やはり、すごい脚本だ。
「こうなって欲しい」と思っていたことも、「こうならないで欲しい」と思っていたことも、想定を超えていく。
いやいや、継ぐとが継がねえとがじゃねえんだ。
いや、それも大事なんだげど…。
やってみだがったんだよ。漁師。ずっと。。
それならいいさ。
義務感や罪悪感や脅迫感や……そんなものでなければ、いいさ。
新次(浅野忠信)と亮(永瀬廉)が帰った後、永浦家で家族会議が開かれる。新次の姿を見て、背中を押された耕治(内野聖陽)は、もう一度「海の仕事を継ぎたい」という気持ちを皆に伝える。百音(清原果耶)、亜哉子(鈴木京香)、未知(蒔田彩珠)たちが見守る中、改めて龍己(藤竜也)に頭を下げる耕治。やがて龍己の心が動き始めて…
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「おかえりモネ」第23週「大人たちの決着」第114話
感想
耕治の「耕」は耕す。「治」は治める。土地を耕し、水を治める。
何があっても自分の力でふんばれる、そういう人になってもらいだくて付けだ名前なのよ。
耕す場所は何処でもいいんだよね。
今、新しい仕事へと開拓しようとしている耕治。
継ぐとか継がねえとか
地元を離れた長男は親が老いれば必ず直面すると思う。
自分が継いでいない罪悪感。
息子が都内でどんなに出世していようが帰って来て継げという親も、50過ぎても今から帰って来て漁師をやれ、とか地域ぐるみで言う親もいますからね(実話…(爆))
永浦家のような家はファンタジーだよ。
もっとも、このドラマではそこもちゃんと語られているけれど。
住めなくなる土地(過疎も含め)を捨ててもいいのか。なぜ人はそこに住み続けるのか。
そこに1本の木があるからだ、と。
木があれば人はそこにまた住もうとすると。
登米の姫と同じようなことを耕治もまた言っている。
銀行員として島のたくさんの場所を周り、災害に負けて家業を畳もうと思っている人をたくさん見た。
でも、そんな中で龍己さんがくじけていないから、自分たちも頑張ろうという人がたくさんいたと。
おやじ、すげえよ。
多分、おやじみでえな人がほがにもいっぱいいで、だがらこの町はこごまでになったんだ。
そういう人は大事だ。
そういう場所が世の中には必要なんだ。
龍己さんは、島の人たちにとっての1本の木。
親を尊敬しているからこそ継ぎたいと耕治は言うのだった。
どうせ畳むんなら俺にくれ!
まぁいいか……
個人的には、耕治には罪悪感から家に縛られて欲しくなかった。
龍己さんが、せっかく「継がなくても良い」と言ってくれているのだから、解放されようよ……、と、つい思ってしまうのは、私自身が「家」に縛られているような気がしているからかもしれない。
でも、話を聞いていて、それが耕治の「自由」ならば別にいいかと思えた。
継ぐとか継がないとかではなくて、やりたいからやる。
と言いつつ、
そういう場所が世の中には必要なんだ。
だがら永浦水産、こごはなぐしちゃ駄目なんだよ。
というセリフは、やはり「継ぐ」だよな……と思ったりもするけれど。
子どもは娘2人。
ここで継いでしまったら、娘の子どもの代までまたこういう「継がなくて後ろめたい」案件を引きずることになるかも知れない。
耕治は銀行員だったわけだし、同じように出来ない覚悟でやるのなら、以前も書いたように「家族ではなく、他人」を入れてほしいな。
「経営」という立場で関われば良いのでは。
正直、それだと、龍己さんのような1本の柱になれる気はしないけれど。
まぁ、時代が変われば形態も変わる。人の心も変わる。方法も変わる。
同じ牡蠣にはならなくても、上手く行けばいいよね……。
案外近く
永浦水産の話は、こんな形で納まってしまって、まぁ、いいか……(家族の問題なので、あんたらがいいなら、それでいいわ)という感じだだけれど。
冒頭、新次さんに掛けた龍己さんの言葉が最高だったので、やはりこの人、素敵な人だわ、と思うのだった。
新次。
うちの雅代だげどな。
もう「あそご」に収まっと、案外近ぐに感じでよ。
いろんなごど話せだりすんだよ。
寂しいごだあねえよ。
と、仏壇を示す。
死を認めてしまえば、死んだ人の魂も自由になる。
かも知れない。
こういう話を聞くたび、私は『デート』の依子を思い出すの。
万物はすべて粒子によってできているのよ。
つまり死とはその人を形つくっていた粒子が気体という姿に変形することに過ぎない。
お母さんの粒子は存在し続けるわ。
お母さんはここやそこに居続ける。
他所のドラマのセリフだけれど……(笑)
美波さんはもはや、そこここに在る存在になった。
新次さんも、りょーちんも、いつも一緒にいるのだと実感できる日が来てくれるといいな。
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【おかえりモネ】
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※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
キャスト
永浦百音 – 清原果耶
永浦耕治 – 内野聖陽
永浦亜哉子 – 鈴木京香
永浦未知 – 蒔田彩珠
永浦龍己 – 藤竜也
永浦雅代 – 竹下景子
及川亮 – 永瀬廉
野村明日美 – 恒松祐里
後藤三生 – 前田航基
早坂悠人 – 髙田彪我
及川新次 – 浅野忠信
新田サヤカ – 夏木マリ
菅波光太朗 – 坂口健太郎
佐々木翔洋 – 浜野謙太
川久保博史 – でんでん
田中和久 – 塚本晋也
中村信弘 – 平山祐介
朝岡覚 – 西島秀俊
神野マリアンナ莉子 – 今田美桜
内田衛 – 清水尋也
野坂碧 – 森田望智
安西和将 – 井上順
沢渡公平 – 玉置玲央
高村沙都子 – 高岡早紀
井上菜津 – マイコ
鮫島祐希 – 菅原小春
語り… 竹下景子
スタッフ
◆制作統括 : 吉永証、須崎岳
◆プロデューサー : 上田明子
◆演出 : 一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子
◆脚本 : 安達奈緒子
◆音楽 : 高木正勝
◆主題歌 : BUMP OF CHICKEN「なないろ」