ただ、木が一本倒れただけで泣いている自分がいる……。これは何なん……。
バックハグどころか肩に手を置くことすらできず、自分の手を制する。この奥ゆかしさは何なん……。
心、揺さぶられまくる。
登米の人びとに見守られ、ついに樹齢300年のヒバの木が伐採される。そして未定だった木の保管場所についても、百音(清原果耶)があることを思いつく。サヤカ(夏木マリ)は、そんな百音の仕事ぶりをほめるとともに、自分に気を使わず、夢があるのならそちらへ進んでほしいと伝えるのだった。2人の様子を見ていた菅波(坂口健太郎)も、百音を後押しするが、百音は自分がサヤカに合格を伝えられなかった理由を菅波に語りだす……
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「おかえりモネ」第9週「雨のち旅立ち」第43話
感想
自分が姫の跡継ぎとして期待されているから、合格を告げられなかった。……という、おこがましい話ではなかったんだね。
自分がいない間に「何か」失うトラウマ。
それがストップをかけているんだね。
姫のヒバ
夏木マリさんの静かな表情の変化の揺れに魅入る。
樹齢300年の木の最期。
伴侶の最期に付き添い見守り切ったような清々しさと、寂しさと。気高さと。
ヒバのシーンに様々な思いが凝縮されていて、ただただ泣けた。
300年のヒバの歴史が終わる……。
50年後
私、今一つお願いしてるところがあって。
と、百音が広げたのはハザードマップ。
このハザードマップにつけた丸印はこの町に残っている木蔵の位置です。
木蔵って、あの水害に備えた蔵ね。翔洋さんちにもある。
災害に向けて備蓄するための蔵なのだから、当然、災害のある地域に多い。
でも、この木蔵のある場所を見てたら過去数百年 浸水被害にも土砂災害にも全く遭っていない場所があるごどに気付いたんです。
よねま神社。
そこには、神輿を入れておく倉庫があるという。
話は永浦さんがら聞いでましたげど、それだげ大切なものを50年って言われっと……。
分かります。
でもサヤカさんも言ってました。
別に能舞台の柱にしなくたっていい。
50年後、100年後、誰かの役に立てばいいって。
そういう、私たちのためにって残しておいてくれたものがこの土地のどこかにある。
そういうのいいな、安心するなって思うんです。
神社自体もそういう存在だよね。
土地の歴史と人々を見守り。
信仰心があろうがなかろうが、手を合わせることで安心する。
50年後、この神社が存在しなくても。
ただ置いておいてくれればいいという願いは聞き届けられた。
バガにしないでね
「バガにしないでね」は、きつい言葉だけれど、こうでも言ってやらないと動かないだろうと思ったんだろうな。
私に同情した?
70手前で何の因果がずっと独りぼっちで。お金持ぢがど思ったらもうそうでもない。
そんなばあさんをほっとげないどでも思った?
バガにしないでね。
でも……
そういう部分もあっただろうな。
放っておけない。
しかし、百音の考えは、もっと暗い所に根付いていた。
私が居ない間に
永浦さんがうそをついた気持ちは分かります。多分、サヤカさんも分かってる。
でも…一緒に喜びたかったと思いますよ。
今日も、語り口も内容も優しさと賢さでで溢れる菅波先生である。
私が、怖くなりました。
私が自分の夢を追って離れてしまっている間に、また……大切な人が何か……つらい目に遭ったらって。
それで怖くなりました。
百音が「あの時」あの場から逃れていたことを、百音は体験しないで済んで良かった、と心から言ってくれる人はたぶん居なかったし。
そんな気遣いができる状況のはずもない。
自分以外のみんなが恐怖を体験し、自分は居なかった。
また、自分がいない間に……。
と、トラウマは覆いかぶさってくる。
サヤカさんと話をしてみたらどうですか?
菅波先生は、変な慰めは言わず。
変に声を荒げることも、それこそ同情する言葉も吐かず、ただ、サヤカさんと理解し合ってここを出発することを薦めてくれる。
そうね。
例え表面上でも、誤解したままさせたまま、去っていくのは良くない。
サヤカさんは今、本当に孤独と向き合っているのだから。
……そして、これに尽きるよね……
肩に手すら置けず、自分の手を自分でそっと制する菅波せんせい……バックハグより壁ドンより萌えるやろ。ラブコメとかホイホイ量産しているスタッフは見てくれ!!これを #おかえりモネ
— くう (@kukucoo) July 14, 2021
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【おかえりモネ】
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※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
キャスト
永浦百音 – 清原果耶
永浦耕治 – 内野聖陽
永浦亜哉子 – 鈴木京香
永浦未知 – 蒔田彩珠
永浦龍己 – 藤竜也
永浦雅代 – 竹下景子
及川亮 – 永瀬廉
野村明日美 – 恒松祐里
後藤三生 – 前田航基
早坂悠人 – 髙田彪我
及川新次 – 浅野忠信
新田サヤカ – 夏木マリ
菅波光太朗 – 坂口健太郎
佐々木翔洋 – 浜野謙太
川久保博史 – でんでん
田中和久 – 塚本晋也
中村信弘 – 平山祐介
朝岡覚 – 西島秀俊
神野マリアンナ莉子 – 今田美桜
内田衛 – 清水尋也
野坂碧 – 森田望智
安西和将 – 井上順
沢渡公平 – 玉置玲央
高村沙都子 – 高岡早紀
井上菜津 – マイコ
鮫島祐希 – 菅原小春
語り… 竹下景子
スタッフ
◆制作統括 : 吉永証、須崎岳
◆プロデューサー : 上田明子
◆演出 : 一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子
◆脚本 : 安達奈緒子
◆音楽 : 高木正勝
◆主題歌 : BUMP OF CHICKEN「なないろ」