昨日の『カムカムエヴリバディ31回』感想にも書いたけれど、美都里さんは息子たちを愛し、雉真家を守るという奥の仕事を果たしてきた。
息子たちにとっても千吉さんにとっても、ちょっと我が儘で可愛いお母さん。
るいのことも精一杯愛してくれた。
無用な意地悪をする人ではなかった。
安子(上白石萌音)が作った、たちばなの味を引き継いだおはぎを食べた算太(濱田岳)は、とある決意を固めます。その頃、雉真繊維では、勇(村上虹郎)の提案で野球部を作る話が上がっていました。当初は千吉(段田安則)をはじめとした周囲の反対がありましたが、次第に野球のチームワークが社内の空気を変えはじめ、売上げにも変化が起きていき…。そしてある日、再び安子の前にロバート(村雨辰剛)が現れ……
(『カムカムエヴリバディ』上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第7週「1948−1951」第32話
感想
安子が作った おはぎを「美味しい」と言って食べ、行商に行く安子を咎めることもない。
雉真家の人たちは安子のおはぎ行商について視聴者よりも寛容だったんだなぁ。
「るいの傷の治療代を払う」という当初の目的が今はどうなっているのか分からないけれど。
おいしゅうな~れ おいしゅうな~れ
美都里さんに頭を下げる安子。
お義母様。
兄のこと、ありがとうございました。
あねん素直な兄を生まれて初めて見ました。
美都里さんは穏やかに
私は何もしとらんよ。
と言った。
るいを預けておはぎ売りに出かける。
行ってらっしゃい!
るいは元気に安子を送り出す。
子どもが母と別れるのを嫌がらないのは、残される場所に安心しているから。
美都里さんに るいがいかに愛され懐いているのか、よく分かるシーン。
るいのお父さんもおはぎが好きじゃった。
本当?
本当じゃ。
大学予科の初めての夏休みにおはぎゅう買うてきてくれたんじゃ。
大阪で買いそびれたから朝丘町の「たちばな」いうお店で買うてきたよ言うて……。
そうね。
あれは安子と稔さんが初めて会った日だった。
家への手土産に。
稔さんはそう言った。
親に必ず何か買って帰るような息子だった。
「稔が買うてきてくれたんよ」
美都里さんはそう言って嬉しそうに勇くんに食べさせた。
雉真家の食卓は橘家のように賑やかではなかったけれど、穏やかな食卓だった。
良い両親と良き息子たちが揃った良い家だった。
戦争さえなければ……。
でも、今は
おいしゅうな~れ おいしゅうな~れ おいしゅうな~れ おいしゅうな~れ……
と背中を撫でてくれる優しい孫がいる。
稔さんの置き土産。
雉真繊維の野球部
雉真繊維を立て直す案として勇が出したのは「野球部」だった。
今はどねんしたら社員一丸となって繊維業界の苦境を乗り越えられるかいう話をしょおるんじゃ。野球はチームワークじゃ。会社もチームワークじゃ。
難しい局面も力ぁ合わせて乗り越えていく。
その精神を野球で鍛えてどねえな試練があろうとくじけんそねん体質の会社にしていくべきじゃ。
父さん。
わしゃあ兄さんのようにはなれん。
わしのやり方でしか雉真の後継ぎにはなれんのんじゃ。
そうね。
戦後はみんなそうやって、一丸となって、くじけぬように会社を、社会を立て直してきた。
今、私たちは先人がそうやって立て直してきた日本の上に暮らしている。
勇くんの考えは全く的外れではなく。
実業団も社会をみんなで応援し、立て直していく計画の一端だったに違いない。
今はもう、千吉さんも勇の才能を応援している。
たぶん、中学の間は夫婦そろって観に行ったことはないだろう試合を2人並んで応援する姿が微笑ましい。
緩やかにじゃが近頃売り上げが伸びとるんじゃ。
稔が死んで野球しかしたことのねえ勇を後継ぎにして、一時はどねんなることか思うたが……大したやつじゃ。
今更、何を言よんでえ。
当たり前じゃろう。
私が産んだ子なんじゃから。
自慢の息子じゃ。
稔も勇も。
それから1年足らず。
美都里さんは稔さんの元へ旅立ったという。
英語をやめない
次のクリスマス。
安子は偶然ロバートに出会い、アメリカ軍が岡山から撤退することを知る。
英語の勉強、これからも続けてください。
きっとあなたをどこか思いも寄らない場所まで連れていってくれますよ。
長い長い戦争の終わり。
結局、ここまでの間に るいの祖母は両方いなくなってしまった。
るい編が始まった時、「おばあちゃん」は居ないのね。
戦争が家族を奪って行った。
残された財産は、子どもたち。
吉右衛門ちゃんはどうしているのかなぁ……と、ふと考える。
美都里さん。
安らかに。
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
キャストとスタッフ
キャスト
橘安子 – 上白石萌音
雉真るい – 深津絵里
ひなた – 川栄李奈
橘金太 – 甲本雅裕
橘小しず – 西田尚美
橘算太 – 濱田岳
橘杵太 – 鷲尾真知子
雉真千吉 – 段田安則
雉真美都里 – YOU
雉真稔 – 松村北斗
雉真勇 – 村上虹郎
村野タミ – 西川かの子
雪衣 – 岡田結実
水田きぬ – 小野花梨
水田卯平 – 浅越ゴエ
水田花子 – 小牧芽美
水田力 – 小林よしひさ
赤螺吉兵衛 – 堀部圭亮
赤螺清子 – 宮嶋麻衣
赤螺吉右衛門 – 中川聖一朗
柳沢定一 – 世良公則
柳沢健一 – 前野朋哉
平川唯一 – さだまさし
ロバート・ローズウッド – 村雨辰剛
小川澄子 – 紺野まひる
こわもての田中 – 徳井優
小椋くま – 若井みどり
村野タミ – 西川かの子
神田猛 – 武井壮
大月錠一郎 – オダギリジョー
女子大生 – 市川実日子
トミー – 早乙女太一
竹村平助 – 村田雄浩
竹村和子 – 濱田マリ
片桐春彦 – 風間俊介
笹川奈々 – 佐々木希
木暮洋輔 – 近藤芳正
西山太 – 笑福亭笑瓶
磯村吟 – 浜村淳
エンタツ – 中川剛
アチャコ – 中川礼二
桃山剣之介 – 尾上菊之助
語り – 城田優
スタッフ
◆制作統括 : 堀之内礼二郎、櫻井賢
◆プロデューサー : 葛西勇也、橋本果奈、
齋藤明日香
◆演出 : 安達もじり、橋爪紳一朗、
松岡一史
◆脚本 : 藤本有紀
◆音楽 : 金子隆博
◆主題歌 : AI「アルデバラン」
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