主人公・のぶの残りの命を嵩が見守りつつ、2人らしく生きる……そんな最終回だった。
人間の「晩年」として幸せな数年間だったのではないでしょうか。
羨ましいくらい。
のぶ(今田美桜)の病室のドアを開けた嵩(北村匠海)は、にっこり笑うのぶの姿に胸がいっぱいになる。その後退院したのぶは、嵩に自分がいなくても大丈夫かと尋ね、今年の桜は見られないかもしれないとつぶやく。そんなことないと打ち消すように話す嵩は、たまらずのぶを抱き寄せる。やがて日本中の子どもたちのヒーローになったアンパンマン。のぶは最高の笑顔で嵩に言う。「嵩は、うちのアンパンマンや」と―
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「あんぱん」第26週「愛と勇気だけが友達さ」第130話(最終回)感想

感想
言いたいことは多いけれど、簡単まとめ感想で。
ここまで心酔して見ていらした方にとっては涙だらけのラストだったと思いますよ。
当方はもっと冷静に見ていました。
最終回としては、良かったです。
今期も半年、ありがとうございました。
晩年と回想
前回(昨日)のレビューで「主人公をエンドロールまでに死なせる必要ない」と書いたのだけれど、そうはならなかった。
つまり『らんまん』と同じにはならなかった。(昨日も書いたけれど『らんまん』の主人公は万太郎なので、あの展開で良かった)
闘病が描かれたわけではないけれど、のぶは病に倒れ、夫婦は静かに最後の時間を楽しむ。
のぶは入院している間にも『アンパンマン』を布教し、退院後もアンパンマンを布教し、余命宣告より5年も長く元気に生きた。
笑って生きることが長生きの秘訣だというから、本当にそういうことなんだろうな、と思う。
嵩さんはいつもうちの心を明るく照らしてくれた。
お父ちゃんが亡うなった時も…。
自分が生きちょってえいがか分からんなった時も…。
どんな時も格好つけんと弱い自分を見せてくれた。
やき、うちは救われたがよ。
そういうたっすいがーの嵩が大好き。
あと少ししか一緒におれんけんど、どんどんあふれてくるがよ。
うちのこの体は…嵩の愛でいっぱいちや。
溢れるほどの夫婦愛はたくさん見せてもらってきた。
2人の間に生まれた「アンパンマン」という子供は、私たちの子供たちみんなの幼少期の思い出になる「日本の心」そのもの。
ドラマのモデルとなったお2人は本当に偉大な夫婦だと心から思う。
「ドラマと史実の人は別物」という設定で放送しているのが朝ドラというものだけれど、改めてそのことに気づかせてもらえた。その功績は大きい。
『アンパンマンのマーチ』に修正前の初稿版があったことは知らなかったけれど、
「たとえいのちが終るとしても」
うち…今よう分かった。嵩さんがこの歌に込めた思い。
命はいつか終わる。
でもそれは全ての終わりやのうて受け継がれていく。
アンパンマンの顔みたいに。
やき、生きることはむなしいことやないがよ。
うちのこの残りの命、嵩さんにあげるきね。
私はプロデューサーと同じ意見で、「いのちが終わる」はアンパンマンの歌にふさわしくないと思う。
子供にはあまり聞かせたくない。
けれども、命を終える老人がこの歌詞の方が良いと思うのならば、それはそれで納得する。
落ち着いた良い最終回だったと思います。
お疲れさまでした。

『あんぱん』良かったところ悪かったところ
感想は、あくまでも私感です。
良かったところ
上記、最終回感想にも書いたけれど、『アンパンマン』は日本の有名キャラクターでも、その作者夫妻にまで関心を持つ人は少ないと思うので、そこが全国区になったことは良かったのでは。(史実ではない部分がほとんどだとしても)
朝ドラの戦争描写は空襲(国内)がほとんどだが、『あんぱん』では従軍先が描かれた。しかもかなり長きにわたって詳細に。これがどういう評価に繋がったのかは分からないけれど、挑戦的な試みだと思った。
悪かったところ
エピソードのバランスについては他所でも散々言われているようだけれど、まぁ……そのおかげで個人的には「15分が長いな」と感じてしまう回が多かった。
それより何より、個人的にはずっと書いてきたように「育ての親描写が薄い」=2人が育ってきて世話になったはずの御免与描写が薄い、と感じてしまう部分が大きかった。
しつこく書いて御免ヨ……だけれど、個人的には全くどうなったか分からない千代子さんが、セリフスルー旅行の後で死後の写真になってたのには本当にビクリシタヨ!
嵩、あんた寛おじさんが亡くなった時に「一度もお父さんと呼べなかった」と泣いていたのに、その後でずっと生きていらした千代子おばさんを一度も「お母さん」と呼んでないよね。そういう所だよ。まぁ…そこが「嵩」という人ではある……。キャラはブレてない(ここは褒めるところ)。
戦後、ずいぶん長いこと出てこなかったヤムおんちゃんの出し方も雑だったなぁ……。ヤムおんちゃんとヤムおんちゃんのあんぱんこそが、このドラマで一番大事なところだと思うのだけど。
そうやって雑だなと思う部分もあるのに、八木さんと蘭子はずいぶんと丁寧に丁寧にジットリと描かれたよね……。あの人たちのシーンだけ日本映画のようで見ごたえはあったのだけれど……長い。後半は主にここのバランスがおかしかったのではと思うのだった。
(意味深なプロポーズ予告の続きはどうなったんだろ……蘭子=向田邦子さん説も耳に入ってきたので「海外に行って帰ってきたら……」は事故フラグ?と思ってしまった。ないよね。)
あと、すいません……感想はあくまでも私感ですが……OP映像、最後まで慣れなかったです。
役者の皆様には心からお疲れさまでした
朝ドラはいつもそうだけれど、好きな俳優さんばかり出ていたので、そこは本当に嬉しかった!
皆様、お疲れさまでした。
10月を待たず、次期朝ドラ『ばけばけ』が来週月曜から開始されます。
教科書にも載っているあの小泉八雲の奥様がモデルですね。
当方、『怪談』好きなので、とても楽しみにしております。
来期も緩く無理せず短くレビューする予定です。
引き続き、よろしくお願いいたします。
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
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あんぱん キャストとスタッフ
キャスト
若松(朝田)のぶ – 今田美桜(子役期 : 永瀬ゆずな)
柳井嵩 – 北村匠海(子役期 : 木村優来)
朝田結太郎 – 加瀬亮
朝田羽多子 – 江口のりこ
朝田蘭子- 河合優実
朝田メイコ – 原菜乃華
朝田釜次 – 吉田鋼太郎
朝田くら – 浅田美代子
原豪- 細田佳央太
柳井登美子 – 松嶋菜々子
柳井清 – 二宮和也
柳井千尋 – 中沢元紀
宇戸しん – 瞳水ひまり
柳井千代子 – 戸田菜穂
柳井寛 – 竹野内豊
若松次郎 – 中島歩
若松節子 – 神野三鈴
辛島健太郎 – 高橋文哉
小川うさ子 – 志田彩良
田川岩男 – 濱尾ノリタカ(子役期:笹本旭)
今野康太 – 櫻井健人(子役期:中村羽叶)
山下実美 – ソニン
黒井雪子 – 瀧内公美
座間晴斗 – 山寺宏一
貴島勝夫 – 市川知宏
屋村草吉 – 阿部サダヲ
八木信之介 – 妻夫木聡
神野万蔵- 奥野瑛太
馬場力 – 板橋駿谷
目黒新 – 日高由起刀
島仙吉 – 横田栄司
粕谷将暉 – 田中俊介
東海林明 – 津田健次郎
小田琴子 – 鳴海唯
岩清水信司 – 倉悠貴
薪鉄子 – 戸田恵子
世良則雄 – 木原勝利
いせたくや – 大森元貴
手嶌治虫 – 眞栄田郷敦
白鳥玉恵 – 久保史緒里
語り – 林田理沙
あんぱん スタッフ
◆放送期間 : 2025年3月31日 ~ 2025年9月 日(予定)(全130回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
- 脚本 – 中園ミホ
- 音楽 – 井筒昭雄
- 主題歌 – RADWIMPS「賜物」
- 制作統括 – 倉崎憲
- プロデューサー – 中村周祐、舩田遼介、川口俊介
- 演出 – 柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
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