たすき婦人会は確かにうるさい。自分はステージに金を出す客でもないのに正義感警察で取り締まる。
けれども、私には茨田りつ子も同じ者に見えてしまうの。
他人のステージにも他人のやり方にも口出しできないよね。
命に関わるし。
警察から注意を受けたスズ子(趣里)は、三尺四方の中だけで自分の歌を表現するのは難しいと悩んでいた。警察署で自身の信念を貫く茨田りつ子(菊地凛子)の姿を目撃し、これから先自分はどうしていけばいいのだろうと、辛島部長(安井順平)に相談する。そんなスズ子が家に戻ると、梅吉(柳葉敏郎)は相変わらず泥酔して玄関の前で眠ってしまっていた。スズ子は自身の歌のことも、父のことも、どうすることもできずにいた…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第9週「カカシみたいなワテ」第42話
感想
何も楽しくない時代。ということである。
そんな中でも、お母ちゃんが生きていれば支え合って元気に生きられたのだろうけれど。
今のお父ちゃんには生きる気力もない。
表現の自由の侵害
表現の自由
のために、本当に多くの人が投獄されたり獄死させられたりした時代。
三尺四方のステージを終えて、ガッカリするスズ子。
辛島さんと飲みに行き、愚痴る。
な~んもでけへんかった。
三尺四方やなんて狭すぎるわ。
茨田さんは何であんなに突っ張ってられんねやろ。
そりゃあ、彼女はブルースの女王だからね。
どこの会社にも属さず自分だけの楽団を抱えてやってる。
茨田りつ子はフリーランスだったらしい。
この時代にそれで仕事があったのだから、本当に女王なんだわ……。
スズ子の顔色を見ていた辛島さんは慌てて注意する。
ちょっとまた変なこと考えないでくれよ。
いいかい?君は梅丸楽劇団の看板なんだ。
問題が起きたら今後は楽団の存亡に関わる。
茨田りつ子は茨田りつ子。福来スズ子は福来スズ子。ねっ!
そんなん分かってますよ。
と答えるスズ子である。
実際、東京へ来て1年、父は飲んだくれては寝るばかり。
スズ子が仕事を辞めたら親子ともに食いっばぐれてしまう。
六郎からの手紙を2人で読んだ時も、口げんかに終わってしまったくらいである。
今のお父ちゃん見たら、あの子がっかりすんで。
「情けないお父ちゃんや」いうて。
あいつはそないな冷たいこと言わへんよ。説教もせえへん。ワシの気持ちも分かってくれるわ。
一緒に飲んでくれるかもしれへんし。優しい息子やもん。
悪かったな、優しい娘やのうて。
六郎!
はよ帰ってけえへんかなあ!
まぁ、でも、六郎については梅吉さんの言う事の方が正解かもね。
六郎はきっと何も嫌なことは言わない。
でも、このままでいいとも言わないと思うぞ。
ついに、つけまつ毛を短くするスズ子に、羽鳥先生は、
福来君、それ、いいのかい?
と聞いてくる。
よろしいんです。もう公演止めるわけにはいきまへん。
君らしくて好きだったんだけどね。
うまくいかないもんだね。
はい…。
福来君。
僕は楽しむよ。どんな時もそれは変わらない。
楽しめればいいなぁ……。
羽鳥先生のポジティブな姿勢には救われる。
けれども、こういう明るい人たちの心が殺されていく時代だったから、とても、とても心配になる。
私の戦闘服
愛国婦人会に囲まれて、ファッションにケチつけられた茨田りつ子は、
これは私の戦闘服です。
丸腰では戦えません。
それは私に死ねって言うのとおんなじです。
と反論している。
実際、史実のモデルの淡谷のり子さんは、慰問活動の時にも化粧はそのままモンペは履かずドレスで歌った、ということで憲兵から何度も注意されたらしい。
それでも慰問活動はしていたし、兵隊さんのために歌わないということではないんだよね。
自分の誇りを保てる方法で活動していたという事。
茨田さんから言われるスズ子。
あなたどうしたの?
ボ~ッと突っ立って、カカシが歌ってるみたいだったわ。
好きにやったらまた警察に引っ張っていかれてしまうやないですか。
そんな理由でつまんない歌を聴かされる客は気の毒ね。
嫌ならとっととやめなさい。
嫌なわけないやん!
そらワテかてもっと自由にもっと楽しい歌いたいわ!
なら、そうすれば?
自由にそうできない、団体所属で家族持ちのスズ子がここにいるわけである……。
自由な人の「もっと自由に生きろよ」は、時に毒だ。
自由そうな弟子が飛び込んできたことで、このご時世でもスズ子に出来ることは増えるのだろうか。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
二村 – えなりかずき
五木ひろき – 村上新悟
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
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