NHK朝ドラ【半分、青い。】第156回(第26週)最終回 感想

そよ風ファンの発売決定記念パーティーがつくし食堂で行われることになった。

晴(松雪泰子)ら総出で準備を進める中、鈴愛(永野芽郁)はある人の言葉にヒントを得て、「マザー」という扇風機の名前を思いつく。律(佐藤健)と津曲(有田哲平)は早速、商品名を変更するために動き始める。

夕方になり、つくし食堂では顔なじみが揃ってのパーティーが開かれる。東京から律も駆けつけ、鈴愛と律はマザーにこめた思いを語りだし…

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

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連続テレビ小説「半分、青い。」第26週「幸せになりたい!」 第156話

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俺でいいの?

律しか駄目だ。
私の律は律だけなんで。

一人だけなんで。

 

じゃあ、俺の願い事も言っていいすか?

うん。

鈴愛を幸せにできますように。

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うん。
この一連のセリフがあの七夕の時に交わされていたら、このドラマは50話くらいで終わってた。

2人の抱擁抱擁抱擁シーンを見ていたら、ちょっと、あの耳をくっつけ合っていた幼い日の画を思い出した。

あの頃は……好きだった。このドラマ。

 

結局、このドラマは律と鈴愛の恋愛のためのドラマだった。

うん。知ってた。私は初めから言ってた(はずだ)。
このドラマはヒロインカップルが恋愛ブルドーザーで次々と現れる相手をはね散らして恋愛遺体の山を築いていくドラマだと。

 

脚本家せんせーーが、ずっとずっと各所で繰り返している「くっついたり離れたり恋愛」を毎日15分半年もかけて行っただけ。

朝ドラだから、そこに「家族」を多めに絡ませてみた

岐阜の実家の甘すぎる優しさは「甘やかせすぎだろ!!」と思いつつも羨ましかった。

(私はこんな優しい家で育てられなかったので、朝ドラのヒロイン一家はいつも羨ましい。)

けれども、寛容すぎる家に生まれながら、ヒロインは自分の家族を上手く作れていない。

元夫は勝手な男だったが、そもそも結婚への決断が安易だし律への当てつけだったし。

せっかくの一人娘のためにアレコレやっているように見えるけれども、ドラマ上で描かれるシーンは抱き合ったりチラっと話したり、「ほぼ表面上の仲の良さ」。

最後に「ちょっと我が子のイジメ問題を盛り込んでみました」けれども、「転校させてやった」「不毛な戦いはしなくていい」以外に解決は描かれず……

これも書いたけれども、「戦わなくてもいい、逃げてもいい」のはイジメに遭った本人であって、親はある程度戦わなきゃダメなんじゃないのかな……。転校はしてもいいけれども、あの担任に何か考えさせる矢は放って去った方が良かったんじゃないのかな。

「モンペ」と「庇護」は違うと思う。理不尽を全く正すことなく黙って逃がす事だけやっていたら、いつまでもどこまでも逃げ続ける背中ばかりを見せることになるよね。

 

結局、たぶん親子の深さを見せるため(と、私は受け取った)のイジメエピソードは、ヒロインの表面子育てを見せるだけの結果に終わった気がしてならない。

 

それでも。

それでも、綺麗な雨音を同じように聞くのだろう母子三代の図で終わったラストは、ちょっと好き。
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朝ドラだから、そこに「夢」を多めに絡ませてみた

「夢」を持つ事は大切だし、持てば上手く行くわけではなく、ほとんどの人は挫折する。「叶う」人なんてなかなかいない。

私は初め、このドラマは漫画家になるドラマなのだと思っていた。

けれども、主人公は別に子どもの頃から漫画を描いていたわけではなく、ポッと描き始め、ポッと機会を得て、ポッとプロになり、何年も同じ作品だけに触れ、「アイデア」だけで「すごい」と言われる……。

結局挫折するならば「プロになりたくてなれなかった」人として描いた方がリアリティがある。

別に朝ドラにリアリティを追求するわけではないが、「無理すぎな設定」には嫌悪感を抱く関係者がいても、それは仕方ないよね。だって、みんな苦労した、そして苦労してその世界に居るのだから。

初期に描かれた原稿に対する誠意の無さは「若気の至り」だとしてもハラが立ったし、最後まで私にはそんなに「仕事に立ち向かっている」ようには見えなかった。だって恋愛描写の方が多いから(笑)

そして、その「そんなに立ち向かっているように見えない」部分は、終盤に突然肝になった裕子との「半身」設定にも関わって来る。

そんなに立ち向かっているように見えなかったから、半身にも見えない。

 

カンちゃんのスケートに関してはますます現状が見えてこない。

スケート体験があったかどうかもよく分らないのに、畳の上で回転ジャンプできるだけで東京まで行ってしまう。

もう小学生ならばジュニアの大会にも出ていると思われる。

相当な選手として将来有望だから無理して東京に住み続けているんだよね……応援している様子が全くなかったけれど。

(もちろん、フィギュア描写自体は無理としても、教室に付き添うとかお弁当作ってあげるとか、大会の結果に喜ぶとか……そういうの無いのですか……私ゃ辞めたのかと思い込んでた)

朝ドラだから災害絡ませてみた

別に朝ドラだからって戦争や災害を入れ込む必要はないと思うんだ……・。

上にも書いたけれども、個人的には裕子は鈴愛の「半身」ほどに描かれてこなかったとしか思えない。

最終2週までのノリで行くなら震災は要らなかった。どこまでもノホホンと夢と恋愛を追っている話で良かったと思う。

最終の2週だけ見た人がいるとしたら、泣ける展開だったかもしれない。

(そうか……ユーコって人はこの主人公にとって物すごく大切な人だったのだな、そりゃ絶望するよ、震災を描く意味あるよね)

……と、きっと思う。

最終の2週だけ「生と死」の半分を青く描く素敵ドラマみたいになっていて、そこまで見てきた身としては「どうしてユーコ?」になっちゃうのである。

 

そして、結局、何もかもが恋愛成就のために使われる道具のように見えてしまうのだった。

朝ドラだけど、色々絡ませてみた

『Mother』は松雪泰子さん主演の大ヒットドラマだ。

「そよ風ファン」の商品名を『Mother』にしたのは……恐らくそこに掛けているんだよね(笑)

脚本家やスタッフが他局であろうが自分の過去作を遊びに持って来るのはよくある話で、そういうのは〇〇組のファンにとっては嬉しいサプライズなわけだが、他人様の作品をこんなに絡めてくるのって……どういう意図があるのかよく分らない(笑)

 

他にも、つい昨日のレビューにも書いたけれども、ゆーこちゃんの中の人は『やすらぎの郷』でも東北の被災者を演じている。

まぁくんのお相手「あきこさん」は今期、佐藤健さんが出演していた他局のドラマのお相手(?)だ。(脚本家せんせーはそのドラマは見ないと宣言されていたとか(笑))

そういう演出の意図はよく分らなかった。分からなくてすいません。

別にヒロインに共感できないからダメとは思わない

そもそも、朝ドラヒロインは正義感にしろ潔癖さにしろ思い込みにしろ天然さにしろ、行きすぎた人たちが多く、「性格に共感」なんて出来る人はなかなかいない。

私は『あまちゃん』が大好きだが、ヒロイン含め共感できるキャラクターなんてほぼ存在しなかった。

『カーネーション』が大好きだが、糸子は完璧な女で完ぺきな人間だとは思っていない。

『ちりとてちん』が大好きだがB子のウジウジしたところにはよくイライラしていた。

 

それでも「がんばれ」と思えるのは、やはりエピソードや行動やセリフが何かしら視聴者の心の琴線に触れるからであって、それはストーリーに対する「共感」なんじゃないでしょうか。

未熟な人間たちが愛おしくワチャワチャと生きている。

その様が面白いのではないのでしょうか。

 

そういう意味で、これはほぼ「共感」できないドラマであった。

たまに「共感」するのは同族嫌悪的な部分だったかもね。

「自分が人や物にしてきた行動が人生に返ってくる」

そういう意味ではホラー的に面白い。

 

けれども、先ほどから書いているようにストーリーのあちこちが「なぜそこを雑に描く」「なぜそんな程度で上手く行く」「なぜそこだけ長々と描く」「この展開でそんな風になるかな」の繰り返しなので、ストーリー的な「共感」に遠い。

源ちゃんの歌を半年間ありがとう

私にとっては、これに尽きる半年であった。

来週からは新ドラマ『まんぷく』が始まります。

 

ジックリ書きたい内容だったらレビューUPは毎朝夕方以降に。なんだ、これ、って感じだったら簡単感想で朝……という感じになる予定。

事前記事は書けたら書きます。

では、半年間、駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

このドラマについてひと言ふた事書きたい、書いて下さるって方はぜひどうぞ。

https://dramarevue.cinemarev.net/2018-4/hanbunaoi/

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※キャスト

楡野 鈴愛… 永野芽郁(子役期:矢崎由紗)

楡野 晴… 松雪泰子
楡野 宇太郎… 滝藤賢一
楡野草太… 上村海成(子役期:志水透哉)
楡野(森山) 花野… 山崎莉里那(赤ちゃん期:箸野夢結)

楡野仙吉… 中村雅俊
楡野廉子… 風吹ジュン

楡野里子… 咲坂実杏
楡野大地… 田中レイ

萩尾 律… 佐藤健(子役期:高村佳偉人)
萩尾和子… 原田知世
萩尾弥一… 谷原章介

萩尾より子… 石橋静河
萩尾 翼… 山代琉飛

西園寺 龍之介… 矢本悠馬
西園寺(木田原) 菜生… 奈緒(子役期:西澤愛菜)
西園寺 モカ…
西園寺 キララ…
西園寺 満… 六角精児
西園寺 富子… 広岡由里子
西園寺 麗子… 山田真歩
木田原 五郎… 高木渉
木田原 幸子… 池谷のぶえ
健人… 小関裕太
まさこ(ともしび)… ふせえり

秋風 羽織… 豊川悦司
菱本 若菜… 井川遥
小宮裕子… 清野菜名
藤堂 誠… 志尊淳

朝井正人… 中村倫也
シロウ(おもかげ)… 東根作寿英
森山涼次… 間宮祥太朗
田辺一郎… 嶋田久作
元住吉祥平… 斎藤工
藤村光江… キムラ緑子
藤村 麦… 麻生祐未
藤村めあり… 須藤理彩
斑目賢治… 矢島健一

津曲雅彦… 有田哲平
加藤恵子… 小西真奈美

小杉… 大野泰広
真鍋… 安井順平
北野編集長… 近藤芳正

豊島… 佐藤夕美子
伊藤 清… 古畑星夏
友永 … スマイリーキクチ
小林 … 森優作
神崎トオル… 鈴木伸之
青山セントラルリゾート開発部長… 斎藤歩
小倉 瞳… 佐藤江梨子
山田先生 … 尾関伸次
クラゲ先生 … 春海四方
医師… 眞島秀和

津曲… 有田哲平

岡田 貴美香… 余貴美子

佐野弓子… 若村麻由美

語り… 風吹ジュン

※スタッフ

脚本 … 北川悦吏子
演出 … 田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗
プロデューサー … 松園武大
制作統括 … 勝田夏子

岐阜ことば指導 … 尾関伸次

音楽 … 菅野祐悟

主題歌 – 星野源「アイデア」

公式サイト https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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151 152 153 154 155 156(最終回)

コメント

  1. くう より:

    ひじゅにさん。
    半年、お疲れ様でした。

    >まさに想像の斜め下でした

    すっごく昔は良かったのですがね~~、神様も自作の焼き直しばかりやるようになって、そこからの、これ。という感じでしたね。自作の焼き直し集大成^^;

    こちらこそ、また半年、よろしくお願い致します。

  2. くう より:

    ケロヨンさん
    >でもステキなエピソードのコラージュを12話程度ならちゃんと画面が埋まってうまい構成になったのかもしれないけど、
    150話となるとスカスカにしかならず隙間を埋めるために更なるモザイクになり破たんしてましたね

    エピソードが素敵というよりも、素敵なセリフを並べてみましたという感じでしたよね~~。

    それはさながら、漫画家編では「素敵なネームを並べてみました」、涼ちゃんも「素敵な脚本書いてみました」、扇風機も「素敵なアイデア……」結局、どの局面でも並んでいるのは「アイデア」だけ。それをスライスオブライフと言われても(困惑)って感じでした。

    真剣なお仕事を描かないとその方面の専門家に申し訳ないですよね。どの仕事も簡単そうに見えるドラマでした。

    なるほど「まれ」の変な色のケーキの方が、まだ「作っている感じ」はあったかな(笑)

  3. ひじゅに より:

    お疲れさまでした&ありがとうございました。
    北川作品はチラリとしか知らないけれど、「恋愛の神様」と言われるくらいだから、得意なジャンルでなら脚本力は高いだろう…
    恋愛メインは苦手だけど、韓ドラのドロドロ恋愛は結構観てたりするので、始まってみればハマる可能性大…
    と思って臨んだ『半分、青い。』でしたが、まさに想像の斜め下でした(^^;)

    ヘンテコ・コメントが来た時、助けていただいたことも感謝しています。

    『まんぷく』が楽しい作品であることを願って(笑)
    これからも、よろしくお願いします。

  4. 最終話>『半分、青い。』第156話

    ​​​​​​​​​​​​​​​あれ?これまた又聞きではあるけど>と、一応断っておく悦吏子様は、あっと驚く最終話にする!って公言してたんじゃ…?驚く要素なんてあった?終わ…

  5. 最終話>『半分、青い。』第156話

    ​​​​​​​​​​​​​​​あれ? これまた又聞きではあるけど>と、一応断っておく 悦吏子様は、あっと驚く最終話にする!って 公言してたんじゃ…? 驚く要素なんてあった? 終わり良ければ全て良し…になるかもしれないと ほんの少しは期待していたんだけど 驚くほど内容のない最終話だったな>そういう意味での驚き? あ、内容がないのはいつもと同じか いや、だか…

  6. ケロヨン より:

    半年間、お疲れさまでした。

    「戦わなくてもいい、逃げてもいい」ので私は早々に視聴中止。とはいえたま~に断片的に見てここでチェックしてました。
    おもしろくなければ見るのやめればいいというのは「まれ」を完走して得た教訓です。 まさかあれより酷い作品がこうも簡単に出現するとは思わなかった。
    今思えば「まれ」は傑作「あまちゃん」を一生懸命研究し、換骨奪胎し、場面やエピソードを置き換え、くふうして表現を変換して頑張って作っていました。
    その努力はすべてセンスの無さ、貧困さで酷い結果になりましがその頑張りは今作よりずっと評価できるな、、、と今更だけど思えました。
    今作は「まれ」をお手本にしてる?あれならもっと上手く出来るわって感じで。 でもステキなエピソードのコラージュを12話程度ならちゃんと画面が埋まってうまい構成になったのかもしれないけど、
    150話となるとスカスカにしかならず隙間を埋めるために更なるモザイクになり破たんしてましたね。どーして太い幹や根を張らせてそこに枝葉をしげらせるような努力をしないのか
    はじめがらきれいな葉や花を並べるだけでは薄っぺらい絵にしかならないのはあたりまえなのに。 
    おまけに会話のセンスや恋愛話しもネタのセンスも自分にはまったく受け付けられず、子役たちも全然好きになれず・・・次作に期待、、いや朝ドラはもういいかな。

    かしこ。

  7. 【半分、青い。】最終回(第156回)感想と視聴率

    名前、「マザー」より「そよ風ファン」の方がどんな扇風機かすぐに分かっていいと思い

  8. 半分、青い。 (第156回/最終回・9/29) 感想

    NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』(公式) 第26週『幸せになりたい!』の 『第156回/最終回』の感想。 そよ風ファンの発売決定記念パーティーがつくし食堂で行われることになった。晴(松雪泰子)ら総出で準備を進める中、鈴愛(永野芽郁)はある人の言葉にヒントを得て、「マザー」という扇風機の名前を思いつく。律(佐藤健)と津曲(有田哲平)は早速、商…

  9. 連続テレビ小説『半分、青い。』第156回(最終回)

    内容ついに、扇風機の発売が決定した。鈴愛(永野芽郁)は。。。。敬称略なにがマザーだよ。。。(失笑)“もともと”などと言っているけど。唐突に、名前をつけたのと同じで。“もともと”ではあるが、ほぼ無関係で制作が進められ。気がつけば 律の金で、律が開発。最終的な思いつきも律だったのだ。 主人公でさえ、ほぼ無関係だったのである。それなのに???

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