自分の結婚を「正当なもの」と言い切れない寅子は、依頼人・両国(岡本玲)の「先生もご存じのはずですよ?」に言葉を詰まらせてしまう。
この時代だから別に契約のようなお見合い結婚に罪悪感を抱く必要はないかもしれないけれど……優三さんの「好きだった」を聞かなければ良かったね。
結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。ある日、手伝いとして働くよね(土居志央梨)と共に、子の親権を義父と争う女性の依頼を引き受ける。両国満智(岡本玲)は夫に先立たれ、しかも亡き夫の子を妊娠中。金策に困り果てて夫の友人を頼ったが、「著しき不行跡」として義理の両親から訴えられた。彼女の味方として張り切る寅子だったが、そんな寅子を優三(仲野太賀)は心配していた―…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」第36話
感想
この裁判、別に寅子は依頼者のために一生懸命やっただけで、何の落ち度もない。落ち度があったのは、こんな単純なことに気づかなかった相手側の弁護士。
これを「過失」だという雲野弁護士、とっても人が良いな……。古美門に笑われるぜ。
何だか新婚さんみたい
休みの日に2人で出かけると「何だか新婚さんみたいなことしちゃって」と花江ちゃんに言われちゃう寅子夫妻。
花江ちゃんは「親友の兄」との恋愛結婚なのでピンと来ないのだろうか。この時代は、いわゆる世話人によるご紹介お見合い結婚が多かったはずだ。「家が釣り合う」というやつ。
家の書生さんだった男性と結婚した寅子は「普通の結婚」であって、それほど契約契約と思う必要はない。
はずだった。
「僕はずっと好きだったんだけどね、トラちゃんが」
優三さんがこんなこと言い出さなければ。
実際は寅子だって優三さんをかなり好きだったはずだが、あまり気づいていないようなので、「愛情の搾取を行った感」に若干苛まれるハメになる。
穂高先生に結婚報告すると、大喜びしてくれる。
これからも婦人弁護士の先頭に立って頑張ってくれたまえよ、猪爪君。…じゃなくて、佐田君。
お国のために教え子が活躍している姿を褒める。
俗物発言……にも見えてしまうけれど、だって、それがこの時勢の常識なのだから仕方ないよね。
お父上の工場も軍からの注文が途切れず順調と聞いている。何もかも順風満帆じゃないか、君。
思った通り、直言さんの工場は軍需工場になってしまっているらしい。
これはもう……考えなくても戦後の惨状が目に浮かぶ……。
女が生きて行くには悪知恵が必要
「やめていった仲間のためにも世の女性たちのためにも自分が先頭に立ち、社会を変えていくんだ。」
それは弁護士という仕事の真髄ではないので、一度、古美門法律事務所に弟子入りしてくるといいよね……(まだ羽生くんも登場していないのに混ぜる(羽生くんではない))。
しかし、「立場の弱い女性のための弁護を」という気持ちで頑張っているのは確か。
そんな寅子の元に両国満智という女性からの依頼が舞い込む。
半年前に歯科医師だった夫が幼い息子とおなかの子を残して病死。
両国満智は職を探すが身重なこともあって見つからず、夫の友人の歯科医である神田という男から提示された
「亡き夫の診療所に自分の出張医療所を作って、そこの借り賃を支払うことで甲子さんたちを養う」
という案を受ける。
その結果、満智は、亡き両国の両親から「著しき不行跡」を理由に子供の親権を取り上げようという訴えを起こされた。
概要はこんな感じ。
甲子さんは義理のご両親から満足に援助が得られず、しかたなく乙蔵の提案に乗ったんですって。
と優三さんに語る寅子。
よねさんは、
孫を手に入れるためにわざと援助しなかったんじゃないか?
と判断したらしい。
あ~、もう、いつになったら女の人ばかりがつらい思いをする世の中が終わるのかしら!
と、うなる寅子に、
トラちゃん、深呼吸。
決めつけて突っ走ると思わぬヘマをするから。
とアドバイスする優三さんである。
よく分っていらっしゃる……。
働くこともできないのに、家賃を取ることも出来なかったら、生活をして行けない。
夫を失った自分にはもう子供たちしか残されていないのに……と嘆く両国満智。
岡本玲さん、お着物姿もお綺麗です。
明日のNHK朝ドラ「虎に翼」に両国満智役で出演します。夫に先立たれ、子の親権を義両親と争う未亡人役です。
— 岡本玲 (@okarei_official) May 19, 2024
15分の間でまさかの展開な役どころですので、是非ご覧くださいませ✨! pic.twitter.com/pDoQ0rqGvM
淫楽が目的ならば身重の相手を選びますか?
裁判長。被告は亡き夫の両親からこのように敵意を向けられ、支援も得られず、わらをもつかむ気持ちで神田医師に助けを求めたにすぎないのであります!
寅子のガンガン行く弁舌で、裁判は両国満智の有利に働き、原告(亡き夫の両親)は敗訴。
寅子は勝つことが出来た。
しかし……。
裁判後、亡き夫の両親の様子を気の毒に見た寅子は、ちょっとした「穴」に気づき始める。
満智さんの夫の病状。「4月には寝たきりとなり、音声を発することも能わず。7月に入りて昏睡状態になった」。こんな状態でお子さんを?
結局……
寅子は自分たちが両国満智に騙されていたことを知る。
やだ先生。もしかしてお気付きになってなかったの?
てっきり目をつむってくださってるのだとばかり。
やだわ、やっぱり女の弁護士先生って手ぬるいのね。
ええ、神田さんの子ですよ。
この子も上の子もね。
えっ…。
先生もご存じのはずですよ?
女が生きていくためには悪知恵が必要だってこと。
両国満智は分かっているのである。
寅子が「社会的地位」のために結婚したことを。
「悪知恵」と言われて、寅子はチクチクと思い出す。
優三さんに「僕は好きだった」と言われたことを。
そして、寅子は後ろめたさのせいで「私も本当は好きだった」と言えない。
雲野先生は、
これは明らかな過失。失態だ。
と言う。
私も若い頃に同じ過ちを犯してね…。
調書の読みが足らず、有罪の証拠となった自白が強要されたものであった疑いに判決が確定してから気付いた。
冤罪であったかもしれん。いまだに悔やみ続けている。
君の失態が誰かの人生を狂わせたことを忘れてはいかん。
しかしまぁ……依頼人が例え犯罪者であろうと、手を尽くしてなるべく良きように運ぶのが弁護士のお仕事ですよね?
明墨先生も「有罪でも無罪にしてさしあげるよ」と言っているよ?
こんなの寅子の失態ではない。寅子は勝ったのだし依頼者に利益をもたらせればいいんだ(という古美門の声が聞こえる) #虎に翼
— くう🎞️ (@kukucoo) May 20, 2024
どちらかといえば、原告側の失態じゃない?どうしてそんな簡単な事に気づかなかったの? #虎に翼 https://t.co/jksuA8NFnT
— くう🎞️ (@kukucoo) May 20, 2024
雲野先生も「手ぬるいのね」って言われちゃうよ?
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
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