
あの、寿恵ちゃん、あの……話がある。
万太郎の「話」とは、「ツチトリモチ」である。
神社の森の小さな神さんを救う。
万太郎にとっては、それが「国=土を救う」ことであり、そのためには国立大学、つまり神社合祀令に従わざるを得ない仕事は辞めなくてはならない。
お寿恵さんは笑うのだった。
大学とツチトリモチがてんびんなんですね。
うん。
そりゃあ釣り合いませんねえ。
「釣り合いませんねぇ」の意味は、もちろん、やっと安定した助手の給料と無給ボランティアは釣り合わない!……というような意味ではない。
小さな神様たちを救うことの方が何よりも先決でしょ。ということ。懐が深い。
しかし、どんな素敵な理想も現実には敵わない。
金がなければ人は生きて行けず、大学を辞めることは家計収入を妻子にお願いすることになる。
だから、元ぼんぼんの万太郎も、さすがに堂々と声を上げることができないのだ。
しかし、子どもたちはもっと堂々としていた。
悔しくないんですか?
こんなバカげたことでお父ちゃんが辞めなきゃならないなんて!
え…バカげたこと?
バカげてるよ!
お国の方が。
誰一人として、金も入らない植物採集、バカげてる。
などと言わない。
父の主義と仕事の意義をきちんと理解している。
だって、こないだ授業で習ったばっかりだよ。
木々がしっかりと根を張ることで山崩れを防いでる。
災害の多い日本で木が重要なんだって。
それを目先のお金に換えるために切ってくなんて。
経済だけじゃなく、精神の面でもさこの前の戦争からこっち「国民は国を愛せ」ってやたらと言われてるだろ?
でも国への愛って、もっと身近なふるさとへの愛着から生まれると思うんだ。
百喜、それよ。
ふるさとの御神木が切られたら悲しいじゃない。うちの根津神社が取り潰しになれば根津はもう根津じゃなくなるのよ。
そして最終的にはも自分たちの負担など全く「負」と考えない結論に行きつく。
この時代だからまだ「世界のために」「地球のために」とは言わないけれど、「故郷」のために「土」のために出す結論。
お父ちゃん、分かりました。
いろいろ腹が立ちますが、どうぞお辞めください。。
朝ドラあるあるな子どもたちの1人くらいはメッチャ反抗してきて家出する、みたいな展開が無いのは良き……かな?子どもたちがみんな親の意志を尊重している。しっかりしているとも言えるし、時代だからとも思うし、上手く埋め込まれてる…ともいえる #らんまん #朝ドラらんまん
https://twitter.com/kukucoo/status/1703619342179745933
神社合祀政策
この『神社合祀政策』が行われたのが明治39年。時代的には、これでもまだ声を発することができる風潮だと言える。
関東大震災が起こる大正期に入ると、国策に逆らう一家なんてアナキスト一家として目を付けられ、闇に葬られてしまう。
そうなると、さすがの槙野家でも「大声でそんなことを言ってはなりません」と窘めるところ。
正しいことを正しいと堂々と言えることは、どんな時代でも難しいけれど、実際に命に関わるとなると、みんな口をつぐまざるをえない。
槙野万太郎は、色々な意味で間一髪な自由を手に入れていた人、なのかも知れない。
クサ長屋の差配人
差配人のおりんさんから、
千歳。
あんた、差配人、継いでくれないかね?
と頼まれた千歳。
家主がさ、具合悪いみたいなんだよ。
お互いお迎えがいつ来るか分からないからさ、そろそろ一緒に暮らそうかって。
ここが好きだしね。万さんにお寿恵ちゃん、それから、虎鉄っちゃんや、あんたたち。何だかみんな、もう実の子みたいな気がするよ。
千歳。おばちゃんの頼みだよ。どうかねえ?
ついに登場しなかった家主さん……。
差配人といっても、十徳長屋はすでに槙野亭。
この先も、きっと家族関係以外の住居人が入ることはないだろう。
家主とおりんさんは、結果、十徳長屋を本当の意味で槙野家に譲ってくれたんだね。
万さんのおかげでとんでもないことだらけだったね。
うちに住んでくれてありがとうね。
傷を抱えた福治さんとおゆうさんは新居へ。
頼もしかった倉木さん一家は会社の寮へ。
賑やかな丈之助さんは作家になって家庭を持って出て行った。
真打ちに昇進した九兵衛さんも出て行き、ついに、おりんさんも。
みんなで楽しく集まっていた回想シーンに、ちょっと涙……。
賑やかで楽しい思い出があったことは、きっと誰にとっても宝。
でも寂しいね。
人生の中で、こんな出会いと別れがあと何回訪れるのか……。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
槙野千歳 – 遠藤さくら(子役期:入江美月←秋山加奈)
槙野百喜 – 松岡広大(子役期:石川誉←森本一之新)
槙野大喜 – 服部仁信
槙野千鶴 – 本田望結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
笠崎大輔 – 遠山俊也
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
永守徹 – 中川大志
山元虎鉄 – 寺田心 → 濱田龍臣
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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