戦死公報が届いたのに帰還した朝ドラといったら『純情きらり』かな……と思ったけれど、よく考えたらあれは死んだと思い込んでいただけだった。
戦死公報に誤報は結構あったらしいし、あんな紙切れ一枚で大事な夫や息子が死んだといわれても信じ難かっただろう。
視聴者も……優三さんの死を受け入れられなかった。
これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言（岡部たかし）は安らかに亡くなった。寅子（伊藤沙莉）は何事もなかったように生活を続けようとする中、はる（石田ゆり子）は寅子にお金を渡す。花江（森田望智）もはるも悲しみを乗り越えるため、好きなことに使ったのだと言う。闇市をさまよい、優三（仲野太賀）と一緒に食べた焼き鳥を思い出す寅子。優三が自分にかけてくれた言葉がよみがえってくる…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌？」第44話
感想
希望という名の疑いを持っていた人も、寅子のお守りを見て、あきらめるしかなかろう。
現実を受け止めた時、初めて泣くことが出来た寅子……。
五黄の寅守り
昭和21年10月。
直言が亡くなっても生活は続いていきます。
配給に並び、闇市に行き、ラジオから流れて来る帰還兵のニュースを聞く……。
目の前で亡くなったわけではないから、きっと誰もがあきらめきれない。
それはきっと、花江ちゃんも。
そんな寅子の元へ見知らぬ男が訪ねてくる。
佐田寅子さんのお宅はこちらでしょうか？
差し出したのは、寅子が渡したあのお守り。
🐯 #トラつばの箱 🪽
— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) May 24, 2024
優三に渡した手作りのお守り。
「虎は千里を行き、千里を帰る」という言い伝えがあり、五黄の寅生まれの寅子は年齢の数(31個)結び目を入れることで優三の無事を祈りました。
寅子の着物から作られ、5銭は死線(4銭)を、10銭は苦戦(9銭)を越えるという意味があります。#虎に翼 pic.twitter.com/AluhVtjO3j
小笠原という男は優三とずっと共に居たわけではなく、最期を過ごすことになった収容所の病室で隣同士だったのだという。
私の病状が悪化した際、佐田さんがそれを握らせてくれたんです。
「このお守りにはとてつもない御利益があるから絶対助かる」って。
その後、私は持ち直しましたが、優三さんは…。私が御利益を吸い取ってしまったんじゃないかとずっと申し訳なくて……。
この人もまた、自責の念を抱えて生きて来た人だった。
戦場で知り合ったわけではないし、この人の代わりに優三さんが弾に当たったわけでもない。
しかし「自分のせいかも」と思わずにいられない。
ほんの短い間でしたが、とても優しいいい男でした。
ほんの短い間でも伝わる、優三の優しさ。
そしてその評価が、もう間違いなく、この男の隣のベッドで亡くなったのは優三だと決定づける証言になる。
美味しいものは分け合って一緒に
お母さんが、お父さんの形見を売って、そのお金をくれた。
(お父さんの優三評を考えれば、当然の詫び代だともいえる……)
ぜいたくじゃありません。必要なことです。
あなただけじゃない。
花江さんも私も、どうしようもなくなったとき、内緒で思いっきり贅沢しました。
これ以上心が折れて粉々になる前に、お願いだから立ち止まって優三さんの死とゆっくり向き合いなさい。
そう。寅子は一度も泣いていない。
泣き言も言っていない。
闇市で、焼き鳥とどぶろくを頼んだ。
……が……
寅子は はるさんや花江ちゃんと違って、一人で贅沢しようとは思えなかった。
美味しいものは一緒に。
そう約束した人がいるのだから。
店主が新聞紙に包んでくれた焼き鳥をもって河辺へ行く。
一人でポツンと座って川を見て、初めて寅子の心が動いた。
現実を知ったのだ。
夫は亡くなった。
分け合って食べるって言ったじゃない。
必ず帰ってくるって言ったじゃない。
トラちゃんができるのはトラちゃんの好きに生きることです。
また弁護士をしてもいい。違う仕事を始めてもいい。
優未のいいお母さんでいてもいい。
僕の大好きな、あの何かに無我夢中になってる時のトラちゃんの顔をして何かを頑張ってくれること。
いや、やっぱり、頑張んなくてもいい。
トラちゃんが後悔せず心から人生をやりきってくれること。
それが僕の望みです。
女将が包んでくれた新聞紙に印字された『日本国憲法』の文字。
戦後、やっと「人権」について考え始めた日本国憲法の三原則
- 国民主権
- 平和主義
- 基本的人権の尊重
優三さんの求めたものが、全て詰まった憲法。
こんなにも多くの犠牲を払わなければ、日本はここに至れなかったのである。
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虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ～ 2024年9月 日（予定）（全120回）
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
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