直明も小橋も、寂しくて愛されたかったんだね……。
直明は十分愛されていると思うけれど、小橋が可愛くて泣きそう。
もっと抱きしめてやって。
いつの間にか家庭を顧みなくなっていたことを指摘された寅子(伊藤沙莉)。道男(和田庵)からも非難され、家族と正面から向き合うことを決意する。新潟には家族全員でついていくと言う花江(森田望智)。すると、直人(琉人)ら子供たちから寅子への不満が噴出する。寅子は新潟に一人で行くべきなのか、決断の時が迫る…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第15週「女房は山の神百石の位?」第74話
感想
「ごめんなさい」と「ありがとう」連発の回だった。
個人的には、感謝が足らない寅子、だと思っていたので「ありがとう」は言ってほしかったけれど、そんなに謝らなくても良くない?
……自分の仕事が好きなのは確かだけれど、家族のために働いてきたのも確かじゃん……。
今から家族会議を開始いたします
家族がみんなでゲームしているところに割って入って「家族会議を開始いたします」って言うのもどうかと思う……そういうところが押し付けがましい(笑)
ばあちゃんが死ぬ前のあんたはもっと普通のおばちゃんだった。
でも今は変わっちまった。
という道男の苦言を受けて、寅子は自分の何が変わったのか教えて欲しいと家族に問う。
個人的には寅子は大して昔と変わっていないと思う。
道男を預かって当たり前のように家族に預けていた辺り、すでに「普通のおばちゃん」とだいぶ違う。
まず、母親役らしく、寅子の窮地を救うべく花江ちゃんが謝罪を始める。
トラちゃん、ごめんなさい。
こういう時こそ家族みんなで支え合わなきゃってお義母さんがいたら絶対そうしたわ。
優未とのことも、もっと私が間に入ればいいだけのことよ。
何でもかんでもトラちゃんのせいにしてごめんなさい。
これからはもっと私が気を配ってみんなが仲よくしていけるように……。
これをいつものように制止する寅子。
はい!
もうスンッ禁止。
私の前でスンッはやめて。
この「学校の先生っぽさ」に みんな引いているのでは……。
スンってさせてるのはトラちゃんだろ。
そうだそうだ。
確かにそうだわ。
禁止を押しつけるのも偉そうよね。
ごめんなさい。
へえ……。
突然の物分かりの良さ。
「ごめんなさい」連打
お母さんにお茶頼む時とか起こしてもらう時、「ありがとう」って言わないのが嫌だ。やってもらって当たり前だと思ってる。
いつの間にか感謝を忘れていたわ。
ごめんなさい。
まぁ正直それが全てだよね。
何でもやらせてくれるのはいいんだけど、その道をきわめろ、一番じゃなきゃ駄目って態度をされるとみんなやりたくなくなる。
盲点だったわ。ごめんなさい。
えええ……ナンバーワンにならなくてもオンリーワンでいいんだよとか言い出したのは平成に入ってからだよ(笑)
そして子どもはとりあえず、頑張ってみれば?「一番じゃなきゃ駄目って態度」ってなに?この発言はちょっとどうかな……。
朝からお酒臭いのも嫌だ!
これはメチャメチャ同意する。優未が以前、イヤそうにしていたよね。臭いが移るよね。
そこで突然発言する直明。
就職先に悩んでる時、話を聞いてくれるって言ってたのに結局聞いてくれなかった。
直明…。
ずっと待ってたのにいつも忙しそうで声をかけにくくて…。
僕の仕事の話もろくに聞こうとしてくれない…。
もう僕に興味ないのが悲しい!
直明!
ずっと家族の末っ子属性で可愛がられてきた直明。
ホンワカふんわりした良い大人になったと思っていたのに(笑)
そんなふうに思わせてしまってごめんなさい。
みんなが新潟に行っちゃうのも寂しい!
いい年して何言ってるんだって思うだろうけどみんなと離れたくない!
戦争の時みたいにあんな思いは嫌だ!
おおう……それはちょっと、どうなんだ……。
まぁ、この時代はまだ結婚しようがしまいが家族みんな一緒に住んでいる家は多かったからね。
直明は家を継ぐつもりだろうし、花江ちゃんは夫を亡くした姉だから一緒に住んでいても不思議はない。
でも、それは「男としての責任」という明治民法イエ制度の名残で、この時代の長子としては「家を守る」覚悟なんだよね。
まあ、寂しいと言っちゃうのは素直でいいけれど(笑)いずれ自分が嫁を迎えたら、兄嫁一家にどう告げるのか……。
もっとも、「家は私が守る。直明は何も守らなくてもいい。」という方向に寅子が直明を誘導してしまったので、これも寅子の功罪ではあるのだけれど。
つまり、直明が大人になれていないとしたら、それは寅子が守っちゃったせい。
責任はトラちゃんが負うべき
直明の「みんなが新潟に行っちゃうのも寂しい!」を受けて、寅子は新潟行きの話をシッカリ伝える。
花江たちは新潟には来なくていい。
このままここで暮らし続けてください。
待って。じゃあ、それじゃあ、やっぱり優未だけ連れてく気?
それは駄目だよ。賛成できない。
寅子も分かるだろ?優未はここにいるのが一番幸せだって。
ええ、十分すぎるくらい分かってるわ。
親と一緒にいるのが幸せなわけじゃない。
周りに支えてくれる大人がいればいい。
親と縁を切った方がいい時だってある。
でも…。
それは寅子が少年犯罪に関わるたびに話してきたことだもんね。
子どもを育てるの親じゃなくてもいい。支える大人は一人じゃなくてもいい。
よし、優未に決めてもらおう。
トラちゃんじゃなくて優未が決めるべきだよ。
と、言い出す道男と子どもたち。
すると花江ちゃんは言うのだった。
おやめなさい!
そんな決断、優未にさせないで。
この決断の責任はトラちゃんが負うべきよ。
全く、その通りで。
幼い子供に大きな選択をさせて、あと後、「自分で選んだでしょ」と言うのは最悪の教育よね。
「自分で選ぶ」という重荷を優未から降ろしてあげた花江ちゃん。やはり、もうこの時点で優未の保護者は花江ちゃんなんだろうな……。
優未。今まで駄目な母親でごめんなさい。
お利口さんでいてって呪いをかけてしまって、ごめんね。
個人的にはね……
ここで優未の頭に「寅子はダメな母親」というレッテルを張ってしまったのは、あまり良くないと思う。
寅子は寅子で、とりあえず稼いできたじゃないか。
家庭における寅子の役割は「稼ぐこと」だった。
むしろ、妙に口出ししたのがいけなかったんだよね。
寡黙な父さんみたいな立ち位置でいれば、信頼と威厳だけを保てたのに。
今ここで優未と別れてしまったら、私と優未の間も取り返しのつかないことになるってことも分かるの。
だから、これは お母さんのワガママと勝手でしかないんだけどね…。
お母さん頑張るから。生まれ変わるから。
だから一緒に新潟についてきてください。
お願いします。
仕事があるから、早く帰れないだろうし。
新潟がどんな感じに忙しいのかもわからず、こんな口約束しても良いのか?とは思うけれど。
とりあえず、優未は「はい」と返事をした。
まぁ……
無理だったら帰る場所はあるのだし。今はやってみるしかない。
「好かれている」寅子
寅子は異動の件について、桂場に謝罪した。
私、思い上がっていました。
一度は逃げた法曹界……今度こそは壁を登り切った!
あとは理想を追求するだけだと。
お三方からたくさん学ばせてもらっていたのにすっかり天狗になって……。
桂場さんは、そんな私に失望して、鼻をへし折るために異動を決めてくださったんですよね。
全く違う!と否定する桂場さん。
腹立たしいが、君は有能だ。
そして俺たちに……好かれてしまっている。それが問題なんだ!
キャリアを重ね、俺たちという後ろ盾がある君はもう昔の弱い者じゃあない。今の君の「はて?」は 非常に重い周りを動かす力がある。
君は裁判官として正しく成長する道筋を飛び越え、一躍時の人となってしまった。それに甘んじている君に、家裁は、いや、どんな役職も任せられん。
だから地盤を作るんだ。
つまり。普通の裁判官のように支部で経験を積んで行けということ。
望み通り、男女の差なく。
桂場……それはお前……飛び切りの愛じゃないか!
と多岐川さん。
タッキー、そりゃそうだよ。
桂場君は穂高先生直系の理想主義者、かつ潔癖なまでの正論主義者なんだから。
寅子は良い先輩に恵まれたね。
それも、亡き穂高先生のおかげなんだけれどね……。
愛されてるな、佐田さんは。
微笑みながら見守る汐見さんの横で、小橋がポツリと
羨ましい。
と、つぶやくのだった。
直明も小橋も愛されたかったんだね……大丈夫、視聴者は十分愛してる #虎に翼
— くう🎞️ (@kukucoo) July 11, 2024
いつもきちんと仕事している小橋も愛されてるよ!
きちんと話し合いしてくれて、伸び伸びと仕事させてくれる良い家族と宿場に恵まれて、なるほど多くの視聴者も小橋のように「うらやましい」と思ってしまうヒロインではある。
だが努力もしている。
ここに上り詰めるための資格は彼女が自分で取ったもの。
それを手にした向学心を娘や甥たちに奨めることに関しては、あんなに謝らなくても良かったのでは?
そこは引っかかる。
「ごめんなさい」よりも「ありがとう」をもっと言ってほしかったのだけど。
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
佐田(猪爪)寅子 – 伊藤沙莉
星航一 – 岡田将生
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
猪爪直人 – 琉人
猪爪直治 – 楠楓
佐田優未 – 竹澤咲子(子役期 : 山中天喜→三上ひめな→斎藤羽結→金井晶)
佐田優三 – 仲野太賀
猪爪直道 – 上川周作
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑(汐見香子) – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
稲垣雄二 – 松川尚瑠輝
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
汐見圭 – 平埜生成
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
稲 – 田中真弓
壇 – ドンペイ
浦野 – 野添義弘
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
『虎に翼』各回リンク
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