恵まれたやつらに腹が立つ。
って正直に言ってしまえるのは、とても良い性格だと思う。
確かに、お気立てに難はあるけれど(笑)
よね（土居志央梨）は貧しい生い立ちを明かし、涼子（桜井ユキ）や寅子（伊藤沙莉）など、同級生らが恵まれていることに憤りを感じることを告白する。かける言葉が見つからない寅子は「毒まんじゅう事件」の実際の判例を再検証しようと提案する。はる（石田ゆり子）と花江（森田望智）の力も借り、実際にまんじゅうを作ってみることにする寅子たち。すると、意外な事実が判明する…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第3週「女は三界に家なし？」第14話
感想
饅頭検証はなかなか面白かった。
はるさんと花江ちゃんの仲も、共同作業でちょっと回復したようだし。
そう……共同体験は人間関係をちょっと密にするのよね。
女子部のみんなも……。
お気立てに難がおありでしょ
私とあんたらは違う。
だからもう関わんな。
と、よねさんに言われた寅子は「返し方」を考える。
分かる。
すごく不幸な話を聞かされた後など、どう返せばいいのか悩んで無口になる(笑)
けれどもね、選択した話題が
一日も大学を休んでいないと言ってたけどお月のものが来た時はどうしてるの？
なのは、個人的には適切だとは思えなかったよ。
別にどうもしない。血さえ漏れなきゃいいんだ。
というよねさんに、
いいなあ。
私はお月のものが始まると４日は寝込んでしまうの。始まる前からもう体が重くて頭が痛くて。
って。
私も若い頃からずっと重い方だったので「いいなぁ」とは思うけれど、たぶん、ものすごくものすごく貧しかったり事情がある人は、どんなに痛くても、たとえば高熱でも、這ってでも働きに行かなければならないのだろうと思うよ。
「豊かなお前ら」を怒っているよねさんに対するこの返しは、怒鳴られる返し方だったと思うけど。
それよりは涼子さまの返しがなかなか毒あり羨ましがり要素アリで良かったな。
私、今まであなたとなるべくご一緒したくないと思っておりましたの。
その…お気立てに難がおありでしょ？
お気立てに難！！！
これは、使える時が来たら末永く使っていきたい(爆)
ですけど、私、法廷劇の時ほれぼれしましたの。
私は動けなかった。理不尽なことが起きているのに周りの目が気になって集まった記者が怖くて殿方に立ち向かうのが怖くて。
そんな中、あなたは怒りを飲み込まずまっすぐに真っ先に殿方の…。
股間を蹴り上げた。
股間をお蹴りあそばされたとは気づかなかった(笑)
これで場は少し和み、笑いが起きた。
そう。これが「羨み返し」。涼子さまって素敵な方よね。
饅頭検証
再検証しませんか？
法廷劇の再検証。
殺したい相手がいたとして、その方法にお饅頭を選ぶ？
そもそもお饅頭に毒なんて仕込めるのかしら？。
寅子の提案で、寅子の家で「饅頭に本当に毒を仕込めるか」を検証することになった女子部。
「手を貸してあげた借り」という名目で無理やり付き合わされる よねさん。
いいのよ。
こういう場が必要なのよ。
饅頭を作るのは、ギスギスしていた はるさんと花江ちゃん義母嫁。
こちらも共同作業で場が緩む。
饅頭は美味しかった。
しかし、その中に致死量の防虫剤を入れて気づかれないことなどあるのか？
これを毒に見立ててみましょう。何粒ぐらい入れたらいいのかしら。
と、小豆を出す はるさん。
確実に殺すためには大体８０匁。
なるほど８０匁。えっ８０！？
この袋の中にある小豆を全部入れても８０匁にはならないわね。
やっぱり。
やっぱり？
お饅頭で人を殺すのは無理がある。
やはり被告人・甲子には殺意はなく、ちょっと懲らしめるために入れてやったという結論になりかける。
これではっきりしたろ。
毒饅頭事件は甲子が無知だったゆえの結果だ。
無知だから乙蔵は殺せず背負う罪は重い。
惨めで愚かな行動に出てしまった。それだけだ。
この社会は女を無知で愚かなままにしておこうとする。
恵まれたおめでたいあんたらも大概だが、戦いもせず現状に甘んじるやつらはもっと愚かだ。
寅子は反論する。
それは絶対に違う。
いくらよねさんが戦ってきて立派でも、戦わない女性たち、戦えない女性たちを愚かなんて言葉でくくって終わらせちゃ駄目。
弁護士以前に人として大切なことだと思う。
それな。
なのですよ。
よねさんは、女性を虐げる社会に怒りながら、いつもいつも女性を馬鹿にした発言をする。
それに将来的に弁護士になるなら、依頼人は女性ばかりとは限らないんだよね。
虐げられた女性、だけではなく、虐げられた男性もこの世にはたくさん居る。
どんな身分でも人から虐げられた悔しさで饅頭に毒を盛る人間は居るかも知れず、弁護士になるからには「馬鹿だから勝手にしろ」などと言ってはいけないはず。
これが、お気立てに難があると言われる所以。
その時、黙っていらした涼子さまが突然、口を開くのだった。
ごめんなさい。
涼子様？何で涼子様が謝るの？
皆様に黙っていたことがございますの。
実は、この日のために元となった実際の判例を調べ直してみましたの。そしたら…。
学長が法廷劇用に内容を改めていたことが分かりました。
甲子は婚約不履行の損害賠償訴訟を起こし、何と勝訴していたというのである。
婚姻予約不履行が認められたのか？
驚くよねさん。
よねさん的には「女が勝つことはあり得ない世界」だったわけだものね。
実は乙蔵の両親は一度２人の結婚を許諾していたの。
だから貞操を蹂躙し甲子の将来を誤らせた責任はあるとして慰謝料の支払いを命じられたそうなんです。
どの時代にもやり手弁護士は存在するものね……。
それに甲子さんの職業は女給ではなくお医者様。
ええっ！
お饅頭に盛った毒は防虫剤ではなくチフス菌。
ええ～！
話が全く変わってくる。
甲子は哀れな身分の貧しい女ではなく、この時代に医者になれるほどの経済力がある家に育ち、無能な人間どころか、とても頭が良い。
「チフス菌」なんて一般人には手に入らない。
甲子さんは「特別な位にいる女性」だった。
なぜそんな改変を。
医者よりも女給の方が同情できる。
民事訴訟を知らない無知な女の方が同情を集められる。
かわいそうな女を弁護する優しき女子部の学生たち。
そういう印象を持たせたかったんだろ。
私たちはいつの時代もこんなふうに都合よく使われることがある。
この事件の胸くその悪さはこれか。ふざけやがって。
共通の敵が出来ると、人は結託できるようになる。
この場合は、共通の敵は「学長」ね。
こんなミステリーがあろうとは(笑)
ますます面白くなってきた。
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虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ～ 2024年9月 日（予定）（全120回）
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
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