前回の穂高先生の反応は、今ひとつ理解に苦しむ部分があったのだけど、そうか……穂高先生は寅子を法律の道へ誘ってしまったせいで苦しませてしまったと思っているのか。
あの時、寅子が先生に言ってしまったからね……。
ホーナー(ブレイク・クロフォード)から子供たちにとチョコレートをもらった寅子(伊藤沙莉)は、公園で花岡(岩田剛典)に再会する。花岡は東京地裁に戻っており、判事として主に食糧管理法違反の事件を担当しているという。寅子は自分の弁当を思わず隠すが、花岡は堂々としろと微笑む。その夜、猪爪家に久藤(沢村一樹)とホーナーがやってくる…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第10週「女の知恵は鼻の先?」第49話
感想
花岡くんは出征しなかったのか、奥様や父はどうしているのか、などは語られず、花岡がとにかくナーバスになっていることだけが分かった弁当シーン。
何度も書いちゃうけれど、轟はどこへ……。
食糧管理法
弁護士に戻ったんだね。
お子さんが生まれて弁護士をやめたと聞いていたから。
あ…いえ、今は司法省の民事局で働いています。
花岡さん、お子さんは?
娘と息子が1人ずつ。
弁当を広げながら語るのは、差し障りのない近況報告。
お互いの妻や夫のことには触れず、何となく居心地の悪さを感じる。
花岡くんは東京地裁へ戻り、今は
経済事犯専任判事として主に食糧管理法違反の事案を担当しているよ。
と言う。
つまり、闇市の取り締まりなどが相当する。
慌てて、つい弁当を隠してしまう寅子。
別に猪爪を告発したりしないよ。生きるために必要なことだ。君は堂々としろよ。
でも法を犯してるのは事実ですから。
そうじゃなくとも戦後の寅子は堂々となんてしていない。
自分では何も変わってないつもりでいたけど、やっぱり前とは違うみたい。
でも前も今も全部君だよ。
どうなりたいかは自分で選ぶしかない。
本当の自分を忘れないうちに。
……まあ、全部梅子さんの受け売りだけどね。
ハハ…懐かしい…。
そんな話したわね。
みんな達者でやってるといいけど。
ほんと、みんなどこでどうしているのだろう。
息子一人だけ連れて、梅子さんはどうなっているのだろう。
寅子と花岡は
またこうやってバッタリ会ったら一緒にお昼ごはん食べましょう。
と、曖昧な約束をして、そこで別れた。
その後、桂場の所へ寄る花岡くん。
すみません。懐かしい人に会ったら急に桂場さんの顔も見たくなってしまって。
随分感傷的だな。よく寝て体を休めろ。
人としての正しさと司法としての正しさがここまで乖離していくとは思いもしませんでした。でも、これが俺たちの仕事ですもんね。
なんなの、このフラグのようなナーバスさは……。
先ほどの寅子のように、闇米を取り締まられたら食えなくなる家だってあるわけで、そういう人々を取り締まることに嫌気がさしているのだろうか。
実はこの時期、佐賀県出身の裁判官が1人、闇米などを完全拒否して配給食糧だけで生きると宣言し、餓死している。
ほぼ覚悟の自決である。
まさか、この山口裁判官事件を花岡くんに当てるんじゃないでしょうね……。
それは、ちょっとイヤだなぁ。
ちなみに『梅ちゃん先生』では建造が山口裁判官を模範にして闇米を拒否しようとし、家族に止められて挫折している……(とことんふざけた話……)
花岡くんも、ちゃんと食べよう?
ユダヤ系アメリカ人とチョコレート
ライアンとホーナーが、夜、突然猪爪家を訪ねてくる。
チョコレートを拒否した寅子のために、たくさん持ってきてくれたのだ。
喜ぶ子どもたちを見て、突然涙するホーナーさん。
「いろいろと思い出してしまって……」
ホーナーは祖父母がユダヤ人でね。ドイツから亡命してアメリカに渡ったんだ。だから戦争では大勢の親戚が犠牲になったそうで。
そうだったんですか…。
戦争で何も傷ついてない人なんていないですよね。
うん、弟君の言うとおりだね。
しみじみそう語るには、この時期はまだちょっと早い気がして。敗戦国日本。
まぁ……花江ちゃんが米国を憎むのを止めるためには、こういうエピソードで正解なのだろうけれど、ユダヤ人まで出してしまうのは、ちょっと盛りすぎな気がしてしまった。
たぶんね、昭和22年、日本国の人々は自分らの悲劇で頭がいっぱいで、ユダヤ人が何をされていたのかなんて知らないだろうしね。
ホーナーさんをこういう人にしたかったのか、ということは分かったけれど、純粋に(純粋に?(笑))日本に口出してくるアメリカ人という立ち位置でも良かったよね。
民法改正審議会
ついに開催される「民法改正審議会」。
ここは、穂高先生と神野先生が面白かったな。
なぜ今の家族の在り方を否定する必要があるのか。
神保先生、それではGHQが、いや、国民が納得しません。憲法で国民の平等をうたう以上、家制度は撤廃するしかないでしょう。
皆さん、想像してごらんなさい。
もし息子が結婚して妻の名字を名乗るなんてことになれば、子供たちはご先祖、親との血の結束を家族の結束を感じ取ることができますかな。
男性に権利が偏っている家制度が均斉がとれているとは私は思いませんがね。
ハハハハ…穂高先生はご婦人びいきだから困る。
そもそもこの審議の場に女性が佐田君しかいないというのも問題だと私は思いますがね。
神保先生と穂高先生しか発言してないじゃん(笑)
ライアンは、この2人について
物の見え方が全く違う。それだけだ。
と言う。
司法にはどちらかに偏り過ぎず、相反する意見・主張が必要だ。
それは御尤も。
1人の意見に忖度されるような国は滅びる。
意見はきちんと述べる。
頼もしいお年寄りたち。
さて……。穂高先生に呼び出された寅子は、
実はね、君に新しい仕事を見つけてきたんだ。
と、言い出される。
家族を養うためにしかたなくこの職に就いたんだね。
苦しくてやめたこの道にわざわざ戻ってくる覚悟は相当なもんだったろう。
君をこの道に引きずり込み不幸にしてしまったのはこの私だ。
そのことでずっと責任を感じていてね。
あの時。
雲野法律事務所を辞めた時。
「なぜこの道に来いと私に声をかけたのだ」
と寅子に怒りをあらわにされたことが先生のトラウマになっていたのだね。
別に法律の仕事自体が苦しかったわけではなかったのだが、先生はすっかりそう思い込んでしまっていたよう。
先生……大丈夫。
女性が判事になる時代が
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
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