全ての事件に公平でいるのは無理と航一さんは言う。
その厳しい顔つきや、杉田兄に「ごめんなさい」を繰り返していた姿を思い出すと、過去の裁判の判決にトラウマがあるのだろうな……とは思う。
兄・顕洙(許秀哲)の無実を訴える弟・広洙(成田瑛基)に、小野(堺小春)は思わず声をかける。小野にはかつて朝鮮人の恋人がいた。結婚しようとしたが、親の猛反対に遭い、別れさせられたらしい。改めて公平な目で事件を見ようと決める寅子(伊藤沙莉)。わかり合えない人とも諦めずに関係を深めようと踏み込んでいく寅子の姿を航一(岡田将生)は見守っていた…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」第87話
感想
入倉役の岡部ひろきさんは、実は寅子のお父さん役の岡部たかしさんの息子さんなのだね。
ちょっと開き直った感じがお父さんにソックリ(えっ、中の?外の?(笑))
関東大震災の話は『らんまん』でガッツリやったので、朝ドラではもう出てこないと思っていたけれど、出すんだなぁ……。
余計なお世話
裁判の翌日、杉田の次郎が寅子のもとへやって来る。
小野さんの謎は杉田弟の口から語られるという流れ。
小野のお嬢さんの話。
勉強熱心なのはええことらんだけど、あの放火事件の傍聴には来ん方がええ。まだ彼らと関わりがあんのかってご両親も心配なさるすけ。
彼ら?
朝鮮人の連中ですよ。
以前、誰かも言っていた「小野さんは結婚が駄目になった」話、小野さん自身が朝鮮の人なのかと思っていたけれど、そうではないらしい。
朝鮮の人と付き合っていて、ご両親が別れさせたのだとか。
時代的にはさもありなん。まぁ……割と近代まで海外の方との結婚話は反対する親が多かった。
彼女のためら。とにかく伝えてくだせえ。そせばまた。
と去っていく杉田弟。言いたきゃ自分の口で本人に伝えればいいのに、他人から伝えさせようとすることで噂を広める。最悪な手段ですね。
あんげなやつがいっちゃん腹立つ!
本気でよかれと思ってるこのクソジジイのおせっかいが!
眼鏡ジジイが…。
と怒る高瀬んくの頭から湯気が見える(笑) 望月歩くん、本当に上手いよぉ。
公開されている裁判を傍聴するもしないも小野さんの自由。人が口出しすることじゃないわ。
と、静かに語る寅子である。
寅子上げの時間
東京で説教されたのち、新潟に来てから、寅子は物静かになった……ように見える。
こと「差別」に関してことさら考えが深い人物として描かれている。
ライトハウスで食事をする航一さんを前に、寅子について語る涼子さまたちと稲さん。
今まではお店が終わると疲れ果てていたんですが、最近は涼子ちゃんも私も読書をしたり散歩をしたりできているんですよ。
はい。私、勝手に稲さんを派遣して失礼ではないの、と思っていましたが、寅子さんのおかげですよね。
昔からお優しいお嬢さんでしたから。
知らないうちに人にこう、寄り添ってしまうというか、相手もどんどん心が近づいてしまうというか。
ええ。
それを笑顔で聞いていて、「なるほど」とつぶやく航一さん。
みんなで影から寅子を推しているよね……。
朝鮮人の暴動
昨日も書いたけれど、入倉のキャラはちょっと裁判官の人格として問題がありすぎる。
本人は、仲間内(裁判官同士)だから良いじゃないかと思っているのかも知れないけれど、思い込みの激しい人格は人を公平に見る仕事に向かないよね。
こんな裁判官だったら冤罪事件が起きそう。
放火事件の公判中に、またも容疑者の弟が騒ぎ出し、退廷寸前の状態だった。
あの弟が怪しいんじゃないですか?
あんな騒ぐってことは何かあるとしか…。
と言い出す入倉。
入倉さん、臆測ですよ。
と諭す寅子に、
何事も「火の無い所に煙は立たず」ですよ。
と言い出す。
航一は、「なるほど」とつぶやいてから、関東大震災の時の朝鮮人虐殺事件について語り出した。
詳細は、もう『らんまん』レビューを読んで(爆)
差別が生まれる理由はさまざまです。
「火の無い所に煙は立たず」で終わらせるのか。それともその煙を上げたのは誰なのかを見極めるのか…。
一人で昼を食べるからと、ぷいと出て行ってしまう入倉。
なんだかなぁ……。まぁ新潟編は入倉成長期にもなるんだろうけれど。ならなかったら嫌だなぁ。
差別
ライトハウスに食事に行くと、涼子さまがガラスドアに書かれた「何か」を一生懸命消している。
もう何年も続いていることで…。
大体月に1度か2度くらいかしら。
と落ち着いた様子の涼子さま。
その頻度だと、もしかして警察は取り合ってくれなかったのでは?
おっしゃるとおりです。
よろしくないのですが。私たちもだんだんとこの嫌がらせに慣れてきてしまっていて。
新潟に来てすぐ涼子ちゃんは私のためにこの店と関係する多くの方とたくさん話し合いを重ねてくれたんです。
その話し合いを知らない人たちが私たちが贔屓されていると思ったようで…。
涼子ちゃんが店のご主人たちにその色目を使ったなんてうわさが流れたり。
しかし、月に1、2度って、そんな思い出したように時々する嫌がらせの意味が分からない。
それはもう、差別ベースの嫌がらせというよりイタズラでは……。
そもそもライトハウスには赤いミサンガも通っているし……ずばり、それでは。
戦争が終わって新しい憲法が出来て、全ての人が平等である正しい世の中になった……はずなのに。
今扱っている事件や玉ちゃんを取り巻くものは…。
私、ご一緒している裁判にふさわしくないかもしれません。
と悔しがる寅子に、航一は少し冷たい調子で言うのだった。
全ての事件に公平でいるなんて無理ですよ。
航一さん、「公平」に出来なかった何かの裁判について悔いている感じかな……。
寅子はまた人のトラウマをほじくり出すのだな……。
それで救われる人たちがいる世界だから、良いのだろうけれど……。
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
佐田(猪爪)寅子 – 伊藤沙莉
星航一 – 岡田将生
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
猪爪直人 – 琉人
猪爪直治 – 楠楓
佐田優未 – 毎田暖乃 ← 竹澤咲子(子役期 : 山中天喜→三上ひめな→斎藤羽結→金井晶)
佐田優三 – 仲野太賀
猪爪直道 – 上川周作
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑(汐見香子) – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
稲垣雄二 – 松川尚瑠輝
玉 – 羽瀬川なぎ
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
汐見圭 – 平埜生成
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
杉田太郎 – 高橋克実
杉田次郎 – 田口浩正
高瀬雄三郎 – 望月歩
深田仁助 – 遠山俊也
小野知子 – 堺小春
入倉 – 岡部ひろき
森口美佐江 – 片岡凜
穂高重親 – 小林薫
星朋彦 – 平田満
星百合 – 余貴美子
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
稲 – 田中真弓
壇 – ドンペイ
浦野 – 野添義弘
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
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