競争するわけでも戦うわけでもなく、「楽しむ」ことを決めたスズ子を羽鳥先生も大野さんも応援する。
恐らく、視聴者も。
愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を休みたいと言い出す。スズ子(趣里)は、自分も水城アユミ(吉柳咲良)との新旧対決から逃げたかったが、今は逆に楽しみだと話す。そして、逃げるかどうかは愛子が自分で結論を出すようにと伝える。翌日、学校に行くかどうか迷う愛子を家に残し、スズ子は羽鳥善一(草彅剛)のもとに向かう…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第25週「ズキズキするわ」第120話
感想
いくつになっても好奇心が旺盛なこと。
何にでもワクワクズキズキすること。
それが楽しく生きる秘訣だと。そういう結末に向かって今走っているんだろうな。
逃げるんやったら多分 負けた方がええ
転校生と駆けっこしたくなくて、学校を休もうとする愛子に、スズ子は休んでもいいと言う。
ただな……逃げたらそのことは一生忘れられへんで。
マミーもな、人に負けるのは好かん。
せやけどな、負けるんが嫌で逃げるんやったら多分負けた方がええねん。
そして、自分にもライバルが現れたのだと愛子に語る。
負けてまうし、もしかしたらマミーはもうあかんのかなと思てしまうかもしれへんやろ。
ちょっと!そんなに弱気になってたんですか?
驚くタケシ。
せやけどな、今はな、その人と歌てみたい思てワクワクし始めたんや。
ワクワク?
怖ないん?
怖いは怖いけどな、怖い以上に楽しみやねん。
マミーはね、好奇心が旺盛なんです。
と、大野さん。
生ぎでいぐ中で一番必要なことだど大野さんは思ってる。
怖え、逃げてえ、って思う時は大抵心の中でやった方がいいって自分では分がってるんだど、大野さんは思う。
(大野さん、愛子には自分のこと「大野さん」って一人称だったんだな……)
せやけどな、愛子がどないしても負けるんが嫌やったら逃げてもええねんで。
愛子がどないしようと、マミーはそれでええと思うわ。
そうして、スズ子自身は羽鳥先生の元に向かうのだった。
水城さんに「ラッパと娘」を歌う許可を頂けないでしょうか。
と切り出したスズ子に、羽鳥先生はいつものように微笑んでいるような顔を向けるだけ。
この前のワテはひきょう者でした。
先生にお任せするみたいに言いながら、本心では水城さんに歌わせたくないいう思いがあったんです。
せやけど、こないだ久しぶりに自分の歌う「ラッパと娘」を聴いてワクワクしたんですわ。
ホンマ、あれは最高の歌や。
ほしたら何や不思議なことに「水城さんはどう歌わはるんやろ」思てものすごい聴きたい思て…。
それが同んなじ舞台や思たらズキズキワクワクしてきたんですわ!
それを聞いて先生は初めて口を開いた。
ズキズキワクワクか。
はい!
やっぱり大したもんだねえ、君は。
確かに君と水城アユミが同じ舞台に立つなんて僕も見てみたい。
まして水城アユミが我々の歌を歌うんだ。
君が言うように、ズキズキワクワク以外の何物でもないな。
羽鳥先生自身も「落ち目」の闇に落ちかけていたんだものね。
芸術は後進に追い抜かれるもの。
先を歩く人のプレッシャーはいつだって半端ない。
羽鳥善一ほどの人でも、やはり人間だった。
そして、スズ子の方が先生を引き上げる力を持ち続けていたのね。
「われわれの」ラッパと娘。
2人でズキズキワクワク見てほしいわ。
紅白なんて(まだ紅白じゃないけど)お祭りなのだから。
思い切り悔しがって思い切り 恥ずかしがったらええ
水城アユミが『ラッパと娘』を歌うことにタケシはもちろん抵抗した。代々木ディレクターも、そこまでは考えていなかったようで困惑していたが、スズ子の心は決まっている。
ワテが水城さんに是非「ラッパと娘」を歌ってもらいたい思たんです。
水城さんが「ラッパと娘」ワテは…「ヘイヘイブギー」でどうでっしゃろ。
いいよいいよ!
福来ちゃんがそれでオッケーならこっちとしては願ったりかなったりでさ。
と、演出の勉さん。
別に対決やいうわけやおまへんし、お客さんも盛り上がるんとちゃうか?
盛り上がるなんてもんじゃないよ!
こっちはそれをねらってんだ。はははははっ!
そうなのよ。
観客にとってはお祭りだからね。
私、悔しいわ!
めちゃくちゃ恥ずかしかったわ。みんな見ててんで。もう恥ずかしいて悔しいて、やっぱり行かんかったらよかったわ!
家では、転校生に負けた愛子が泣きながら帰ってきていたが、はじめ君が言うには、
俺たまたま見てたけど、お前が思うほど誰も注目してなかったぜ。
まぁ……たぶんそうなのよ。
あんな記事が騒がなければ、水城アユミが『ラッパと娘』を歌うことなんてただの余興。
観客はきっと盛り上がるだけ。
悔しかったなあ。恥ずかしいんもよう分かるわ。
スズ子は愛子を抱きしめた。
思い切り悔しがって、思い切り恥ずかしがったらええねん。
逃げてもええし立ち向こてもええ。
どっちにしろ人生は大変な道のりや。
その時その時、選べばいい。
気が楽になる。
昭和はなかなかそういう時代ではなかったと思うけれど、自由に選べる世界がここに描かれていることは救われる。
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
羽鳥カツオ- 中谷悠希(子役時代 : 髙田幸季)
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
二村 – えなりかずき
三谷 – 国木田かっぱ
四条 – 伊藤えん魔
五木ひろき – 村上新悟
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
おミネ – 田中麗奈
小島 – 田村裕
大野晶子 – 木野花
水城アユミ – 吉柳咲良
柴本タケシ – 三浦獠太
高橋 – 内藤剛志
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
矢崎 – 三浦誠己
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
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