合格。喜ばしいことが起きた回なのに。
切なくて15分の中で3回ほど泣けてしまった。
みんなで頑張って来たのに……。
涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)の姿が会場にない。梅子を気にしながらも筆記試験を終えた寅子が帰宅すると、そこには梅子からの手紙が届いていた。夫から離婚を言い渡され、三男の光三郎(石塚陸翔)を連れて家を出たという。梅子が寅子たちに想いを託す中、寅子の口述試験の日がやってくる…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第6週「女の一念、岩をも通す?」第29話
感想
やはり女性は合格制御されているんだな。
さすがに現代では「結婚したら辞めるんでしょ」などと言われなくなったと思うが、この時代はね……。
家庭に入るのが当然だったから……。
梅子さん
筆記試験を終えて家に帰ると、寅子は はるさんから
遅い!
と怒られ、手紙を渡される。
ついに会場に来なかった梅子さんから。
「トラちゃん、心配かけて ごめんなさい。試験会場に行けなくてごめんなさい。私、光三郎を連れて家を出ました。夫に離婚届を渡されました。若い女と再婚するそうです」
「もっと早くこうすべきだった。そうすれば長男や次男も助けられたかもしれない。自業自得です」
「トラちゃんたちならば立派な弁護士になれると信じています。どうか私のような立場の女性たちを守ってあげてください」
妾を持つことも珍しくないこの時代に。妻をわざわざ離縁して若い女を迎える。
外聞というものがあろうから、梅子さんは離縁されても仕方ないほどの、よほどの悪妻だという事にされているのだろう。
「若い女」といっても、地位のある家の娘なのだろうな……あの弁護士先生が体裁を保てる再婚なのだから。
物分かり良くできそうにない三男だけは母と一緒に家を出した。
まぁ、それだけでも良かった。
「さようなら」は、辛い。
梅子さんのような女性を救う……それは弁護士よりもまず政治のお仕事。
誰をも凌駕する成績
昭和13年9月。
寅子も優三も筆記試験に合格した。
久々に盛り上がる猪爪家。
よねさんも、中山先輩も、轟くんも合格。
竹もとで 昨年すでに筆記だけは合格していた久保田先輩と、口述試験の対策を練る。
よねさんは、もう少し優しいお顔で答えた方がいいんじゃないかしら?
必要なのは法知識の正確さだ。
すると、少し考えてから久保田先輩がよねさんに反論した。
いや、意外と必要なことかもしれない。
は?
尋ねられたんだ。
「今後結婚の予定はあるのか」と。
「その質問は試験に関係ないのでは?」と答えてしまった。
それ、割と近年まであった差別面接ですよね。
専業主婦率の高い時代ほど、女性はニコニコしているもの、女性の仕事は腰掛け、という認識が定着する。
寅子は思うのだった。
やはり女性の門は狭くされている……。
昨年、裁判所で「手ごたえはあったのに落ちた」話をしていた時、寅子は桂場から言われたのだ。
同じ成績の男と女がいれば男を取る。それは至極まっとうなことだ。
かなりの手応えなんて言っているうちは受かりはしない!
誰をも凌駕する成績を残さなければな。
つまり女子には本当に覚悟と力が必要な茨の道。
口述試験の結果
口述試験当日、寅子はいつもより6日も早く生理になってしまい、辛い身体を引きずって試験会場へ行った。
足をさする寅子を心配そうに窺う よねさん。
寅子の生理のつらさは、よねさんの身の上とは比べ物にならないし、あのエピソードは要らなかったのでは……と、あの時は思っていたのだけれど、なんと……こんな所に繋がって来ていた。
「三陰交」のツボを よねさんに教えてもらい、教室のみんなが集まったあの日。
いつもの寅子のグループだけではなく、教室は一体化していた。
これから先、もしかしたら大事な裁判当日に、女子は仕事に行くのがつらい状態かも知れない。
そういう意味では、確かに女性を雇うことは厄介なのだろう。
けれど、女子はみんなで頑張るのだ。
あの日の記憶は、女子みんなでこの時世をくぐり抜けて行く力となる宝物。
口述試験の様子は分からないが、寅子は帰宅してから部屋ですすり泣いた。
実力は発揮できなかったのね……。
きちんと家にお金を入れて自分で働いたお金で何をしようと私は何にも言いませんよ。また頑張りなさい。
母は、そう言ってくれた。
1か月後。
寅子は合格していた。
新聞には寅子の名前が確かにあり、轟くん、中山先輩、久保田先輩も合格していた。
しかし……
共に学習を続け、いつも寅子を気遣ってくれた、兄のような優三の名前はそこには無かった。
しばらく間をおいて、優三は笑いながら言った。
おめでとう。トラちゃん。
ここが潮時です。
と言って、弁護士に見切りをつけてしまった優三さん。
今までは、腹痛のせいで集中できなかったんだね。しかし、今回は寅子と一緒だったおかげで腹痛にも見まわれず試験を受けることが出来た。
でも、落ちた。腹痛のせいではなかったのだ……と悟ってしまったのね。
この人が今後どうなるかは、史実調べちゃった人にはもう分かっていることなのだけれど……。
とりあえずは猪爪家にずっといてくれるのかな。
息子のように傍に居て世話をしてきた直言さんと はるさんの嘆きを見ていると切なくなってくる。
それぞれの夢の挫折。
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
このドラマのレビューを投稿してください
広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
『虎に翼』各回リンク
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10
11 12 13 14 15
16 17 18 19 20
21 22 23 24 25
26 27 28 29