るい。
るい……。
お母さん、あれから何べんも考えたんよ。何でこねえなことになってしもうたんじゃろうって。
森山良子さんの語りを涙しながら聞き…。
でも、ポカンとしている自分がいることは……
否めないヨネ……。
錠一郎(オダギリジョー)とるい(深津絵里)が控室で準備を進める中、ひなた(川栄李奈)は弟の桃太郎(青木柚)と一緒に、ラジオでアニー・ヒラカワ(森山良子)のインタビュー番組を聴くことに。磯村吟(浜村淳)からの質問に通訳を介して英語で答えていたアニーですが、途中から突然日本語を話し始め……
(『カムカムエヴリバディ』上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第23週「2003−2025」第109話
感想
アバンでもう涙である。
「あの人たち、今頃どうしているかなぁ」
「戦後、安子を助けて、ラジオを聞かせてくれたあの家は……」
と、思っていた人の娘が元気で関わってくれるのは嬉しい。
NHKの小川さんのお父さんは、家族で「カムカム英語」を聞いて育ったそうです。
— 朝ドラ「カムカムエヴリバディ」#カムカム (@asadora_bk_nhk) April 5, 2022
「どこかの子連れのお母さんと一緒に」
あっ…!#紺野まひる #朝ドラ #カムカムエヴリバディ #カムカム pic.twitter.com/LgyQluNI1i
AnnieはAnnko??
ラジオ出演中、突然日本語で喋りだしたアニーである。
えっ、待って……「1925年、シアトルに生まれた日系のアメリカ人」というのは……
設定??
「シアトルのワシントン州立大学で演劇を専攻してはったそうですね」
「Yes.That was a long time ago though.」
「はい。遠い昔の話ですけど」
「日本ではね、初代モモケンの「黍之丞」シリーズ第2作「棗黍之丞 仁義剣」が公開されてんですよ」
「アニーさん、ご覧になりましたか?この映画」
「1939年。昭和14年に私は『棗黍之丞 仁義剣』を見ました」
アニーさん、何で日本語?
「後に夫になる人と」
「え……アニーさんのご主人といいますと、戦後シアトルの大学で教べんをとられていた……。」
視聴者も「え」だよ……。
「大阪の映画館でした。」
もう二度と会わない覚悟で彼に会いに行きました。
やがて私たちは結婚しました。ひとつきも経たないうちに彼は出征しました。娘を授かったことも知らずに。彼は帰ってきませんでした。遠い海に行ったきり戻りませんでした。
私は娘を連れて家を出ました。貧しくて苦労もしましたけれど、幸せでした。あの日……娘の顔に傷をつけてしまうまでは。
私は娘を連れて夫の実家に戻りました。でも歯車は狂ったきり止まりませんでした。
家業だったお菓子屋を再建したい。義父の財力に頼らず娘の傷を治してやりたい。
若かった私は自分の気持ちばかりで大切なことを見失っていました。幼い娘の胸の内を本当には分かっていませんでした。
るい。
るい……。
お母さんあれから何べんも考えたんよ。何でこねえなことになってしもうたんじゃろうって。
私ゃあただるいと2人当たりめえの暮らしがしたかっただけじゃのに…。
じゃけど私ゃあもう向き合うことができなんだ。ただ消えてしまいてえと思うた。るいの前から消えることがるいにしてやれるたった一つの詫び方で、そして祈り方じゃあ。そねえ思うた。
るい。るい……。
「おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。おいしゅうなれおいしゅう……。
突然始まったあんこの呪文にびっくりして、慌てて音楽を差し挟むラジオ局。
それは……そうなるよね……。
詐称や
森山良子さんの語りがあまりに上手いので、すっかり涙しながら聞いている自分と、え、待って、「シアトルで生まれた日系人って?」という自分とが混在しています。
つまり、これは詐称であり、アニーは自分の今のキャリアをすべて捨てる覚悟で告白したんだよね?
って、良く考えればそうだけれど、こんな大騒ぎにしないで本人に話してほしいんだけど……と思うと、お騒がせ体質は若いころから変わっていないとも言える……そういう意味では、安子だよね、確かに。
いや、待て。
まだ取り憑かれている可能性がもある!!
(……ない?)
キャストとスタッフ
キャスト
橘安子(雉真安子) – 上白石萌音(子役期 : 網本唯舞葵)
大月るい(雉真るい) – 深津絵里 (子役期: 古川凛)
大月ひなた – 川栄李奈 (子役期 : 新津ちせ)
大月錠一郎 – オダギリジョー
大月桃太郎 – 青木柚(子役期: 野﨑春)
五十嵐文四郎 – 本郷奏多
桃山剣之介 – 尾上菊之助
伴虚無蔵 – 松重豊
榊原誠 – 平埜生成
美咲すみれ – 安達祐実
野田一恵 – 三浦透子(子役期:清水美怜)
野田一子 – 市川実日子
藤井小夜子 – 新川優愛(子役期:竹野谷咲)
赤螺清子 – 宮嶋麻衣 → 松原智恵子
赤螺吉右衛門 – 中川聖一朗(堀部圭亮)
赤螺初美 – 宮嶋麻衣
赤螺吉之丞 – 徳永ゆうき(子役期:石坂大志)
破天荒将軍 – 徳重聡
武者蘭丸 – 青木崇高
橘金太 – 甲本雅裕
橘小しず – 西田尚美
橘算太 – 濱田岳
橘杵太 – 鷲尾真知子
雉真千吉 – 段田安則
雉真美都里 – YOU
雉真稔 – 松村北斗
雉真勇 – 村上虹郎 → 目黒祐樹
雉真雪衣 – 岡田結実 → 多岐川裕美
村野タミ – 西川かの子
水田きぬ – 小野花梨
水田卯平 – 浅越ゴエ
水田花子 – 小牧芽美
水田力 – 小林よしひさ
赤螺吉兵衛 – 堀部圭亮
柳沢定一 – 世良公則
柳沢健一 – 前野朋哉 → 世良公則
柳沢慎一 – 前野朋哉
平川唯一 – さだまさし
ロバート・ローズウッド – 村雨辰剛
小川澄子 – 紺野まひる
こわもての田中 – 徳井優
小椋くま – 若井みどり
村野タミ – 西川かの子
神田猛 – 武井壮
トミー(北沢富夫) – 早乙女太一
竹村平助 – 村田雄浩
竹村和子 – 濱田マリ
片桐春彦 – 風間俊介
笹川奈々 – 佐々木希
木暮洋輔 – 近藤芳正
西山太 – 笑福亭笑瓶
磯村吟 – 浜村淳
エンタツ – 中川剛
アチャコ – 中川礼二
語り – 城田優
スタッフ
◆制作統括 : 堀之内礼二郎、櫻井賢
◆プロデューサー : 葛西勇也、橋本果奈、
齋藤明日香
◆演出 : 安達もじり、橋爪紳一朗、
松岡一史
◆脚本 : 藤本有紀
◆音楽 : 金子隆博
◆主題歌 : AI「アルデバラン」
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