国が弱いから馬鹿にされた。今、やっと、その屈辱から解放される。
その喜びは伝わるけれど……。
虐げられる悔しさを知っている者が、次は他国を支配しようという、虐め連鎖の様相。
台湾から戻った万太郎は、寿恵子(浜辺美波)や虎鉄と「オーギョーチ」を食べながら、台湾での出来事を話し始める。寿恵子が持たせてくれた「日本植物志図譜」のおかげで命が救われたことなど―。一方、波多野(前原滉)と野宮(亀田佳明)はついにイチョウの精虫を発見。世界に向けて発表されることになる。万太郎は二人の快挙を喜びつつ、自分の研究に戻っていくのだった…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第22週「オーギョーチ」第110話
感想
良かった……。画工ではなく、学者と認められた野宮さん。そして長く研究した成果をやっと得た波多野くん。
最高に盛り上がる瞬間!
でも、それは「国力」のための一歩なのだった……。
丸い月
万太郎は台湾で高熱を出し、志明さん始め台湾の方々のお世話になったらしい。
気取らず、笑顔で、お国の言葉で話しかけてくれる植物学者。ピストルは持たず、世界共通の言葉である「絵」を持って来た。
台湾の人と一緒に蛍と丸い月を見る。
あ……大きい月じゃのう……。
面白いですね。植物学。
ワーマーシュウンベーオーネ。
あっ……私も学んでみたくなりました。
当たり前だけれど、細田くんが来ていたら、こうはならなかった。
万太郎に魅了された人たちは、必ず植物学に魅了される。
学問も文化もこうやって繋がっていくべきなのに……。
日本人であること
その頃、波多野・野宮組は大変なステージに進んでいた。
イチョウの精子をついに発見したのである。
野宮と波多野は、イチョウの精虫を発見しました。
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) September 1, 2023
「――野宮さん。論文を書くんだ」
「俺は……画工ですよ!」
「いいえ。今は、植物学者です」#朝ドラらんまん#前原滉 #亀田佳明 pic.twitter.com/r8vjqsE2Fi
これは…。
ああ…。
間違いない!イチョウの精虫です!
動いてますね!
動いてる!
野宮さん、論文を書くんだ!書いてください!
あなたが見つけたんです!そしたら僕が全て翻訳します!
俺は……画工ですよ!
いいえ。
今は植物学者です。
2人で組もう、と約束したあの日から、ずっと歩み続けてきた。
居合わせた万太郎も心からのお祝いを述べた。
そして……。
よし!よくやった!
波多野、野宮!世界の頂点だ!
すぐに論文を書くようにと2人に言い渡した後、徳永教授は声を押さえることもなく泣き始めた。
う…うう…!
教授……これでドイツを見返してやれますね。
と、同意する細田。
ああ……。
もうあんな惨めな思いは終わりだ。
今こそ日本人であることを誇りに思う!よくやった…。
ドイツ留学で抑圧された日々を2人は噛みしめていたのだろう。
波多野くんと野宮さんの発見は2人の栄光だ。
そして同時に、今や国の栄光でもあった。
万太郎の台湾調査報告書を読んで怒りだす細田。
万太郎は、台湾で見つけた愛玉子(オーギョーチ)に台湾名を付けたのだ。
「Ficus awkeotsang」
「awkeotsang」とは聞いたことがないが、これはどこから付けた?
これは種子からとれるカンテンで作った食べ物オーギョーツァンから取りました。「オーギョーツァン」は台湾での読み方ですき。
台湾での読み方?
改めろ。
お前は帝国大学の植物学者として調査に行ったんだぞ。
この報告書、陸軍省にも提出するんだ。
向こうの言葉から学名を付けるなぞ……。
槙野、現地の言葉は消せ。
国に逆らう気か?
分かっちょります。国が言葉を押しつけゆうがは。
ほんじゃき、わしは永久にとどめるがです。学名として。
この植物学教室は 今世界の植物学の頂点に立ったんだ!
その同じ研究室で助手のお前がこんなつまらんマネを…!
つまらん!?
ドイツへ行って虐げられた者たちが、国を強くするという使命感を持って、今ここに居ることはよく分った。
万太郎は虐げられる側の国へ行き、言葉と学問で国を繋げ、どの国の植物も守るという使命感に燃えていた。
大事なことですき。
日本から出てわしも初めて知りました。
戦いの跡も見ました。
木々に弾痕が残っちゅうがも。
人間の欲望が大きゅうなりすぎて、ささいなもんらあは踏みにじられていく。
ほんじゃき、わしは守りたい。
植物学者として後の世まで守りたい。
教授を裏切る気か?
小学校中退のお前を助手で呼んでくださったんだぞ。
わしは植物学に尽くす。ただそれだけですき。
この旅でわしがやるべきことはよう分かりました。
わしはどこまでも地べたを行きますき。
人間の欲望に踏みにじられる前に、全ての植物の名前を明らかにして、そして…図鑑に永久に刻む。
統制と洗脳の時代。
万太郎のような人は生きづらかっただろうな……と、思う。
もっとも……
「人」の思惑は気にしないのかも知れないな。
わが道を行く……。
で、助手と新しい命を抱えて、この先、どう生きるか。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
槙野寿恵子(西村) – 浜辺美波
槙野園子 – 斎藤羽結
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
笠崎大輔 – 遠山俊也
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
山元虎鉄 – 寺田心 → 濱田龍臣
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
伊藤孝光 – 落合モトキ
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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