セドゥム・マキノイ。
「マイノイ」の「イ」は一体何なのか。
マキノ「の」的な?
タキ(松坂慶子)は医師の鉄寛(綱島郷太郎)に病気を治してほしいとお願いするが、難しいと言われてしまう。鉄寛はタキに、東京に戻らずそばにいてほしいと万太郎(神木隆之介)に伝えてみては、と話す。そんな中、万太郎に手紙が届く。それは、マキシモヴィッチ博士が、万太郎が送った標本の中からマルバマンネングサを新種と認めた、という知らせだった。竹雄(志尊淳)と寿恵子(浜辺美波)も大喜び。その話を聞いたタキは…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第12週「マルバマンネングサ」第60話
感想
決して、自分のために実家に帰れとは言わない祖母。
おばあちゃんにとって、家よりも大事なものがある。
孫が大成すること。それも愛。
祖母の願望
万太郎の子供を……わしのひ孫をこの手に抱いてみたい。
先生、どんな薬を使うてもえいき、わしを生かして……。お頼申します!
タキさんの願いをハッキリと
申し訳ありません。
わしには作れません。
と断る医師である。
大丈夫ですよ。きっと良くなります。と希望を持たせると案外寿命が延びたりするものだけれど、それもしないのは、むしろ親切なのだろうか(時代的に)。
タキさんの病はそこまで重いということなのだろう。
しかし、このようには言うのだった。
大奥様は、これまで峰屋のために尽くしてこられた。
ようやく今、自分のための願いをお持ちになったがじゃ!
命ゆうがは、まっこと不思議なもんですき。
願いこそがどんな薬よりも効くことがあります。
言うてみてください。
東京に戻らんと、そばにおってほしいと。
長生きさせてあげる術はない。
しかし、坊ちゃんが側に居続けてくれれば命が延びるかもしれないよ。
欲は、何よりも生を燃え立たせるものだ、というのは真実だと思う。
お寿恵さんも、そういう事がよく分かっている。
万太郎が通っていた小学校へ2人で足を運び、森を通ってバイカオウレンを見る。
母の話をし、故郷の話をし、子どもと過ごす未来について語る。
あのね、私ね、気付いたことがあるの。
何です?
万太郎さん、子供、お好きでしょ?
さっきお勉強子供たちに教えてたでしょ?
万太郎さんの顔、すっごく生き生きしてた。
いつか万太郎さんが父親になったら、あんな優しい顔で子供たちを見るのかなって考えてました。
佐川で家族になりましょうか。
土佐の植物から図鑑になさるんでしょ?
小学校の先生をしながら植物採集をしたら?
いいですよ、私は!
佐川、好きです。
セドゥム・マキノイ
しかし、峰屋に帰ると事態は一変する。
大学からの手紙が届いていたのである。
「拝啓、万さん。お元気ですか?こちらはもう大騒ぎです。マキシモヴィッチ博士は標本の検定の正確さを認め、土佐のfloraをまとめた槙野万太郎を高く評価しています」
「それから植物学教室にもともと所蔵していた田邊教授の標本・戸隠草が……」
戸隠草がメギ科の新属として認められたらしい。
捨てずに整理したからですよね。これも万太郎のおかげさ。
「そして……」
そして、なんと。
わ……わしが……わしが送った土佐の標本の中からマルバマンネングサが新種の植物じゃと認められたがじゃき!
マルバマンネングサ?
あの子ですね!
マキシモヴィッチ博士が正式に学名を付けて海外の雑誌に発表するそうじゃ!
学名は「Sedum makinoi Maxim」。
この最後の「マクシム」はこの学名の命名者、つまりマキシモヴィッチ博士のことじゃき!
で、その前の「セドゥム・マキノイ」これが新種に付けられる学名じゃ。
「セドゥム・マキノイ」。
マルバマンネングサがセドゥム・マキノイ?
そうじゃ。で、その「マキノイ」は……。
マキノイ……。
マキノ……。
槙野じゃ!
え……わ、わし……わしの名前が……えっ?…植物の名前として永久に刻まれるがじゃ~!
「このマキシモヴィッチ博士による新種認定の知らせは、日本の植物学界に一大波乱を巻き起こすことになるのです。」
そりゃそうよね。
「世界に追いつき、いつかは征したい」そんな段階の日本が、まさかの方向で世界から認められる。
特に田邊教授のような人は……。これを機会に世界に打って出たいだろう。
そのような欲のない人だって「いいね」は嬉しい。世界から受ける日本発「いいね」。
ここから先に起きるのは承認欲求の嵐……。
タキおばあちゃんは結局、万太郎に、佐川に残れとは言わない。
おまんの名があの草の名になって世界に出ていくがか?
うん。そうじゃ!
ふじにのう、仙石屋を呼ぶよう言うてきて。
お寿恵の衣装、急がせるき。
早う祝言を挙げて一日も早う東京に戻りい。
おばあちゃん…。
草の道が海の向こうにもつながっちゅうがじゃろう?
さっさと戻りい。
それはもう、虚栄心でも承認欲求でもなく。
ただただ、孫の夢を叶えたいから。
このドラマのレビューを投稿してください
らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
『らんまん』各回リンク
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10
11 12 13 14 15
16 17 18 19 20
21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
31 32 33 34 35
36 37 38 39 40
41 42 43 44 45
46 47 48 49 50
51 52 53 54 55
56 57 58 59 60