朝目覚めたら、隣に寝ていた人はすでに居らず、きちんと畳まれた布団が部屋の隅にある。
寂しい。
日宝からの引き抜きの話を断ったスズ子(趣里)は、辛島部長(安井順平)に謝りを入れる。初めは辛島に怒られるスズ子だったが、羽鳥善一(草彅剛)のとりなしもあり、これまで通り梅丸で活動していくことになる。一方、中山からのプロポーズを断わった秋山(伊原六花)は、大阪へと戻っていく。そして迎える本番の日。スズ子の「センチメンタル・ダイナ」が響き渡る。仕事に、恋に、悩むスズ子と秋山、青春のセッション…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第7週「義理と恋とワテ」第35話
感想
秋山とスズ子が一緒に舞台に立っていた時期は大阪からたくさんあったはずなのに。
この回の2人は初めて1つの舞台を作っているように見えた。
ステージのスズ子と列車の中の秋山。
切ないセッションだよ、センチメンタル・ダイナ。
自分の価値
スズ子を追って2階から飛び降りた辛島さんは、骨折して、社長に怒鳴られて、散々な目に遭ったらしい。
君ねえ!申し訳ないで済んだら警察いらないんだよ。
危うく大熊社長に殺されるとこだったんだよ!
まあまあ、まあまあまあ。本当に殺されるわけじゃないんだしさ。
なにも福来君は犯罪を犯したわけじゃないんだから。
僕にとっては犯罪です!
見てください、この足!どんなに痛かったか!
すんません。
でも妙に似合ってるよね、この松葉づえ。
いいの探したじゃない。
ふざけないでください。
僕は本気で怒ってるんですから。
辛島さんの骨折すら楽しそうな羽鳥先生である。
こうやって謝ってるわけだしね。
何より彼女も深く反省してるんだ。
ここは広い心を持って許してあげようじゃないか。
それとも何かい?「君なんていらない。日宝でもどこでも勝手に行きやがれ」なんて言うつもりかい?
いやそうは言ってないですけど…。
それを言われると痛い。
結局、なんだかんだ言っても、梅丸はスズ子を手放せないわけなのだから。
それでちょっとお話しさせていただきたいこともあるんでっけど……。
と、このタイミングで給料の値上げ交渉を行うスズ子である。
な……何を言ってるんだ、君は。こんなことしておいて!
こんなことがあったから分かったいうか。
日宝はうちの1.5倍出すって言ったみたいなんだよね。
母親が病気で治療費稼がないうんもあるんでっけど、今回のことで自分の価値いうんも考えました。
そうね。
引き抜き話と羽鳥先生のおかげで分かったんだよね。
今までは女学校のような環境の中で、誰が一番か競っているようなものだった。
大和先輩の怒りも、労働環境も、ストライキの意味すらも、たぶんあまり考えていなかった。
「自分は一個の人間として価値がある」「価値相当のお給料を貰う権利がある」
スズ子は少し大人になった。
給料を上げてもらえるほどの価値がある……その権利を手にしたら、上がった給料分働く義務と責任が生じる。
羽鳥夫人の麻里さんは、梅丸に残ってくれてありがとうと言ってくれた。
あの人ね、どうしても福来さんに残ってもらわなきゃって今一生懸命曲作ってるんですよ。
珍しく私にも聴いてくれなんて言ってきて、私、全然分からないのに。
福来君に残ってもらうにはいい歌を作るしかないんだって。
せやけど歌だけやないんです。梅丸に残った理由は。
確かに羽鳥先生の歌を歌いたいんは大きな理由ですけど、先生はワテを一人の人間として見てくれてはるっていうか…。
お給料がどんなに上がっても、ワテを大切にしてくれる場所におりたいと思たんです。
秋山も同じ。
自分に勝手な価値を押し付けてくる男に別れを告げて、大阪へ帰る。
下宿のチズさんが作ってくれたご飯を食べて。自分の子供と相撲を取るのが夢だったという吾郎さんと相撲を取って。
2人で布団を並べて。
何や…昨日のことみたいや。
東京出てきて福来さんと一緒に初めてこの部屋で寝たんが。
あの日も寝られへんかったな。
「せっせっせ」しましたね。
したなあ。
またしませんか?
はあ?寝た方がええやろ。明日朝イチの汽車やろ?
寝れまへんわ~。
しましょ!
翌朝、スズ子が目覚めると、隣にもう秋山はいなかった。
きちんと畳まれた布団。
寂しい……。
でも……
大人になった2人は、振り返らず、それぞれの道で頑張っていくしかない。
よし!ワテも本番や!
センチメンタル・ダイナ
秋山が出て行った朝の切なさの余韻を残したまま……
物語は『センチメンタル・ダイナ』初ステージへ入る。
ダイナ 淋しい瞳に
ほほえみは消えて 涙さえうるむ
ねぇ ダイナ 若い娘は
いつもほがらかに 希望にもえて
おお ダイナ あなたのえくぼに
ほほえみは消えて 溜息ばかり
?「センチメンタル・ダイナ」を公開!
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) November 16, 2023
放送では未公開のカットも含む特別編集版です!
まるで今週の #スズちゃん を励ましているような歌詞にも、ぜひ注目してください。#ブギウギ #ブギウギオンステージ
フルバージョンはこちらから?https://t.co/21bMo4M9qr pic.twitter.com/Qoo7Em619n
歌うスズ子。
踊るスズ子。
ステージを駆け回るように走るスズ子。
タクトを振る羽鳥先生。
バックには梅丸の軽やかなダンサー。
そして、
大阪に向かう汽車の中でスズ子の歌に合わせて秋山がタップを踏む。
秋山の見送りは、このセッション。
素敵な舞台だった。
ツヤさんの病
六郎が心配させるような手紙書いたみたいやけど、お母ちゃんは大丈夫や。
あんたは余計な心配せんと思い切り歌て踊ってください。
そのうち3人で東京に見に行く予定です。
ほな野菜食べて体冷やさんようにな。熱々やで!
ツヤさんの病は相当に重いらしい。
来週の予告を見ていると、家族が本当に心配……。
モデルの笠置シヅ子さんが『センチメンタル・ダイナ』を出したのは1940年。翌年にはもう太平洋戦争が始まる。
そんな時期だったとはね……。
自由にジャズを楽しむ時代はしばらく遠のいてしまうね。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
二村 – えなりかずき
五木ひろき – 村上新悟
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
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