あの、舞さん。
そういうのもプレッシャーになるんですよ?
いや、秋月さん。
あなたがデラシネに通い詰めていることもプレッシャーだと思うんですが……。
御園(山口紗弥加)から受けたIWAKURAの取材記事が新聞に載る。書かれたのは女性社員のことだけで、男性社員のことは書かれていないと藤沢(榎田貴斗)は愚痴をこぼす。その記事を目にした貴司(赤楚衛二)は喜ぶが、それも束(つか)の間、編集者のリュー北條(川島潤哉)からの新しい短歌10首の宿題が目に入り、気が滅入(めい)る…
Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「舞いあがれ!」第20週「伝えたい思い」第94話
感想
秋月さんの頭の中の貴司くんが、孤独の神か?くらい神格化されていて恐い。
でも、自分の好きなものや人を勝手に「神」にしてしまう気持ちは分からなくもない。
秋月さんというオタクの心の支えである貴司くん。
失い方によってはヤバいですわ。
物語的に、あまり簡単に片づけられないキャラにしちゃってますけれど、回収できるのでしょうか。
男性の活躍は記事にならない
俺らのことは全然書いてへんかった……。
ガッカリするIWAKURAの男性従業員たち。
御園さんが書いた記事は「母娘が立て直した町工場」。
メインは……というよりも、内容は女性たちの奮闘や活躍。
わけても、パイロットの夢を捨てて工場で働くことになった舞の話は確かに大衆の興味を引くかも。
? 朝ドラ #舞いあがれ! ?
— NHKオンデマンド (@nhk_ondemand) February 15, 2023
94回
✈️御園(山口紗弥加)から受けたIWAKURAの取材記事が新聞に載る。書かれたのは女性社員のことだけで、男性社員のことは書かれてないと若手男性社員は愚痴をこぼす
福原遥 永作博美 赤楚衛二 山下美月
山口智充 くわばたりえ ほか出演? https://t.co/lmjMOTuDw8
男性社員のことが書かれてへんかったなて……。IWAKURAは従業員みんなで立て直した会社です。母と私と女性の従業員だけが頑張ったみたいに書いてあんのは……。
記事の内容に触れると、御園さんはカラっと言う。
だって、そこが面白いと思ったんだもの。
およそ工場で働きそうにない母と娘が奮闘の末に工場を立て直した。女性のパワーが町工場を変えた!
面白いじゃない。
そうね。
ジェンダー問題は「輝く女性」ばかりピックアップされて平等ではない、と見る向きもあるけれど、今から10年前だからね。
「輝く男性」は「輝く」を付けなくても社会で活躍しているのが当たり前だった。女性はこうやって記事にしてもらえなければ輝けなかった。
だから、こういう記事は女性に人気が高い。
御園さんは自分自身も女性を応援したい気持ちがあるだろうけれど、それだけではなく、プロだから「売れるネタ」が分かっているんだよね。
ある意味、リュー北條と通ずる部分がある。
所詮、商業出版は商業出版。個人の事情なんて構ってくれない。
なので、御園さんはヒントをくれる。
伝えたいことがあるならあなたが発信してみたら?
今はいろんな方法があるでしょ。
SNSとかブログとか。
そう。
訪問者が来るかどうかはSEO次第だけれど、自由に発信したかったら自分の発信源を持つしかないね。
心と心が触れ合った
貴司くん不在のデラシネの留守番までするようになった秋月さん。
貴司くん、短歌できました?
と訊ねる舞に、
まだです。
そういうのもプレッシャーになるんですよ。
たったの31文字やと思うかもしれませんけど、生み出すんはものすごく苦しいんです。
歌できたかっていちいち聞きに来られたら、先生もしんどいと思います。
と、あきれたように解説してくれる秋月さんである。
もう「私の先生」なのだから仕方ない。
短歌作るために必要なもん、何か分かります?
いえ…。
孤独です。
短歌をよう読んだらその作者がどんな人か分かるんですよね。姿やなくて心が。
梅津先生の短歌を読むってことは、先生の心に触れることで。
世の中にはギラギラした人間ばっかりやない、こんな優しい言葉をかけてくれる人がおるんや、って胸を打たれました。
そしたらつらいことも乗り越えられて……。
梅津先生の短歌は私のお守りなんです。
先生と私は同じぐらい深い孤独を抱えてるんやと思います。そやからお互いの言葉に癒やされる。
先生が私の原稿読んでええ歌やって言うてくれはった時……。心と心が触れ合った気ぃしたんです。
うわぁ……。もう、その思い入れというか、思い込みが恐い。
ツイートで よく見かけるで 存在しない 行間とやら 読む秋月 (字足らず #舞いあがれ
— くう (@kukucoo) February 15, 2023
うめづ に買い物に行ったりして、貴司くんの周辺を見てみれば、そんなに孤独な環境でもないと気づくと思うんだけど。
でも、まぁ……
本当に分からなくもないのよ。
大好きな作家や脚本の物語だと「無いかも知れない行間」を読んでしまったりするわけで……。
私も、その脚本家や監督の作品だというだけで、気持ち悪いラブレターのような感想をタラタラつい語ってしまう習性があるよね……つい最近も、気持ちの悪いレビューを書いたばかりだ(笑)
逆にいえば、カリスマ作家やアイドルは、そこまで入れ込んでくれるファンがいるから存在感を増していく。
「私だけが理解できる〇〇」になることで有名になっていくんだね。
舞は違う。
幼いころから見て来た、実物の貴司くんを知っている。
たくさんの言葉を「私の心と共鳴する言葉」……と解釈するのではなく、何も語らなくても一緒に星を見る。
ずっと一緒に居られる存在ってそういうものなのだろう。
あんな……歌集、出されへんかもしれん。
新しい歌、一個もでけへんねん。
何で短歌作ってんのか分からんようになってしもた。
貴司くんの古い歌を愛しているのもまた、妄想の貴司くんではなく実物の歴史を知っている舞だからこそ。
「星たちの 光あつめて 見えてきた この道をいく 明日の僕は」
貴司くんが初めて作った短歌や。
この歌、思い出すたんびにあの時の景色が目の前に広がんねん。
朝の砂浜でそばに貴司くんと久留美がおって……。あの朝の気持ち、貴司くんの歌で何べんでも思い出せんねん。
短歌にしたら一瞬が永遠になるんやんな?
私、貴司くんの短歌、好きやで。
理屈や手法ではなく、思い出に響く歌。
秋月さんには持てないものやな……。
でも、
秋月さんも言うてはった。
貴司君の短歌はお守りなんやって。
と、「秋月さん」を思い出させてあげるのが舞のヒロインらしいところ。
まぁ……この状況でどちらを選ぶかと言われたら、癒される方だけど。
舞いあがれ! キャストとスタッフ
キャスト
岩倉舞 – 福原遥(子役期:浅⽥芭路)
岩倉浩太 – 高橋克典
岩倉めぐみ – 永作博美
岩倉悠人 – 横山裕(子役期:海老塚幸穏)
才津祥子 – 高畑淳子
梅津貴司 – 赤楚衛二(子役期:齋藤絢永)
梅津勝 – 山口智充
梅津雪乃 – くわばたりえ
望月久留美 – 山下美月(子役期:大野さき)
望月佳晴 – 松尾諭
笠巻久之 – 古舘寛治
結城章 – 葵揚
古川輝海 – 中村靖日
山田紗江 – 大浦千佳
藤沢哲 – 榎田貴斗
相良康光 – 平田理
小森富雄 – 吉井基師
土屋景子 – 二宮星
八木巌 – 又吉直樹
津田道子 – たくませいこ
木戸豪 – 哀川翔
浦信吾 – 鈴木浩介
浦一太 – 若林元太(子役期:野原壱太)
森重朝陽 – 又野暁仁
森重美知留 – 辻本みず希
山中さくら – 長濱ねる
八神蓮太郎 – 中川大輔
八神圭子 – 羽野晶紀
秋月史子 – 八木莉可子
御園純 – 山口紗弥加
荒金正人 – 鶴見辰吾
テレビ司会者 – 浅越ゴエ
刈谷博文 – 高杉真宙
由良冬子 – 吉谷彩子
鶴田葵- 足立英
柏木弘明 – 目黒蓮
矢野倫子 – 山崎紘菜
中澤真一 – 濱正悟
吉田大誠 – 醍醐虎汰朗
水島祐樹 – 佐野弘樹
都築英二 – 阿南健治
大河内守 – 吉川晃司
語り – さだまさし
舞いあがれ! スタッフ
◆制作統括 : 熊野律時、管原浩
◆プロデューサー : 上杉忠嗣
◆演出 : 田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐
◆脚本 : 桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
◆音楽 : 富貴晴美
◆主題歌 : back number「アイラブユー」
『舞いあがれ!』各回リンク
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