NHK朝ドラ【カムカムエヴリバディ】第17回 (第4週 火曜日) 感想

「ネタバレをすでに読んでしまっている」

と、以前書いた通り。

おばあちゃんと小しずさんの行く末は、だいぶ前から知っていた。

けれども、凄いドラマというのは視聴前の想像を超えてくる。

1945(昭和20)年。安子(上白石萌音)は赤子のるいを連れて橘家に帰り、久々にひさ(鷲尾真知子)や金太(甲本雅裕)、小しず(西田尚美)たちと思い出話に花を咲かせ、あたたかな時間を過ごしていました。しかしその頃、戦況は悪化の一途をたどり、B29による爆撃は東京、大阪と次々に市街地を襲っていました。そしてとうとう岡山でも空襲が始まりました。安子はるいをおぶって、焼夷(い)弾が降る中を必死に逃げ惑い……

(『カムカムエヴリバディ』上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
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連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第4週「1943−1945」第17話

NHK朝ドラ【カムカムエヴリバディ】感想

感想

よく、大河ドラマなど歴史物語の中の人たちが非業の死を遂げている姿を見て、

この人たちは何十年も何百年も前の人たち。

ここで死ななくてもどうせ今の時代には存在していない。

だから仕方ないんだ。

と、思いながら無理やりあきらめたりする。

今日の話もそういう話だった。

この人たちは76年前の人たち……。

愛に包まれる るい

安子は時々は実家へ帰らせてもらっている様子。

そうじゃ。小しずさんと2人でよだれ掛けやらおしめやら、また少しずつ縫いためとったんじゃった。

持ってきたぎょうねえ。るいちゃん。

るいちゃんにお汁粉の上澄みを飲ませ、ニコニコ嬉しそうなおばあちゃん。

本当に……

赤ちゃんのいる風景は何もかも浄化する。

伴侶を亡くした寂しさも。

店が廃れていく様も。

孫が出征した不安も……。

安子が生まれたんは、朝ちょうど9時半じゃった。

すぐにおじいちゃんと職人さんらで紅白まんじゅう作っておばあちゃんが羽織着てご近所さんに配って…。

次々お祝ゆう持ってきてくれた商店街の皆さんをおじいちゃんが無理やり引っ張り上げてお酒ょお飲んで。
大騒ぎして、とうとうおばあちゃんに怒鳴られとった。

ホンマに 幸せな一日じゃった。

金太じいちゃんも工場動員の昼休みにわざわざ家に帰ってきて。るいちゃんを囲んだこの幸せな風景が幸せであればあるほど……。

この後の残酷さが際立つ。

岡山空襲

昭和20(1945)年6月29日未明、岡山市上空に現れたB29は、寝静まる街をめがけて無数の焼夷弾を投下。空襲は警戒警報も発令されないうちに始まり、2時間にも及んだ爆撃の間、ついに一機の迎撃機も飛び立つことはなく、一発の高射砲の応戦もなかった。繰り返し波状攻撃を受けた市街地は猛火につつまれ、混乱した市民は逃げ惑うしかなかった

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/daijinkanbou/sensai/situation/state/chugoku_02.htmlより引用

故・高畑監督が子ども時代にこの空襲に遭っており、体験談を講演や本で語られている。

通常、空襲の爆撃は軍事施設や軍需工場に向けて行われる。

しかし、この空襲では軍事施設は残され、攻撃は市井の市民に向けて無差別に行われた。見せしめのように。

みんな普通の人たちだった。

他人のための人生を尽くしてきた人もいれば、強欲な者もいた。お菓子屋もいれば大企業の社長もいた。

生まれたばかりの赤ちゃんを見せに実家へ戻った幸せな主婦もいれば、父親に二度と謝れない暴言を吐いてしまった子供も居た。

そういう普通の人たちが逃げまどい焼かれて行った様子を、こんなにリアリティのある映像で見せられるなんて……。

父の慟哭

お母さんとおばあちゃんは?どこ?


防空壕……。


あ、避難したんじゃね?どこの防空壕?捜してくる。


防空壕は……

焼夷弾に焼かれて。中の者は。皆……。

わしが……言うた。

あの防空壕に入れ言うて……待っとけえ言うて……。

小しず~!母ちゃ~ん!すまん!すまん!

わしが言うた~~!

空襲が収まり、防空壕から出た安子の目に映ったのは変わり果てた灰色の風景だった。

雉真の家族はとりあえず助かった。

自分の実家に向かうと、焼け落ちた「あかにし」の看板。

一人、家の前に座り込む父は放心状態。

るいのためにおしめを縫ってくれた母と祖母はもういない。

おじいちゃんはこの光景をどんな思いで空から見ていたか……。

※朝ドラレビューは基本的に簡単感想で。
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
…テンプレだす…。

キャストとスタッフ

キャスト

橘安子 – 上白石萌音
雉真るい – 深津絵里
ひなた – 川栄李奈

橘金太 – 甲本雅裕
橘小しず – 西田尚美
橘算太 – 濱田岳
橘杵太 – 鷲尾真知子

雉真千吉 – 段田安則
雉真美都里 – YOU
雉真稔 – 松村北斗
雉真勇 – 村上虹郎

村野タミ – 西川かの子
雪衣 – 岡田結実

水田きぬ – 小野花梨
水田卯平 – 浅越ゴエ
水田花子 – 小牧芽美
赤螺吉兵衛 – 堀部圭亮
赤螺清子 – 宮嶋麻衣
赤螺吉右衛門 – 中川聖一朗
柳沢定一 – 世良公則
柳沢健一 – 前野朋哉

平川唯一 – さだまさし
ロバート・ローズウッド – 村雨辰剛
小川澄子 – 紺野まひる
こわもての田中 – 徳井優
小椋くま – 若井みどり
村野タミ – 西川かの子
神田猛 – 武井壮

大月錠一郎 – オダギリジョー
女子大生 – 市川実日子
トミー – 早乙女太一
竹村平助 – 村田雄浩
竹村和子 – 濱田マリ
片桐春彦 – 風間俊介
笹川奈々 – 佐々木希
木暮洋輔 – 近藤芳正
西山太 – 笑福亭笑瓶
磯村吟 – 浜村淳
エンタツ – 中川剛
アチャコ – 中川礼二

桃山剣之介 – 尾上菊之助

語り – 城田優

スタッフ

◆制作統括 : 堀之内礼二郎、櫻井賢
◆プロデューサー : 葛西勇也、橋本果奈、
齋藤明日香
◆演出 : 安達もじり、橋爪紳一朗、
松岡一史
◆脚本 : 藤本有紀
◆音楽 : 金子隆博
◆主題歌 : AI「アルデバラン」


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