NHK朝ドラ【カムカムエヴリバディ】第12回 (第3週 火曜日) 感想

分かっとったはずじゃのに夢を見てしまいました。


長うて甘え夢を見続けてしまいました。

つらい……

雉真家に配達に来た安子(上白石萌音)は、美都里(YOU)から「二度と稔(松村北斗)に近づくな」と厳しい言葉を浴びせられます。注文の品も受け取ってもらえず、代金だけを押しつけられる始末。そんな美都里の屈辱的な態度を知った稔は、千吉(段田安則)と美都里の前で強く怒りをあらわにし、安子とは将来を見据えた真剣な交際をしているのだと訴えます。一方、安子は自分の立場を考え、稔のことを忘れようとしますが……

(『カムカムエヴリバディ』上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
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連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第3週「1942−1943」第12話

NHK朝ドラ【カムカムエヴリバディ】感想

感想

 Yasuko’s little dream sadly faded away……

稔と一緒にひなたの道を歩いていきたい。

安子の夢は儚くついえました。

えっ……ついえてしまうの……。

なんだかラストのナレを聞いて安子の様子を見ていたら、もしかしたら2人は本当にこのまま別れてしまうのかも知れないと思えてきた。

だとしたら、開始前予告で安子が連れていたあの子どもは誰の子どもなのだろう。

現在全く出てきていない結婚相手の子どもの可能性も……えっ、そんなのヤダ。

小せえ店の娘

注文を頂き、稔さんからの呼び出しに違いないとウキウキと届けに行き、稔さんでも女中さんでもなく「お母さま」と対面。

ぎゃんぎゃん怒鳴られるのでも、叩かれるのでもなく、ただ静かに「小っせぇ店の娘」であることを冷たく蔑まれる。

主人がよう注文するでしょう。

はい。ごひいきにしていただいとります。


いつごろからじゃったかしらと考えよったの。


だって不思議でしょう?
雉真の社長ともあろう主人が、よりによって小せえ商店街の小せえ店で。

にこりともせず。憎しみと蔑みをぶつけてくる。こういうのが一番怖い。

それで思い出したんよ。
あれは、上の息子が大阪の大学予科に入った年……。


初めて帰省した時に手土産に買うてきてくれたの。


その時なんじゃね。
その時、稔を知ったんじゃね。

母のカンというよりも、もうモンスターファンの勘。


それは持って帰ってちょうだい。
お代は払うわ。
暮らしの足しにしてちょうだい。

奥様はこうして庶民を馬鹿にしよるのね。


ま……待ってください!


二度と稔に近づかないで。

YOUさん、お見事でございます。

このお母さんは、きっととても可愛い人だったんだろうなぁ、と想像する。

いいお家のお嬢さんで、親に言われるままに雉真に嫁いで、男子を2人も産んだ。

家族の中で女一人だから、女中たちを従えて奥を切り盛りしながら優しい旦那さまや息子たちの姫のように扱われてきた。

今、生まれて初めて、思い通りにならないことが起きているのである。

この時代だし、別に「子離れする」発想はない。出来がいいイケメン長男とは死ぬまで一緒に生きていくのである。

たぶん、とても良いお家の嫁ですら、このお義母さんには苦労するだろう。

ましてや、小せえ店の娘では……。

私だったら、この時点で、もう引くわ……。こんな目に遭って、このお母さんとはやっていけない。

雉真の父は正しかった

ナイスすぎるお友達、きぬちゃんのおかげで、事の経過を知った稔さん。

帰宅して母に詰め寄る。

どういうつもりかと聞いてるんです!
僕に黙って彼女を呼び出して、こねんもの手切れ金みたいに渡すなんて卑怯じゃありませんか!

あの子はお金目当てなんよ。


彼女を……侮辱するな!

ここまでは、稔さんも頑張ったのである。

お母さんがやったことは、確かにただの いけずなので。

しかし、帰宅したお父さんは、とても正しい社会人だった。

正しい大人だし。正しい見識だし。稔さんの父だけあって頭も良い。

こういう「つまらんこと」をするんじゃねえ。

と、母の事もきちんと窘める。

そして……

稔は自分が若輩者のボンボンであることを知るのである。


そこまで言うんならおめえの好きにしたらええ。
そのかわり家を出え。
雉真の名を捨てて、あの菓子屋の婿になりゃあええ。

それだよね。

稔さんは「何とかする」と言っていたが、橘の方からだって「跡継ぎが安子しかいないこと」は、あの時に伝えられていたのである。

稔さんは安子とどうしても一緒になるなら、初めから雉真を捨てて橘に入る覚悟が必要だった。

それについては何も考えていなかったのよね。


ええか。菓子屋じゃろうが服屋じゃろうが、商いは大学の勉強でどねんかなるもんじゃねえ。

まして、今は戦争中じゃ。
ちょっと気ぃ抜いたら隙ゅう見せたらたちまち潰されてしまう。そういう時勢じゃ。


雉真の長男としてぬくぬく育ってきたおめえの手に負えることじゃねえ。


今のおめえにできるんは、せいぜい親の言うことを聞いて会社の益になるおなごと婚約することぐれえじゃ。


そうしたらいずれ戦争が終わった時、おめえが好きなように商いするだけの財産を残してやれるんじゃ。

何も言い返せない。

稔さんは自分が金に恵まれ親の力でぬくぬくと生きてきたことを理解したのである。

お母さんのやり方と違い、安子を貶めることなく、息子の未熟っぷりをきちんと諭す。

普段は甘やかせているけれど、いざとなったら妻にも息子にもきちんと伝える。雉真はきちんとした家だった。

そして引導渡される。


分かったら世迷言を言うとらんときっぱりと別れてけえ。

長うて甘え夢を見た

それでも、橘の父に促され、

時間はかかるかもしれんけど、戦争が終わったら……大学卒業したら……きっと…。

と言う稔さん。

でも、もうその語り方に夢も希望もないことは、安子にも分かってしまったんだね。

(恐いお義母さんにも会ったし……)

ありがとうございます。
うれしいです。
じゃけど……。


間違うとったんです。最初から。
分かっとったはずじゃのに夢を見てしまいました。

長うて甘え夢を見続けてしまいました。

初めて会った時は、美味しい餡子の話であんなに笑顔になれたのに。

英会話を教わり。自転車を教わり。

恋を知った。


ラジオの講座がのうなったら、覚えた英語、忘れてしもうた。

稔さんのこともきっと忘れられます。

つらい……。

しかし……稔さんも安子も三世代100年の物語の一部なんだよね。

この恋が100年の歴史にどう関わってくるかはまだ分からない。

もしかしたら、この2人の歴史はここで終わってしまい、後の時代に繋がってくる。ということもあるのかも。

実ってほしいけれど。

※朝ドラレビューは基本的に簡単感想で。
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
…テンプレだす…。

キャストとスタッフ

キャスト

橘安子 – 上白石萌音
雉真るい – 深津絵里
ひなた – 川栄李奈

橘金太 – 甲本雅裕
橘小しず – 西田尚美
橘算太 – 濱田岳
橘杵太 – 鷲尾真知子

雉真千吉 – 段田安則
雉真美都里 – YOU
雉真稔 – 松村北斗
雉真勇 – 村上虹郎

村野タミ – 西川かの子
雪衣 – 岡田結実

水田きぬ – 小野花梨
水田卯平 – 浅越ゴエ
水田花子 – 小牧芽美
赤螺吉兵衛 – 堀部圭亮
赤螺清子 – 宮嶋麻衣
赤螺吉右衛門 – 中川聖一朗
柳沢定一 – 世良公則
柳沢健一 – 前野朋哉

平川唯一 – さだまさし
ロバート・ローズウッド – 村雨辰剛
小川澄子 – 紺野まひる
こわもての田中 – 徳井優
小椋くま – 若井みどり
村野タミ – 西川かの子
神田猛 – 武井壮

大月錠一郎 – オダギリジョー
女子大生 – 市川実日子
トミー – 早乙女太一
竹村平助 – 村田雄浩
竹村和子 – 濱田マリ
片桐春彦 – 風間俊介
笹川奈々 – 佐々木希
木暮洋輔 – 近藤芳正
西山太 – 笑福亭笑瓶
磯村吟 – 浜村淳
エンタツ – 中川剛
アチャコ – 中川礼二

桃山剣之介 – 尾上菊之助

語り – 城田優

スタッフ

◆制作統括 : 堀之内礼二郎、櫻井賢
◆プロデューサー : 葛西勇也、橋本果奈、
齋藤明日香
◆演出 : 安達もじり、橋爪紳一朗、
松岡一史
◆脚本 : 藤本有紀
◆音楽 : 金子隆博
◆主題歌 : AI「アルデバラン」


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