六郎くんが、みんなが憧れる素直さなのだとしたら、それは梅吉お父ちゃんの遺伝やわ。
「行ってまいります」でいいよね。
帰って来てよと泣く父……。
六郎(黒崎煌代)の出征の日がせまり、六郎は頭を丸め恥ずかしそうにしている。相変わらず体調が悪いツヤ(水川あさみ)は専門の医師の診察を受けることとなった。診察を受けたツヤはもう自分が助からないことを悟り、梅吉(柳葉敏郎)に、このことをスズ子(趣里)と六郎には伝えないようにと頼む。ツヤの病気の重さをまだ知らない六郎は、落ち込む梅吉の前でふざけてはしゃいでしまい、梅吉と仲違いしてしまう…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第8週「ワテのお母ちゃん」第37話
感想
スズ子が東京に行きたいと言った時には「行かんでええんちゃう」と止めたツヤさんも、お国の強制招集に対しては行くなとは言えない。
ましてや当の本人が、役立つことをこんなに喜んでいるのを見れば。
どないしてええか分からん
スズ子と六郎には言うたらあきまへんで。スズ子は今、大事な時やし、六郎にも元気に出征してほしい。
まだまだあんたとスズ子と六郎とおりたかったけど……堪忍しとくれやす。
熱々先生の知り合いの医者に余命宣告されて、ツヤさんは静かに梅吉さんに言った。
狼狽したのは宣告された本人よりも梅吉さん。
出征ではしゃぎ回る六郎をついつい大声で叱ってしまう。
どうか…どうか助けたってください!
頼んます!
神社で手を合わせる……「助かって」ほしいのは妻なのか息子なのか、自分なのか……分からないほどの焦りを感じる。
六郎。
すまなんだな。
叱ったことを謝ると、息子は表情も変えずに
もう一生、お父ちゃんと口利かんとこ思うた。
大きい声好かんねん。
もうやめてな。
自分だって大声で機関銃ごっこしていたくせに……。
夫婦は子どもたちを甘く甘く育ててきた。
素直な良い子たちに育った。
育ったけれど……こんな形で取られて行ってしまう。理不尽。
お父ちゃんな……どないしてええか分からんようになってもうてん。お前まで明日行ってまうやろ。
憲兵に聞かれたら引っ張られてしまいそうなことを隠し立てなく息子に言う。
梅吉。この父こそ正直者よ。
出征前夜、六郎はツヤさんの布団の横にゴロゴロしに行った。
甘えたしたいんか。
ちゃう!
かわいいで。かわいない!ふふ…。
いつまでたっても子供みたいやなあ。
そうね。
子供って案外、いくつになっても可愛いよ。
ワイ、軍隊では頑張るねん。
鈍くさいん卒業するんや。
洒落のようにからかわれていた「どんくさい」に六郎なりに悩んできたんだよね。
からかわれるから、たぶん学校にも行かなかった。
そんな六郎が強制力が最も大きい集団生活に入る。
母は心配しかないだろう。でも、どうにもできない。
六郎…あんたは鈍くさいことなんかないで。
ホンマはみ~んな、あんたみたいに素直で正直な人間になりたい思うてんねんで。
ワテもや。
お母ちゃん、うそつきなんか?
ふふ…ちゃうわ。
ホンマあんたと話してたら寿命延びるわ。
そや。長生きせなあかんで。
ワイ、敵をぎょうさんやっつけて勲章ぎょうさんもらってくるで。ほしたらお母ちゃんの病気なんぞ すぐ治るわ。
いつの間にか頼もしなったなあ。
ヒゲも濃ぉなったし…。男の子や。
昨日そったけどな。
元気でおるんやで。
野菜しっかり食べてな。
お母ちゃん、あんたが帰ってくるん、首長~うして待ってるからな。
首伸ばすんか!
空まで伸ばしてるわ。
甘やかせてやりながら、ツヤさんも六郎に甘えている。じゃれ合うような会話。
息子と永遠に会えなくなる……予感。
時間が止まればいいのに……。
「まいります」は あかん
出征の日。
ツヤさんは布団の中で見送った。
外から聞こえる、お決まりの万歳三唱。
ぎょうさん敵をやっつけるて占いに出てたで。
と易者のおっちゃん。
あ~あかん。ほな外れや。
と、キヨさん。
そんな易なら外れた方がええわ。
ほな、花田六郎、行ってまいります!
「まいります」はあかんで。生きて帰るつもりに聞こえるらしいわ。ワテの息子も「行きます」言うて 行ったんや。
花田六郎、行きます!
言い直す。
息子が、大事な子どもが帰って来ることを望むと非国民と言われる、そんな国。
大事な国民が全滅しても勝ちたかった戦争。
戦争というものが終わった後の未来のことなど何も考えていなかったギリギリの戦争。
こんな国が勝てるわけがない。
息子はきっと殺される。
けれども、それを叫んで引き留めることはできない。
だから、梅吉さんは静かに泣くしかない。
六郎は、そんな父をただ静かに受け止める。
東京では、新演出の竹田さんの国策協力体制にみんなが戸惑っていた。
戦地の兵隊さんを含め、全ての国民のために舞台をやるのだと考えると、みんな我慢しているんだ今はそうする時なんだということを舞台でも伝えていきたいと私は思うんですね。
確かに皆さん我慢してはると思いまっけど、お客さんはいつもどおり喜んでくれてはりますよ。
でも、今のままではきっと受け入れてもらえなくなると私は思うんですね。
まあ……とにかくですね、今までどおりのことをやりながら、なるべく目立たない方向といいますか……。
派手にしつつ地味にしよう。という意味の分からない結論。
試行錯誤は続く。
むしゃくしゃしながら帰宅するスズ子の前に、六郎が現れた。
ツヤさんに言っていた通り、「お世話になった人に挨拶」しに来たんだね。
仲の良い姉との別れ。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
二村 – えなりかずき
五木ひろき – 村上新悟
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
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