寅子が「穂高イズム」を語るのか。
あんなに穂高先生を苦しめたのに。
「石を穿つ雨垂れ」をあんなに嫌がったのに、その口でその言葉を語るんだ?
法制審議会少年法部会の委員となった寅子(伊藤沙莉)は、はじめから法改正ありきで議論を進めようとする部会にいらだつ。折に触れて多岐川(滝藤賢一)のことを思い出すのは、桂場(松山ケンイチ)も同じだった。一方、航一(岡田将生)は、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)の事務所を訪ね、美位子(石橋菜津美)の事件について聞く…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第25週「女の知恵は後へまわる?」第122話
感想
今日も簡単感想で。
石を穿つ雨垂れ
朋一のこともあって、寅子は桂場の元へ出かけていく。
一つお尋ねしたいことがあります。
何だ。
勉強会を行っていた若手裁判官たちに異例とも言える異動の内示が出ています。
俺が全て指示した。
裁判官は孤高の存在でなければならん。
団結も連帯も政治家たちが裁判の公正さに難癖をつけるための格好の餌食になる。
今、君が奮闘する少年法改正の邪魔にもなっただろう。
全くその通りだと思うんだよ。
新潟では入倉の先入観についてよく注意していたけれど、寅子の眼は今「少年犯罪には愛を」という信念が強すぎて、むしろ曇っているように見える。
若い裁判官が集って勉強するのは良いことだけれど、偏った思想で裁判を行うようなことになるなら、それは危険なことなんじゃないのかな。
政治家の顔色を見て未来ある若者を見せしめにして…。
石を穿つ雨垂れにもせず切り捨てたということですよね?
汚い足で踏み入られないために桂場さんは長官として巌となったんじゃないんですか?
あの日話した穂高イズムはどこに行ったんですか?
桂場さん、もう一度何を守り何を切り捨てるべきか私やライアンさんと話してみませんか?
へぇ……寅子がそんなに穂高推しだとは知らなかった。
退任式に唾をつけ、人に聞こえるようなところで怒鳴り、先生の引退に泥を塗ったのに。
先生があの日言った「石を穿つ雨垂れ」に反感抱いて来たくせに、自分はそれを使うんだ。
思い上がるな!立場をわきまえろ!
出ていけ。
以後二度と用もないのに訪ねてくるな。
と寅子を追い出す桂場さん。
なんだか、政治家に取り込まれた暗黒キャラみたいになっちゃってるけれど、当然、考えはある人だよね。
しかし、上の方が少年法改正をやたらと急いでいるのが奇妙なのは事実。
ライアンは言うのである。
はて?
やっぱり僕には分からないな。
弁護士や裁判所側との意見調整もせず少年法改正を急ぐ必要性が。
まず法が変わり、現場がそこに合わせて形にしていく強引さが時に社会構造を作り上げていく。
家庭裁判所設立に関わった皆さんが一番分かってることじゃないですか。
何かがやけに急がれている時は、大抵何か大きな隠し事や不正が行われている時よね。
ありふれた悲劇
その頃、航一さんは美位子の事件のために山田轟事務所へ来ていた。
最高裁で受理されるかどうかの調査に来ていたのである。
美位子自身は笹竹へ行っている最中で、美位子の生い立ちについては よねさんが全部説明した。
落ち着いた声と口調で。静かに重々しく。まるで自分のことを語るように。「あり触れた悲劇」と。
斧ヶ岳美位子は幼い頃から暴力を受けていました。
母親は10代の彼女を置いて逃げ出した。
母親がそれまで受けていた仕打ちを彼女は全て引き受けることになった。
家事に暴力に…性処理も。
暴力は思考を停止させる。
抵抗する気力を奪い 死なないために全てを受け入れて耐えるようになる。
彼女には 頼れる人間も隠れる場所もなかった。
父親の子をみごもり2人の子供が生まれた。
幾度も流産も経験した…。
職場で恋人ができやっと逃げ出すすべを得たのに父親は怒り彼女を監禁した。
恋人に全てを暴露すると脅され追い詰められた彼女は、更に激しくなる暴力に命の危機を感じて酒に酔って眠る父親を絞め殺した。
恋人は真実を知って早々にあいつから離れていった。
おぞましく人の所業とは思えない事件だが、決して珍しい話じゃない。
ありふれた悲劇だ。
私は救いようがない世の中を少しだけでもマシにしたい。
だから心を痛める暇はない。
それだけです。
よねさんには静かな情熱がある。
彼女こそが「理不尽に作り上げられた犯罪者」を救う人なのだろうな。
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
佐田(猪爪)寅子 – 伊藤沙莉
星航一 – 岡田将生
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
猪爪直人 – 琉人
猪爪直治 – 楠楓
佐田優未 – 毎田暖乃 ← 竹澤咲子(子役期 : 山中天喜→三上ひめな→斎藤羽結→金井晶)
佐田優三 – 仲野太賀
猪爪直道 – 上川周作
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑(汐見香子) – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
稲垣雄二 – 松川尚瑠輝
玉 – 羽瀬川なぎ
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
汐見圭 – 平埜生成
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
杉田太郎 – 高橋克実
杉田次郎 – 田口浩正
高瀬雄三郎 – 望月歩
深田仁助 – 遠山俊也
小野知子 – 堺小春
入倉 – 岡部ひろき
森口美佐江 – 片岡凜
穂高重親 – 小林薫
星朋彦 – 平田満
星百合 – 余貴美子
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
稲 – 田中真弓
壇 – ドンペイ
浦野 – 野添義弘
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
『虎に翼』各回リンク
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