ワテもな、令和じゃあるまいし、この堅い時代にこの2人は同棲続ける気なんやろかと思うてましたんや。
だから矢崎はんにもお母はんにも何の反感も湧かないわ。
でも、史実を知って見ているから……。
トミ(小雪)から伝言があると、社長秘書室長の矢崎(三浦誠己)が、スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)のもとにやってくる。その内容は、そろそろ二人が結婚してはどうかというものだった。ただし、スズ子が歌手をやめることが条件だという。二人を応援したい坂口(黒田有)は、トミを説得しに大阪へと向かう。一方、歌手をやめろと言われたとスズ子から聞いた羽鳥善一(草彅剛)はとても動揺してしまい…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第17週「ほんまに離れとうない」第77話
感想
梨園や相撲部屋の女将さんだと考えると分かりやすいかも。
家業を支えるのが仕事(たぶん家事はお手伝いさんがいると思う……)。
兼業ではそれは出来ないと。
考える時間
矢崎氏、
つきましては、福来さんに歌手をやめていただきたい。
からの今週。
ボンもよく分かっておいででしょう。
ボンと結婚するというのはそういうことです。
村山に嫁いでくる方はボンを支えるだけでなく、大勢の芸人の面倒も見なければなりません。
社長だって大変な思いをして先代を支えながらそうしたんです。
いきなり、そんな……と言う坂口さんだけれど、「いきなり」でもないのよね……。この同棲期間はとても長い。
いきなりじゃありません。
これまで考える時間は十分にあったはずです。
社長は戦時中の大変な時にボンを支えた福来さんに深く感謝しています。なので、いろいろ思うところもありながら、お二人のことを黙認し、将来のことを考える時間を与えた。
それとも何も考えてなかったとでも?
「いろいろ思うところもありながら」が、ちょっと引っかかるけれど……。
大筋は通っている、と思う。
「病気になったから」「戦時中だったから」「学生だったから」……と、様々な事情はあった。
何もなかったら、スズ子はそもそも、職業・家柄・年齢、などで嫁候補から外れていたのかもしれない。
しかし、事情はたくさんある。
息子の好きな人と一緒にしてあげたい。……という気持ちが村山トミに芽生えたのだろう。
子供をたくさん失った人生だったからこそ、生きていてくれるだけで御の字……という部分はきっとある。
けれども、「会社を支えられる女でなければならない」これだけは、きっと譲れないのだ。
ボン、福来さん、ホンマのとこはどないでっか?結婚のことどこまで真剣に考えてはったんや?
と、山下のじいにまで言われてしまう。
何も考えてへんと思われてもしかたなかったかもしれまへんわ。
お母さんとは中途半端なままやったし……。
愛助もスズ子も、やっと「結婚」という人生と向き合い始めた。
我慢するのはいつも女
羽鳥先生に相談しに行くと、当然の事、大反対である。
何言ってるの!?駄目だよ!駄目 駄目!
君が歌手をやめるなんて僕が音楽をやめるようなもんだよ!そしたら僕はどうなってしまうのさ!絶対 あかんて!
なんか大阪弁になってるし……。
福来くん、僕はね、また君と面白いことをやろうと考えてるんだ。
知ってたけど、自分のことしか考えていない羽鳥先生(笑)知ってたけど(笑)
あなた、少し落ち着いてください。
今、あなたがやりたいことは関係ないの。
今大切なのはスズ子さんのお気持ちでしょう。
麻里さんに叱られる。
そうなんだけども……申し訳ない、ついつい取り乱してしまったよ。でもね、君が歌手をやめるっていうのはね僕にとってね、これはね……。
ついに部屋から追い出されて子どもの世話を言いつけられる羽鳥先生である。
スズ子さん。私、お話伺ってて本当腹立たしい気持ちになったわ。
どうしてスズ子さんだけがそんなに残酷な選択を強いられなければならないの?
相手のお母様だって同じ女性として何とも思わないのかしら。
と麻里さんは言う。
それはね、何とも思わないよね……だって、相手のお母様はワーカーホリックですもの……。
吉本は(あ、まぁ、ドラマでは村山だけれど)吉本吉兵衛と妻・せいが2人で立ち上げて育てて来た会社。
会社自体が夫婦の子どもであり、家族である。
残酷な選択、といえば、「女」だからというよりも、息子だって会社の跡継ぎ以外の選択は許されない。この問題にはジェンダーはあまり関係ない。
まぁ、麻里さんはそういう風に受け取った、ということで……時代の変革について考えさせるシーンだったんだろうな。
それより、カツオくんが羽鳥先生を「オヤジ」呼びするようなデカい子になっていてビックリした(笑)
中谷悠希くんといわれるそうで(一瞬、心くんに見えてしまった)。
ワテ、歌手やめよかなあ
以前も自分が社長を説得したのだから今回も、と大阪へ乗り込んでいった坂口さん。
もともと2人の仲を社長に認めさせたんもこのワシや。ふふふ…。責任がありまんがな。
あの矢崎にも、ちいっとクンロク入れたらなあきまへんしな。
ボン、福来さん、任せてください。ふふふふ…。
と意気揚々と出て行ったのに……。
申し訳ない!
まぁ、こうなることは知ってた。
しかし、叱られてスゴスゴ帰って来たというよりも、坂口さんは逆に署長に説得されて帰って来たのだった。
ワテは結婚に反対してるんやないで。
福来さんにも感謝してますし、ええ人や思てます。
せやけど愛助の伴侶になる人は、一緒に村山をもり立ててくれる人やないとあきまへん。
村山は、あんたら社員や芸人もみんな家族や思うてます。
ホンマの家族みたいにみんなで一致団結して、やってきたからこそ、ここまで来たんや。
せやから愛助の伴侶になってくれはる人も、同じ思いで来てもらわな困りますのや。
片手間ではあきまへん。
先ほども書いたけれど、創業者にとって、我が子のような会社への想いは大きい。
夫が早くに亡くなり一人でやってきたからこそ、一人では苦労することも分かっている。
だから息子のためにも、配偶者には一緒に会社のために尽くしてほしい。
令和だったら「なに言うてんねん」な話も、昭和では結構多かったよね。
確かに村山は先代と今の社長が親みたいで、社員と芸人が子供みたいに家族的なまとまりがありますんや。それが村山の経営方針ちゅうか。
そんなん……お母ちゃんの勝手な思いやろ。
せやけどな、ボン。
それがええとこもありまんねや。
芸人がなんぞ悪さしたいうたら先代がどやしつけたり、社長が優しゅう励ましたり、ウケんでしょげてる芸人がおったらこっそり蜜豆食べさせてくれたり。
確かに社長は芸人にとってお母ちゃんみたいなもんなんですわ。
家族的会社を続けたいというのは、良い思い出と共に成長してきたからで。それはそれで、中に居る人たちにとっては、居心地よかっただろう。
懐かしき昔の経営……である。
(令和では「家族のような会社です」なんて求人に書いたら、人が来ないわ)
僕はスズ子さんにそんなん求めてへんわ!
と、愛助くんは言うけれど、これはこれで、親の心子知らずなのよ。
スズ子は、ついに口にした。
ワテ……歌手やめよかなあ。
ワテも話を聞いててお母さんの言わはることも少しは分かりますのや。
それに愛助さんと家族になれるんやったら、やめてもええような気ぃがしてきましたわ。
そういう歴史も、あったかも知れないんだね……。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
羽鳥カツオ- 中谷悠希(子役時代 : 髙田幸季)
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
二村 – えなりかずき
三谷 – 国木田かっぱ
四条 – 伊藤えん魔
五木ひろき – 村上新悟
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
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