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大河ドラマ【光る君へ】感想 第9回 「遠くの国」

道長が直秀に扇(扇子)を握らせた意味。

だって、直秀は散楽でいつも扇を持っていたじゃないか。

直秀は道長の「弟」を演じたこともあったのだから……貴族の扇を持つ人として送ってあげたかったんだよね。

烏に食われるような罪人ではなく。

東三条殿に入った盗賊の正体は直秀(毎熊克哉)ら散楽一座だった。道長(柄本佑)の命で検非違使に引き渡される。一方、直秀らの隠れ家を訪ねていたまひろ(吉高由里子)は盗賊仲間と勘違いされ、獄に連行される。宮中では、花山天皇(本郷奏多)と義懐(高橋光臣)の関係が悪化し、代わって道兼(玉置玲央)が信頼を得始めていた。その頃、兼家(段田安則)を看病する詮子(吉田羊)を思いもよらぬ事態が待ち受けていた……

(『光る君へ』上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
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大河ドラマ 光る君へ 第9話 感想

大河ドラマ【光る君へ】感想 

感想

夜中に感想を書いて、朝見ると、文体が「だよね」「じゃん」のようになっていてヤサグレ具合がよく分る……。だって、理不尽すぎるから。

奪われる命ほど理不尽なものはない。

「遠くの国」とは、そこまで遠くだったとは……。

全く三郎のせいではないのだけれど。

しかし、藤原の家の人間だからと勝手に「裏」を読まれた。

たくさん渡した袖の下を誤解されてしまった……。生まれを呪う。

ミチカネが以前、「身分の卑しき者の命などどうなってもいい」と言っていたように、庶民の命など紙よりも軽い時代である。

人間の身体を七人繋げたままで……あんな始末の仕方をすることに恐怖と怒りが止まない……。

袖の下を渡す

劇中でも語られていたけれど、たぶん庶民の盗賊など鞭打ちの上で放免されておしまいである。

庶民の力なぞで「政治」が動くとはだれも思っていない時代だ。

道長は、袖の下を渡すことで、どんな「いいこと」があると思ったのだろう。

鞭打ちせずに放免して欲しかった?

黙って彼らを自由にさせて欲しかった?

ともかく……。

盗賊一味と思われて捕えられた まひろを助けるため、そして直秀たちの罪を軽くするため、道長は役人に袖の下を渡したのだ。

大河ドラマ【光る君へ】感想 第9回 「遠くの国」

まひろは納得できない様子だったけれど、忍び込んだのは確かなのだから捕えなきゃ、は道理。

捕えなければ秩序は保たれない。

たとえそれが施しのための盗みだったとしても……。

しかし、この時の道長はまだ「袖の下」のおかげで自分は直秀を救えたと思っているんだよね……。

獄の中から心配そうに まひろを見ていた、あれが最後……。

父の芝居 道兼の芝居

視聴者は知っていたけれどさ。

突然、起き上がった父・兼家に藤原家の兄妹は幽霊を見たように驚く……道兼以外は、ね。

あ、倒れたのはホントだったんだ(笑)

祈祷に来た安倍晴明に「このまま倒れていろ」と言われた兼家は、機会を伺い意識不明の芝居をし続けた。

知っているのは道兼のみ。

ついに「詮子」って呼び捨てにしちゃった(笑)

兄に問われて道兼は嬉しそうにネタ晴らしを始めた。

大河ドラマ【光る君へ】感想 第9回 「遠くの国」

あの傷を兄と弟に見せるのだった。

そりゃそうだよね……。

道兼はずっと身体を張って父に仕えてきた。

他の兄弟とは覚悟が違うよね……。

扇を持たせる

そう聞いた道長は、百舌彦を使って まひろに伝えさせた。

卯の刻……とは現在の午前4時から6時頃を示す。

身分は低いとはいえ、貴族の姫なのに無茶させるよね。

しかも、ここから先に起こることは「無茶」どころではない苦行だった。

獄へ行ってみると、流罪の盗賊たちはとっくに旅立ったという。

違和感を持つ道長は門番を問い詰める。

暗い山道を2人で上り……辿り着いた先には、7人、縄で縛られて繋がれたままの「彼ら」が捨てられている。

「鳥辺野」は烏の溜まり場。新しいエサをやつらはつついていた。

夜明け前の薄暗い山の中、薄汚れた遺体の中に、2人は直秀を見つけた。

まひろは動けない。

道長が直秀の固く固く握られた拳を叩き開くと、土が出てきた。

最期に土を握りしめたのは、自分たちを手に掛けようとする役人に投げつけるためか。土を掻いて逃げようとしたのか。

それは分からない。

道長は直秀の手に自分の扇を握らせた。

それは貴族の証であり、貴族の役を演じていた散楽師の女役としての直秀に捧げるため。

かつて「弟」であった直秀に自分の物を持たせるため。

「遠い国」で不自由なく暮らしていくため……。

大河ドラマ【光る君へ】感想 第9回 「遠くの国」直秀の悲劇

2人は黙々と7人を埋め、道長は慟哭した。

「藤原摂関家の者である」自分の立場を道長は舐めていた。

あの家に生まれた限り、無関係な顔は出来なかったのだ。

袖の下を渡せば役人は「摂関家からの命令」だと受け取る。

ただの盗賊ではない。彼らは今回、東三条殿に入ったのだ。

藤原から「くれぐれもよろしく」と金を渡されれば、それは「厳罰を」だと読まれても仕方なかった。

誰も「三男・道長は優しくて庶民思い」だなどと知らない。

世間から見た道長はただの「権力者の息子」だった。

直秀はオリジナルのキャラクターということで、中の人も毎熊克哉さんだし、意外と終盤まで生き残って道長と まひろを見守る立場なのかな、と思っていた。

本当に「最近見つかった弟」である可能性も考えていた。

思いもしなかった人物の死は衝撃的だった。

BS4K で昼に見ていたものだから……つらいひな祭りであった……。

そういえば先日、実家のひなを飾りに行ったとき、お内裏様に扇子を持たせたよね……などと思い出しちゃった。

なんと残酷な話……。

内裏に上がり世を正します

本日、唯一の卑し、藤原為時一家。

大学へ入る まひろの弟・惟規に言葉を贈る父。

大河ドラマ【光る君へ】感想 第9回 「遠くの国」

乳母のいと は、若様との別れが悲しくてずっと泣いている。

なんとも、微笑ましい一家。

と戯言を言う父に まひろは答える。

その願いはきっと、道長が叶える。

直秀と散楽一座の死は、2人の人生にきっと決意をもたらせた。

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みるはちコメント欄

キャスト(相関図式)とスタッフ

キャスト (相関図式)

紫式部/ まひろ:吉高由里子(幼少期:落井実結子)

主人公一族(良門流)

藤原為時:岸谷五朗
ちやは:国仲涼子
藤原惟規:高杉真宙(幼少期:湯田幸希〈太郎〉)
藤原宣孝:佐々木蔵之介
乙丸:矢部太郎
いと:信川清順
はる:島田桃依
熊丸:志村光貴

藤原家(九条流)

藤原道長:柄本佑(幼少期:木村皐誠〈三郎〉)
藤原兼家:段田安則
時姫:三石琴乃
藤原寧子:財前直見
藤原道隆:井浦新
藤原道綱:上地雄輔
藤原道兼:玉置玲央
藤原詮子:吉田羊
高階貴子:板谷由夏
藤原定子:高畑充希
藤原彰子:見上愛
藤原頼通:渡邊圭祐
藤原伊周:三浦翔平
藤原隆家:竜星涼
源明子:瀧内公美
百舌彦:本多力
藤原義懐:高橋光臣
藤原顕光:宮川一朗太
平惟仲:佐古井隆之

宇多源氏

源倫子:黒木華
源雅信:益岡徹
藤原穆子:石野真子

宮廷

藤原実資:秋山竜次
藤原公任:町田啓太
藤原斉信:金田哲
藤原行成:渡辺大知
源俊賢:本田大輔
藤原頼忠:橋爪淳
藤原為光:阪田マサノブ
源重信:鈴木隆仁
藤原文範:栗田芳宏

天皇・皇族

円融天皇:坂東巳之助
花山天皇/ 師貞:本郷奏多(幼少期:伊藤駿太〈師貞親王〉)
一条天皇/ 懐仁:塩野瑛久
三条天皇/ 居貞:木村達成
藤原忯子:井上咲楽
藤原遵子:中村静香

朱仁聡:浩歌
周明:松下洸平

その他

ぬい:野呂佳代

座頭:佐藤信之
コウメイ:金澤慎治
兼太:長谷場俊紀
兼次:松岡歩武
兼三:千葉雅大

清少納言/ ききょう:ファーストサマーウイカ
赤染衛門:凰稀かなめ
安倍晴明:ユースケ・サンタマリア
須麻流:DAIKI
直秀:毎熊克哉
さわ:野村麻純
絵師:三遊亭小遊三

語り:伊東敏恵

スタッフ

  • 放送期間 : 2024年1月7日~12月 日(全 回)
  • 制作 : NHK
  • 初回視聴率 :  12.7%
  • 最高視聴率 :  %(第 回)
  • 平均視聴率 :  %
  • 制作統括 : 内田ゆき,松園武大
  • プロデューサー : 大越大士,高橋優香子
  • 演出 : 中島由貴,佐々木善春,中泉慧,黛りんたろう
  • 脚本 : 大石静
  • 音楽 : 冬野ユミ
  • 時代考証 : 倉本一宏

『光る君へ』各回リンク

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