ドラマだから大げさよねぇ……ということではなく。
まぁ、あの当時の国家権力は今よりもっと逆らう余地が無かっただろうよ。
庶民への暴力が、そのまんま通用してしまう時代だ。
白梅堂へ挨拶に行った万太郎(神木隆之介)。心配するまつ(牧瀬里穂)に、寿恵子(浜辺美波)を必ず幸せにすると約束する。寿恵子を送り出す決心をしたまつは、ふるさとに帰ることになった文太(池内万作)について行くと明かす。それから半年。万太郎、寿恵子、竹雄(志尊淳)は高知へ里帰りをすることに。その頃、峰屋の綾(佐久間由衣)は、酒税に苦しめられていて…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第12週「マルバマンネングサ」第57話
感想
前半はひたすら微笑ましく、最後の方はひたすら眉ひそめる展開だった。
昔の人は大らかで、地方はみんな温かくて、というばかりではない。
戦争に向かっていく時代ですもの。
お金のこと
釣書も拝見しましたし、あなたの人柄も分かっておりますけど、万太郎さん。こればかりは聞かせていただかないとなりません。
お金はどうなさるおつもりですか?
おまつさんに挨拶に行き、ずばっとそう聞かれる万太郎。
当たり前だ。
親なら誰だってそう言うよね。
小学校の教師や手習いの師範らあ、私にできることはありますけんど、まあ自分の研究する時間が削られちょっては本末転倒です。
私は日本中の草花を全て明らかにして図鑑を作りたいがですき。
ん……それは分かりますけど、お金がかかるんでしょう?
そこで寿恵子さんと相談して考えました。
名付けて八犬伝方式!
私なら、この時点でお帰り頂くかもしれない(笑)
いわゆる分冊です。「八犬伝」は全98巻106冊。
わしの図鑑も日本中の草花を全て明らかにしてから原稿を書いて発刊したら、正直いつになるか分かりません。
白髪頭になってしまうかもしれませんき。
だからできるところからちょっとずつまとめてちょっとずつ発刊していくんですって。
わしはもう土佐の植物でしたら今すぐにでも本にできますき。
そういて順々にできるところからまとめて発刊していったら出版にかかる金も少のうて済みます。売値も安くできる。
それをこう「八犬伝」のように気軽に買うてもろて次の支度金と生活の金を作ります。
なるほど。だから八犬伝方式。
私ゃ、また、8つの玉を集めるように……の方向で何かするのかと思ってしまった(笑)想像よりも現実的だった。
私も働きます。内職もできるし売り子もできます!
すると、おまつさんは、白梅堂を当てにするなと言うのだった。
なんと、唯一の職人である文太さんが、親御さんの介護を兼ねてご実家の旅館を継ぐのだとか。
ええ……もったいない。そちらであの美しい和菓子の腕は生かせるのだろうか。
それじゃあ、おっ母さんはどうするの?
う~ん…決めてないけどね…。
この人には柳橋にいた時分からずっとお世話になってたからさ、今度はさ、私が恩返ししようかってさ。
うん?それって……。
それって女将さん…!
決めてないよ!
でもここを辞めるんならもう「女将さん」はいいよ。
「おまつ」って呼んで。
かわいい反応(笑)。
はからずも、万太郎が白梅堂を訪ねた時に文太さんに「お父様ですか」と聞いたことが実現してしまった。
離れた場所に行けばあんたのことすぐに助けてやれないんだよ。2人とも、ほれた腫れたじゃどうにもならないんだよ。
どんな時もひたすら暮らしていかなきゃならないんだ。
やっていけるかい?
はい。
寿恵子さんには苦労をかけますけんど、かけっぱなしにはいたしません。
必ず寿恵子さんに報います。
暮らしていきます。
しみじみ思うのは……
このドラマのセリフ回しや言葉選びが凄く好きだなぁということ。
「必ず報います」「暮らしていきます」
言葉が美しい。
日本語には様々な表現があると実感できる。
峰屋の苦境
それから半年……。
半年間、どうしていたのかはよく分からない。
が、祝言はまだらしいので、万太郎は長屋で、お寿恵さんは白梅堂で、それぞれまだ未婚のまま暮らしていたということで(たぶんOK?)。
十徳長屋は2間借りているとはいえ、一間は倉庫代わりなので竹雄をそちらでというわけにはいかないだろうし、あそこで新婚夫婦が暮らすなら竹雄の居場所がないものね。
酒造りの繁忙期を避けるための半年。
万太郎は寿恵子を連れて竹雄と佐川へ向かっていた。
はあ~マルバマンネングサじゃ!
おまんらちっと離れちょっただけやのに懐かしいのう。
のう元気じゃったか?
何ですか?かわいい。ぷにぷにしてる。
うん。こういう肉厚な葉を持つ植物は多肉植物ゆうがじゃ。
で、この子もバイカオウレンとおんなじ、冬でも枯れん常緑じゃき、丸い葉っぱに万年緑色の草。
マルバマンネングサ!
そう!
フフフ、覚えました!
うれしい。これなら私でも覚えられます。
寿恵子さんは、とても素直だ。
元々、草を愛する万太郎を理解できなければ添い遂げることなどできないだろうし。
パートナーの愛するものを自分も「かわいい」と思えるその心。人として、すごく大事。
さて。
竹雄をどうするのか問題は、竹雄自身もきちんと考えている。
3人でずっと生きていくのも楽しそうだと思うけれど、それでは「万太郎」と呼べるようになっても、いつまでも竹雄は若の御付き。
ここは、やはり竹雄は解放されなくては……(視聴者、寂しい)。
寿恵子さん。
佐川におる間に、あなたに大事な役目を引き継いでもろうてもえいですろうか?
役目?
植物学者・槙野万太郎の助手の役目です。
しかし、峰屋へ着いた途端に、3人は思わぬ光景を見てしまう。
造石税の取り立てに来た役人の横暴。
つらいのぉ……。綾さまの幸せは遠い。
このドラマのレビューを投稿してください
らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
『らんまん』各回リンク
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10
11 12 13 14 15
16 17 18 19 20
21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
31 32 33 34 35
36 37 38 39 40
41 42 43 44 45
46 47 48 49 50
51 52 53 54 55
56 57