NHK朝ドラ『ブギウギ』感想　第44回 (第9週:木曜日)

2023年下期朝ドラ「ブギウギ」感想

2023.12.01

辛島さんのせいでも竹田さんのせいでもないのによ……。

また集まって演奏出来たら。

羽鳥さんについ嫌味言っちゃった団員も心の中ではそう思っているはず。

大喧嘩をしたスズ子（趣里）と梅吉（柳葉敏郎）は、お互いに口も聞かないようになってしまっていた。なんとか間を取り持とうとするチズ（ふせえり）だが…。一方、梅丸楽劇団では、人数が減り続ける楽団をなんとかしようと羽鳥善一（草彅剛）が編曲に追われていた。しかし、そろそろ梅丸から手を引くべきではないかと言われてしまう。そんな中、スズ子は動かずとも歌える「蘇州夜曲」を歌わせてほしいと善一に願い出る…
あらすじは Yahoo！テレビより引用

連続テレビ小説「ブギウギ」第9週「カカシみたいなワテ」第44話
感想
蘇州夜曲
ついに解散
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連続テレビ小説「ブギウギ」第9週「カカシみたいなワテ」第44話

感想

歌えそうな歌を歌うのではなく、心から歌いたい歌を歌う。

それが許される時代ではないことが、ステージの人たちを苦しめる。

蘇州夜曲

時代が大衆の娯楽を求めていないのである。

いや、大衆は求めたいだろうけれど同調圧力がそれを許さない。

レコード会社でも新曲の宣伝は難しくなってきた。

ひどい世の中になったねえ。

ぼやく羽鳥にコロンコロンレコードの佐原は言う。

ですが、一方で「蘇州夜曲」は検閲を免れ大ヒット中です。あれは名曲中の名曲ですよ。
羽鳥先生、同じ路線で是非またもう一曲お願いできませんか？

ごまをすられてすぐ出来るなら簡単なんだが、曲はそう都合よく降ってきたり湧いてきたりするもんじゃない。

『蘇州夜曲』は1940年に公開された映画『支那の夜』の挿入歌で、服部良一氏の曲であった。

のんびりした情景が浮かぶ、ちょっと切ない曲。

騒がしくもなく、歌詞に引っかかる部分もなく、映画の内容もメロドラマを装った国策映画という部分もあったため、国からの横やりもなくヒットした。

今、この時期に歌わせてもらえる歌……ということで、スズ子はこれに飛びつき、羽鳥先生に懇願する。

ワテに「蘇州夜曲」を歌わせてもらえまへんか？
あの曲やったらステップ踏まんでも、お客さんを楽しませることができる思うんです。

駄目だね。

何ででっか？先生が納得してくれるまで何べんでも練習します。ワテの歌声で蘇州の情景を表現してみせますから。

羽鳥先生はスズ子の本音をきちんと読んでいる。

福来君、君は心から「蘇州夜曲」を歌いたいわけじゃないだろう。

いえ、そんなことは。

僕には君が警察の指導を避けるためにあの曲を選んだように思えるんだが違うかい？

楽器が足りないならほかの音で補えばいい。
何度でも何度でも僕は楽譜を書き直すよ。
何があっても音を出し続けるのが楽団だからね。

不安で押しつぶされそうなスズ子に、羽鳥先生は『ラッパと娘』の伴奏をしてくれるのだった。

何をしてるんだい。歌うんだよ。
トゥリー　トゥ　ワン　ゼロ。

♪　楽しいお方も　悲しいお方も　誰でも好きな　その歌は……

羽鳥先生の声もスズ子の声も震えているように聞こえた。

ついに解散

梅丸楽劇団のためにあんなに頑張っていた辛島さんだったけれど……。

「#ブギウギ」のご視聴ありがとうございます。
心が折れそうになることだってあるんですよね。守るべきもののために僕はもう少し頑張ります。

梅丸楽劇団制作部長　辛島一平 pic.twitter.com/0tJ1etBJdG
— 安井順平 Junpei YASUI (@yasuijunpei) November 28, 2023