優三さん……。こうなる日が来ることは分かっていたけれど、仲野太賀くんの演技がちょっと凄すぎて見入ってしまった。
泣きながら見終えて、しょんぼりしながら仕事に行った朝……。
寅子はついに、あなたが好きとは言わなかった。
寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。今年は高等試験も行われないため、寅子たち女性法曹の道は途絶えてしまうことに。戦局が厳しくなる中、寅子は優三(仲野太賀)と娘・優未(ゆみ)と戦争を乗り越えることを最優先にしようと心に決める。しかし、とうとう優三の元にも召集令状が届く…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」第40話
感想
「女性法曹の道が途絶えた」
とナレーションは言うけれど、高等試験も休止になり、性別関係なく道は閉ざされたことになる。
仕事も夢も恋も家庭生活も、全てが止まってしまった。
本物の地獄とは、これだよ、寅子。
女子部が閉鎖される
寅子たちは自宅まで軍に差し出した後、工場の寮に移ることになる。
登戸火工工場(直言さんの工場)は、いわゆる火薬を作る軍需工場。
こんな所の寮に入るのは危険ですよ、と分かるのは歴史を知っている令和の視聴者のみ。
寮といっても社長の家族なのだから手狭な環境ではない。
そこでそれなりに暮らしていた寅子の元へ、法律科女子部の後輩が訪ねてくる。
実は、女子部が閉鎖されることになりました。
そう。
と静かに応える寅子。
今の寅子は牙の折れた状態だからね……。
でも高等試験は受けるんでしょ?
今年は高等試験自体が行われないらしく…。
先輩の後に続けず申し訳ありません。
頭を下げられても、それは誰の責任でもない。
「寅子が10年以上かけて切り開いてきた女性法曹の道は完全に途絶えてしまいました」
と、ここでナレが入る。
高等試験自体が無くなっているので、法曹界への道を断たれた若者は女性だけではない。
男性の多くは兵隊に取られているだろう。
未来自体がない……。戦争は本当に馬鹿馬鹿しいほど人の未来を奪う。
女性法曹の道は断たれていないので大丈夫!……と言ってあげたいけれど、そんな未来を今の寅子は知らない。
トラちゃんの好きに生きること
たぶん「何もかも失ってしまった」と、思っている寅子。
そんな寅子からもっと奪っていく出来事が起きる。
優三さんに赤紙が来たのだ。
優三くん、出征前に何かしておきたいことはあるかい?
と訊ねるお父さんに、
そうですね…。
あっ、じゃあ明日、少しだけトラちゃんとお出かけさせてもらえたら。
と答える優三さんらしい優三さん。
そういえば『カーネーション』では糸子と勝さんが出征前にデパートデートしていたなぁ……。
あの時は、後から「マヂかよ勝」な展開になっていたけれど……そういうのも含めて、人生の事件は全部思い出だよね。
この日がいつか来ることは寅子も分かっていました。
私はこの人に何をしてあげられるんだろうか。
いや、何かしてあげられたんだろうか。
寅ちゃん……それじゃ永の別れを初めから覚悟しているみたいだよ……。
実際の話、史実のモデル・三淵さんのダンナさんは病弱だったために兵役を逃れていたらしい。
それがドラマでは「お腹が弱い」キャラとして描かれているわけなのね、きっと。
病で徴兵されたなかった人に赤紙が来る。
それはもう、根こそぎ段階なのね。
川辺で、寅子は優三さんに頭を下げた。
ごめんなさい!
私のワガママで私なんかと結婚させてしまって。
普通の結婚生活を送らせてあげられなくて。
あと高等試験を諦めずに続けてくださいってちゃんと説得しなくてごめんなさい!
私、自分が弁護士として出世したいばかりに優三さんの優しさにつけ込んで、結婚して、でもすぐやめて優三さんに甘えて子供作って、結局、優三さんは戦地に行って大好きな優未とも離れ離れになって……。
はて?
ちょっと……ふざけないで!
トラちゃんの「はて?」便利なんだね。
優三さんはいつものように笑っている。
トラちゃんが僕にできることは謝ることじゃないよ。
えっ?
トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです。
また弁護士をしてもいい、別の仕事を始めてもいい。優未の良いお母さんでいてもいい。
僕の大好きな、あの何かに無我夢中になってる時のトラちゃんの顔をして何かを頑張ってくれること。
…いや、やっぱり頑張んなくてもいい。
トラちゃんが後悔せず心から人生をやりきってくれること。それが僕の望みです。
愛だね……
これはもうただの愛だ。
帰ってくるから。
トラちゃんと優未のもとに必ず。
そうして、2人で「こっそり」美味しいものを食べて。
思い切り優未を抱きしめて。
優三さんは、五黄の寅生まれの寅子が作ったお守りを「心強いなぁ」と笑って持って、出征して行った。
万歳三唱の後、優三さんを追いかけて、得意の変顔をして見せてやる寅子。
優三さんは泣いたような顔で笑って……
行ってきます!
と背中を向けて去って行った。
「トラちゃんが好き」と言ってくれた優三さんに、寅子は最後まで好きと言わなかった。
自分でも気づいていない。
書生時代から、ずっとずっと優三さんを慕って、何でも一番に優三さんに報告して、相談して、一緒にご飯を食べるのが楽しみで、だから一緒になったこと。
寅子、それは恋だったんだよ。
稲さんに言われた
「何もかもは手に入らない」
寅子は今、かなりの部分を失いそうになっている。
守らなくてはならないのは、大事な優未ちゃん。
優三さんと寅子が25日のNHK土スタのゲストに!
今週の #土スタ は#虎に翼 特集@明治大学🐯
— 土スタ (@nhk_dosta) May 23, 2024
ゲストは #伊藤沙莉 さんと #仲野太賀 さん!
トラちゃんと優三さんに
たっぷりとお話を伺います☕
共演者インタビューも!#石田ゆり子 #岡部たかし#上川周作 #土居志央梨#近藤春菜 #松丸亮吾
NHKプラスで同時&見逃し配信https://t.co/P3wgxLJD2a pic.twitter.com/fvYP8kBqPx
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
『虎に翼』各回リンク
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