いつも「あなたは黙ってて」と麻里さんに怒られる羽鳥先生が、スズ子の共感を得る回。
音楽が人に与える影響について悩むよりも、今のままで楽しんで歌っていく。それしかないっていうこと。
誘拐犯が捕まってから、愛子(このか)は3日間も学校を休んでいた。スズ子(趣里)は、学校に行くようにと言うが、愛子は友だちになった一(井上一輝)がいなければ学校には行きたくないという。大野(木野花)は、そんな愛子を少しそっとしておくようにと言う。スズ子は、羽鳥善一(草彅剛)と麻里(市川実和子)に相談しに行く。麻里に背中を押されたスズ子は、続けて刑事の高橋(内藤剛志)を訪ね、あるお願いをする…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第24週「ものごっついええ子や」第116話
感想
ハジメくんの話は昨日で閉じるかと思っていたのだけれど、会わせるんだね。
この辺は、やはり朝ドラらしさ。
今のままで
あさイチ プレミアムトークを見ていて、草なぎくんの羽鳥先生は本当に良かったな、と心から思った。
飄々として、空気を読まず、でも頼もしい。音楽のことしか考えず、才能は溢れる。
見事に演じたなぁ、お疲れさまでした。(まだ終わってないけど)
せっかく出来た友達を、よりにもよって自分の誘拐事件のせいで無くし、すっかりひねくれた愛子。
スズ子は子育てに悩み、羽鳥家に相談に行く。
そりゃ、愛子ちゃんにとってはつらかったでしょうけど、愛子ちゃんにはスズ子さんの愛情はちゃんと伝わってると思う。
これからもっと難しい年になっていろいろぶつかり合っていくでしょうけど、このままぶつかり合っていけば悪いことにはならないわ。
と麻里さん。
そうね。本音で語り合えば、きっといい子育てになるんだろうな。それもまた難しいんだけれどね。
スズ子さん、あなたは家族も音楽もどちらも一番。
欲張りなんだからそりゃ余計に疲れるわよ。
でもね、そんな欲張りなあなたを私は尊敬してるわ。両立なんてなかなかできることじゃないもの。
でけてまへんけど…。
できてるわよ、十分。
今のままいけばいいのよ。スズ子さんは。
麻里さんにそう言ってもらえると、何だか上手く行く気がするね。
ワテは、ワテが歌うことでお客様に楽しんでもろたり、少しくらい力になったりせえへんかなちゅう思いがどっかにあったんです。
ワテの歌を聴くことで、なんぞつらいことがあったらつかの間忘れてくださいねえって…。
せやけどあの犯人さんみたいな人たちにとってはどうなんやろ思て…。
この問いに、羽鳥先生が答えをくれた(珍しく)。
こんな僕でもね、時に思うことがあるよ。
まずは自分が楽しいからやってるんだけども、もちろんたくさんの人に楽しんでもらいたいし、つかの間でも日常から離れてもらいたい。
でも所詮は余裕のある人間が作って余裕のある人間たちだけが楽しんでいるんじゃないか…。
そんなふうに思ってしまうことは僕にもあるんだ。
この時代だから、余計にそうよね。
音楽は人に力をくれる。勇気もくれる。
茨田りつ子は自分の歌が特攻隊員に勇気を与えてしまったことについて悩んでいた。
スズ子の『大空の弟』で亡くなった人を偲んで癒された人もいた。
そういう側面もあると同時に、テレビもないこの時代、音楽は確かに「万人のもの」ではなかった部分は大きいと思う。
街頭に流れるラジオで歌を聞いた人はたくさんいるだろうけれど、舞台で派手なダンスを披露する姿まで見られた人は少なかったのでは。
そう考えると「ステージは余裕のある人たちの娯楽」という話は真実のように思える。
ああ……ワテは恥ずかしながら今回のことで初めて考えましたわ。
そんなことを四六時中考えてたら頭がどうにかなってしまうし、実は僕たちなんか何もできないのかもしれないよ。ベートーベンやバッハのような大層な曲は作れない。
だから僕程度の作曲家はね、ちょっとでもお客の暇潰しになればいいなんて思うこともあるよ。
羽鳥先生のような大作曲家がそんな風に考えるのは謙遜しすぎな気もするけれど、そんなことを考える羽鳥先生だからこそ庶民もついて行ける身近な音楽を作り続けることができたのだろう。
今のままでいい。
楽しんで行こう。
スズ子はそういう答えを得た。
ハジメくんとの再会
今期、夜中に『めぐる未来』というサスペンスドラマが放映されていて、昨夜もそれを見ていたのだけれど、犯人が主人公を恨んでいる理由がとんでもないほど逆恨みで(笑)
誰でも悲しいことが起きたら、復讐しやすく手が届く範囲の人間をターゲットにするもんだよな、と、愛子を見ながらちょっと考えていた。
けれども、
愛子。はじめ君がおらんようになったのはなマミーのせいやない。
とは言い切れないのよね、今回の場合は。
発端は、貧しい一般人の羨みを買うようなパーティだったのだから……。
まぁ、親は愚かだけれど、ハジメくんには恨まれても仕方ない気がしていたところ。来てくれて良かったね。
本当に心の澄んだ良い子だな。
無理を言うてるんは百も承知やし我が子かわいさでっけど、なんとかなりまへんやろか…。
スズ子が高橋刑事に頼んだのは、はじめ君を家に呼ぶこと。
はじめ君はどこまで事情を知ってるんでっか?
全て知ってるみたいですな。ちゃんと伝えたとのことです。
それは…ようここまで来てくれましたなあ。
はじめ君……ごめんね。
と、愛子が切り出した理由は、
約束、破ってしもて…。
だった。
うちのマミーのせいで、とは一言も言わなかった。
もういいよ。夕方まで待ったけどな。
ごめん。
遊ぼ。
うん。
はじめくんも、ひと言も「うちの父親が」とは言わなかったし、お互いに親のことは持ち出さず、家柄も犯罪も侘びれることなく、ただ遊ぶ。
いいね。子どもは。
まあ、事情はよく分かりませんが、子供の背中を見てると我々はちゃんと生きなきゃいけないと思いますな。彼らは一生懸命ですから。
本当にそうだなぁ……。
この子たちの純粋な気持ちがこのまま汚れなく育ちますように。
そう思ってしまうシーンだった。
愛子。
もしかしたら、マミーちょっとだけ間違うてたかもしれへんな。
愛子に寂しい思いはさせとうないし、ええ子に育ってほしい思て必死やったけど、愛子は優しいええ子に育ってくれてるわ。
ものごっついええ子や、愛子もはじめ君も。愛子、ワテの子でいてくれてホンマにありがとう。大好きやで。
大団円やで。
朝ドラの娘反抗期描写としては、一番子どもの心情に寄り添える展開だったわ。
親の方は、あまり自分のせいだと思っていなかったみたいだけれど(笑)
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
このドラマのレビューを投稿してください
ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
羽鳥カツオ- 中谷悠希(子役時代 : 髙田幸季)
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
二村 – えなりかずき
三谷 – 国木田かっぱ
四条 – 伊藤えん魔
五木ひろき – 村上新悟
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
おミネ – 田中麗奈
小島 – 田村裕
大野晶子 – 木野花
水城アユミ – 吉柳咲良
柴本タケシ – 三浦獠太
高橋 – 内藤剛志
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
矢崎 – 三浦誠己
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
『ブギウギ』各回リンク
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10
11 12 13 14 15
16 17 18 19 20
21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
31 32 33 34 35
36 37 38 39 40
41 42 43 44 45
46 47 48 49 50
51 52 53 54 55
56 57 58 59 60
61 62 63 64
65 66
67 68 69 70 71
72 73 74 75 76
77 78 79 80 81
82 83 84 85 86
87 88 89 90 91
92 93 94 95 96
97 98 99 100 101
102 103 104 105 106
107 108 109 110 111
112 113 114 115 116