この時代は「うるさいおばさんでごめんなさい」なんて実際は誰も言ってくれず、批判も集まっただろうなぁ。
歌手としての成功物語だけではなく、働く女性のステップアップ物語でもあるのよね。NHKですからっ。
タケシ(三浦りょう太)がスズ子(趣里)のマネージャーになって2ヶ月。タケシはすっかり馴染んでいた。そんなある日、羽鳥善一(草彅剛)からアメリカの公演に行かないかとの話が出る。スズ子は、本場の客の前で挑戦してみたいという気持ちがある一方、愛子(小野美音)を連れて行くことはできないと聞き、迷ってしまう。スズ子は結論をなかなか出せないでいると、タケシが先に愛子にアメリカ行きのことを話してしまう…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第23週「マミーのマミーや」第107話
感想
愛子役の小野美音ちゃんの泣き演技が上手すぎて、本当にこりゃ置いて行けないねって思うのだった。
「子どもは慣れる」と言うけれど、たぶん葛藤はあるし、泣く子を置いてまで母親がいなくなるなんてという風潮は現代よりもずっと大きかったはず。
麻里さんの言う通り、何をやってもどうせ「後悔」。
仕事と母親
スズ子にアメリカ巡業の話がやって来た。
鈴村興行は知ってるだろう?
あの社長が向こうの興行師とつながりがあってね。
ホノルルを皮切りにアメリカ本土にも渡って4か月ほど回ってみないかって言うんだ。
興奮しながら報告する羽鳥先生。
だがスズ子の表情は晴れない。
そら、ワテも行けるんやったら一度はブギを生んだアメリカに行ってみたいですし、本場のお客さんの前でどこまで通用するんか挑戦してみたいいう気持ちはありまっけど……。
けど?けど何?何だっていうの?こんないい話。
君にとっても大きなステップアップだよ、これは!
はあ…おっしゃるとおりやと思いまっけど、もしもホンマに行かせてもらえるならその……愛子も一緒に連れていけますやろか?
そこだよね。
しかし、仮に連れて行けるとしても向こうでの4か月間もの世話はどうするの。大野さんはとても連れて行けないだろうし……。
ああ~!それがね、申し訳ない。
これがね、どうしても君とあとはマネージャーの柴本君だけしか駄目なんだ。
GHQの渡航許可が下りなくてね。
まあ、そうか、愛子ちゃんか……。
先生「申し訳ない」と言うけれど、これ実はちっとも申し訳なく思っていないよね。
そもそも「ああそうか、聞いてみるね?」ではなく、この時点で「ダメなんだ」ということは聞いているということなんだよね。
だったら普通は初めから「愛子ちゃんは行けないんだけど」と言うよねぇ。
たぶん、交渉もしてくれていないと思うわ。
でもほら、茨田君の肝煎りで来たお手伝いさんいるだろう?
大丈夫なんじゃないかい?
これが駄目となると、麻里さんに
君が母親代わりってわけにいかないかなあ?
まったく、愛子の事なんか頭になかったことがよく分る。
まぁ……仕事、というか音楽の事しか頭にない人だから、仕方ないといえば仕方ない。
ちょっとゆっくり考えた方がいいと思うわ。納得できるまで。
と麻里さんに言われる。当然……。
家に帰ると、4か月もマミーなしで預かる話に大野さんもさすがに難色を示す。
それは簡単には行ってらっしゃいませとは言えませんね。愛子ちゃんにとってお母さんはスズ子さんだげです。
なのに、なんとタケシが愛子に無邪気に漏らしてしまう。
マミー!遠いとこ行くの!?
何や?何や?
すんません。もう知ってんのかと思って話してしまいました。
行ったらあかん! マミー嫌や!
小野美音ちゃんの泣き演技が、すごく上手い。
大丈夫だよ。た~くさんお土産買ってくるからね。それにマミーがいない間に新しいおうちも出来て お引っ越しだぞ。広いおうちは楽しいぞ!
もう黙んなさい あんたは!
ほんと、タケシ、黙って(笑)
男たちはアメリカ行きに浮かれて、全く子どものことなど頭にない。
愛助さんが生きていたら、きっと行ってこいと言うだろうけれど……。
やっぱり愛子の面倒は見切れなかったかもしれないね。
まぁ、その場合は村山興業が愛子の世話のためにいっぱいお金を出してくれそうだけれど。
うるさいおばさん
ワテ、どないしてもアメリカ行って歌手としてもっと成長したいいう気持ちも抑えられんし、せやけど娘より歌を選ぶ自分がそれでええんか思て……。歌手である前に普通の人間、普通の母でありたいと思てたんです。
歌手であることも愛子の母であることも大事で選べない。
麻里さんに相談すると、麻里さんは少し厳しめの表情で答えるのだった。
スズ子さん、あなたはきっとアメリカに行っても後悔するでしょうし、行かなくても後悔すると思う。
でも、もし私があなたの母親だったら行ってきなさいって言うわ。
あなたは心の中では行くって決めてるのよ。あと一押ししてほしいんでしょ?
そうだね。ここまで来たら進むしかないもの。
具体的に愛子をどうするかは未解決だけれど……。
僕が一つどころか七つも八つも押してるじゃないか。
あなたは黙ってて。
今日は黙っててほしい人ばかり(笑)
行ってきなさい。
あなたは母であると同時に歌手・福来スズ子なんだから。
大丈夫。子供は意外と強いから。
ごめんなさいね。うるさいおばさんで。
いや、この時代にして、全くうるさくないし。言っていることは的を射ている。
帰宅すると、大野さんにハッキリと愛子を頼む。
長い期間になりますが、家を空けさせてもらいます。
引っ越しのことと愛子のこと、いろいろお世話かけますが、よろしゅう頼んます。
決意したように笑う大野さん。
分がりますた。
スズ子さんもいろいろど悩んで決められだことだと思います。
わだすもお留守をしっかりど守らせでもらいます。
ただ、愛子ちゃんにはスズ子さんがらしっかりど話してあげでください。
うるせえおばさんでごめんだ。
とんでもない。
自分の子どもの事は自分で解決していく。
うるさくない。
この時代じゃ「うるさくてゴメン」なんてたぶん誰も言ってくれない。
でも、大事なシーンできちんと親としての責任は迫られるのは令和だって同じよ。
いい人たちに囲まれて、スズ子は本当に幸せ。
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
羽鳥カツオ- 中谷悠希(子役時代 : 髙田幸季)
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
二村 – えなりかずき
三谷 – 国木田かっぱ
四条 – 伊藤えん魔
五木ひろき – 村上新悟
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
おミネ – 田中麗奈
小島 – 田村裕
大野晶子 – 木野花
水城アユミ – 吉柳咲良
柴本タケシ – 三浦獠太
高橋 – 内藤剛志
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
矢崎 – 三浦誠己
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
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