虎つば界、世界が狭すぎるな!!
とは思うけれど、みんなの生死を知った涼子さまの再会の反応が、一番私が見たかったものと一致している気がした。
あの戦争を通って、生死が分からなかった人たちのその後を知るのだもの……。
航一(岡田将生)の行きつけである喫茶ライトハウスを経営していたのは涼子(桜井ユキ)と玉(羽瀬川なぎ)だった。再会を喜ぶ寅子(伊藤沙莉)だったが、玉はある事情を抱えていた。二人はこの場所で、昼は喫茶店、夜は高校生に勉強を教える塾を開いているという。涼子たちの塾には山の境界線をめぐる民事調停で関わった森口(俵木藤汰)の娘・美佐江(片岡凜)の姿もあった…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第17週「女の情に蛇が住む?」第81話
感想
やっとお手伝いさんというものに巡り会えた寅子である。
週に水曜日だけと言わず、もっと来てもらいなよ。
寅子が見えているかのような花江ちゃんの心遣い、ありがたい。
ライトハウス
航一さんが連れてきてくれた洋食屋は『ライトハウス』。
あら、星さん、今日は随分お早いのね。
聞き覚えのある声に寅子が顔を上げると、そこにはあの涼子さまが居た。
昭和27年。寅子、最後の「親友」と14年ぶりの再会。
どうかお許しになってね。ずっとお手紙の返事もせずにいたこと。
トラコちゃんのご活躍は新聞や雑誌で拝読しておりました。
というセリフで、寅子が仲間の生死をきちんと調べていたことが分かる(その割には、近くにいた よねさんについての調査が甘かった……)
みんなの方は、寅子の生死は分かっていたわけである。有名人だったので……。
「トラコちゃんのご活躍は新聞や雑誌で拝読しておりました。」
というセリフでちょっと切なくなってしまった。昔は新聞や雑誌を賑わせていたのは涼子さまの方だったのに。
憲法で貴族制が廃止され、涼子さまは突然一般人になった。
法律が変わって、自由になって幸せな人もいたかもしれない。逆に法律が変わって放り出された人たちもいただろう。
政変期はみんなが戸惑う。
あの、涼子様と玉ちゃんのことみんなに手紙でお伝えしても?今、よねさんと梅子さんは轟さんと法律事務所をしているの。ヒャンちゃんも詳しくは言えないけれど元気に…。
と言うと、涼子さまは泣き出した。
よろしゅうございました。
皆様のご無事と幸せをずっとお祈りしておりましたの。
私がずっと見たかった「再会の反応」がやっと来た。と思った。
互いの命がどうなったか分からなかった中……
よねさんのコジらせは直らず、梅子さんも喜びよりは戸惑いでいっぱい、ヒャンちゃんも事情があるといえ生き延びた喜びを分かち合うことはなく……。
涼子さまが初めてこういう涙を見せてくれて新鮮。
森口の容姿端麗な娘
ライトハウスには涼子さまだけではなく、涼子さまの家で働いていた玉ちゃんも一緒に居た。
玉ちゃんは空襲で怪我を負い、車いすが必要な生活をしており、涼子さまが玉ちゃんの世話をして暮らしていたのだ。
私たち、手と手を取り合って元気に生きております。だからご安心なさってね。
と涼子さまは言っていたが、心配した寅子はまた店をのぞきに行った。
すると、玉ちゃんは店の中で学生に英語を教えていたのである。
ここで勉強を教えていらっしゃるんですか?
東京の大学や国立大学を目指す生徒さんに向けてね。
玉の英語の授業はとっても人気があるのよ。
本当に手に手を取って生きておられるのね。
戦後、空襲で障害を負った人たちに対し、国は何の補償もしなかった。(出征など軍務に携わった人の障害や死には補償がある)
しなかった、というよりも、多すぎて無理だったのでしょうね。それが敗戦というもの。本当に犠牲に対する扱いがひどい。
お店は繁盛しているようだけれど、新潟なんぞに来るまでに涼子さまの家に何があったのだろう。ご主人は……。
ていう話は置いておいて。
あの、佐田先生でいらっしゃいますか?
突然申し訳ございません。森口美佐江と申します。以前父が……。
と声をかけてきた女学生。
そう、あの山の境界で散々うるさかった森口の「容姿端麗な娘」がこんな所に。偶然、重なりすぎ。
美佐江さんは東京の大学、しかも法学部を志望していらっしゃるのよ。
じゃあこれから私たちの後輩になるんですね。
先週書いたけれど、思っていた通り、娘は弁護士になるらしい。
とりあえず、三条の弁護士があの兄弟以外に現れてくれるのは心強い。
老害に日和らないように頑張っていただきたいわ。
友達いないよ
家に帰ると、またも新潟にたまたま住んでいた懐かしい顔に会うことになる寅子。
あっ、寅子さん、お帰りなさい。
ご無沙汰しております。
花江ちゃんの御実家のお手伝いさんだった稲さん。
ええ~っ!
えっ…えっ、どうして稲さんが?
今、新津に住んでおりまして、花江お嬢様から寅子さんをお手伝いしてあげてほしいと。
ちゃんと寅子の現状を把握している花江ちゃん、さすがです。
優未さん、とってもお利口さんですね。
と笑う稲さん。
稲さんが家に入ろうとしても、なかなか入れてくれなかったという優未ちゃん。
花江さんからのお手紙をお見せしたらやっと中へ入れてくれたんですよ。
これは大事なことだよ。
こういう躾けも花江ちゃんがしてくれていたのかしらね。
寅子さん、よかったらまたいつでも私を呼んでくださいね。
年は取りましたけど、ごはんとお掃除ぐらい何ともありませんから。
何事も一人で抱え込むのはよくないですよ。
という稲さんの申し出を寅子は断ろうとしたが(なぜ断る!)
寂しいのです。
兄や姉も亡くなって甥や姪に頼るわけにもいかず親が残した古い家に一人っきりで住んでいて暇を持て余してるんです。ですからどうか…。
と言われ、寅子は稲さんを毎週本庁に行く水曜日に来てもらうことにした。
別にね……毎日でも来てもらえばいいのに。
優未はテストの改ざん事件以来、語り言葉などは打ち解けた感じになってきたみたい。
しかし、
優未さんもきっと優しくておしゃべりが上手で、小学校で人気者なんでしょうね。
と、稲さんが問いかけると、
違うよ。
私、友達いないよ。
と平気な顔で言う優未。
これはね……令和的には「自由」で「個性」だろうけれど、横並びの昭和では大変心配されることである。
学校の子、ずっと一緒にいると疲れる。
と令和のようなことを言う優未。
翌日、我慢できずについ口出しする寅子を慰めるように優未は言うのだった。
だから、意地悪されてないよ。
えっ?
それが聞きたいんでしょ。
いや……いや、そういうわけじゃ…。
ずっと一人じゃないよ。
班を組まなきゃいけない時に一緒にいる子とか、そういう子はいる。
ねえ、そういう子にもっと自分から声をかけてみたら?
お友達になれるかも。
優未だってその方が学校がより楽しくなるんじゃない?
ついつい言いたくなっちゃう気持ち、分るよ……寅子。
そして優未は、
分かったよ。
と言って登校するのだった。
転校したせいで……だったら寅子のせいでもあるけれど、
「昔から友達はいなかったから平気」
と言うのはやはり親としては気になるだろうね。
まぁ……この件は大きな問題にはならなそうだけど。
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
佐田(猪爪)寅子 – 伊藤沙莉
星航一 – 岡田将生
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
猪爪直人 – 琉人
猪爪直治 – 楠楓
佐田優未 – 竹澤咲子(子役期 : 山中天喜→三上ひめな→斎藤羽結→金井晶)
佐田優三 – 仲野太賀
猪爪直道 – 上川周作
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑(汐見香子) – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
稲垣雄二 – 松川尚瑠輝
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
汐見圭 – 平埜生成
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
稲 – 田中真弓
壇 – ドンペイ
浦野 – 野添義弘
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
『虎に翼』各回リンク
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