思い出は力になるものだと私は思っていた。
けれど、寅子にとって今、思い出は切なさと悔しさなんだね。
うちのママはうちのパパより実際は強くなれない。現状は。
とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)。先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)、そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃部寸前だった明律大学女子部は息を吹き返す。初の女性弁護士誕生と新聞が大々的に報じ、大学では祝賀会が開かれることに。口述試験に落ちたよね(土居志央梨)は寅子のもとを訪れ、「いつか必ず合格してみせる」と寅子に約束する。祝賀会の席で寅子はスピーチを求められ…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第6週「女の一念、岩をも通す?」第30話
感想
よねさんが合格しないってどういうこと?と、思っていたけれど、やっちまったな……ということだった。
悔しい気持ちは分かるけれど、ケンカっ早い態度では男でも女でも弁護士はむずかしいのでは……。
そして、またしても、やっちまってる花岡。
駄目でも俺がいるし
高等試験に合格し、弁護士への資格を手に入れた寅子。
皆がお祝いしてくれる中、花束を持って会いに来る男、花岡。イケメンは、やっぱり違う……。
が、良かったのは最初だけだった。
花束を差し出され、喜ぶ寅子。
来週は祝賀会だろ?招待状届いたよ。
ええ。明律大学の皆さんが開催してくださるって。
猪爪なら成し遂げると思っていたよ。
もし駄目でももう一度挑戦するよう説得するつもりだった。
そうなの?
ああ。
「せっかくの才能がもったいない。もし駄目でも俺がいるから」って。
えっ?
もう「はて?」とも言わない寅子である。
まぁ、良い雰囲気ではあったけれど……またやらかしているよね。
寅子の望みは「ダメなら養われること」ではないでしょう。
プロポーズするなら、せめて「司法の道を共に歩み、世界を良くして行こう」くらいは言ってほしい……。
私は自分を曲げない
お祝いしてもらって帰宅すると、玄関先で よねさんが待っていた。
気まずそうな よねさん。そして気まずそうな寅子。
花だらけだな。
ええ、皆さんがお祝いしてくださって。
来てくれてありがとう。
私も会いに行こうと思っていたんだけどごめんなさい。
それはそうだ……。
一緒に受けて自分だけ受かって、なかなか自分から会いには行けない。
そして、ここにきて、やっと よね不合格の理由が明かされる。
私の口述は完璧だった。
と、よねさんは言う。
しかし聞いてみると……完ぺきではないよね……。
それで君、弁護士になってもそのトンチキな格好は続けるのかね?
と、試験官に言われたよねさんは、
トンチキなのはどっちだ。
あんたらの偏見をこっちに押しつけるな!
と、怒鳴ってしまう……。
これは。なかなか味方しづらい口述ですよ。
たぶんね。久保田先輩が引っかかったという
「今後結婚の予定はあるのか」
も、口述試験の一環だし、この「トンチキな格好」もそう。
試験官の言っていることが誤りだと思ったら、弁舌で負かせばいいのだ。だって、それが弁護士のお仕事ですもの。
よねさんは、カチンと来たら、すぐ怒鳴ったり、手を出したりまでしてしまう。
依頼人や検察にいちいちイライラして怒鳴ったりしていたら仕事にならない。
私は自分を曲げない。
曲げずにいつか必ず合格してみせる。
と、よねさんは言うが、少し曲げよう。いや、成長しよう。
そうなる日を待ってる。
私たちは怒っている
女子部を潰そうとまでしていたのに、合格者が出たらホクホクと記者会見まで始める大学。なんと現金な……と思うけれど、経営のことを考えたら広告塔になってもらうのは仕方ないことだものね。
たくさんの人から、白々しいほど祝われて、寅子は次第に曇ってきた。
寅子と久保田先輩と中山先輩を並ばせた記者会見。
寅子はずっと一緒に戦ってきた仲間たちのことを寂しく考える。
この場に私が立っているのは私が死ぬほど努力を重ねたから。
でも高等試験に合格しただけで自分が女性の中で一番なんて口が裂けても言えません。
志半ばで諦めた友。
そもそも学ぶことができなかったその選択肢があることすら知らなかったご婦人方がいることを私は知っているのですから。
でも、今、合格してからずっとモヤモヤとしていたものの答えが分かりました。
私たち、すごく怒っているんです。
法改正がなされても、結局女は不利なまま。
女は弁護士にはなれても裁判官や検事にはなれない。
男性と同じ試験を受けているのにですよ?
生い立ちや信念や格好で切り捨てられたりしない、男か女かでふるいにかけられない社会になることを 私は心から願います。
私はそんな社会で何かの一番になりたい。
そのためによき弁護士になるよう尽力します。
困ってる方を救い続けます。男女関係なく!
寅子のスピーチが終わった時、桂場が笑い出した。
この人の真意はイマイチつかめない。
女の分際で「男性も救います」のような発言をしたことを馬鹿にして笑っているのか、もっと好意的な笑いなのか……。
寅子のスピーチは会場の「男性ども」をシラケさせたらしく、新聞には載らなかったという。
一社。
竹本さまの新聞社だけが大きく報じて下さった。
「正義」が何たるか理解している人は、この世界にはまだ少ない。
来週からはいよいよ弁護士編。
どんな地獄が待っているのか……。
学友たちのその後も知りたいな。
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
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